EP8-14
「きっっっも!!!あんたちょっとなに!!!!このフォルダ!!」
あーっはっはっは、と笑う理由が分からなくて黙って考えていると
「まりあの写真しかないじゃない!!」
「それ以外必要ないので…」
いーひっひっひっ
魔女みたいな優ちゃんの笑い方が店に響いてすごいことになってる
「どれどれ〜?」
と言って勝手に一枚の写真を拡大表示する。
「あーん、可愛い〜。あの子この顔よくするわよね〜!!あー!これも可愛い〜!!」
興奮する優ちゃんになんかムカついてスマホを下ろす僕に
「あ!!やだ!ちょっと待ってよ!!指輪見たいんだってば!!」
と携帯を煽る仕草をして、勝手にスクロールし始めた。
「あんたこれ盗撮の倍率じゃない。きもいわよ」
「僕がキモいのは別にいいんです」
「いっっ…!!、??」
優ちゃんは一つの写真を見て変な声を出すとまりあの手元を拡大した
「なっにこの指輪!」
「上が婚約指輪と、下が結婚指輪です」
2連で付けても干渉しないと店員さんが言ってたので
まりあにもそう言って2つとも付けさせてる。
「ガラス?そんなわけないよね?じゃあダイヤ…?」
「ダイヤなんですけど、なんか違うダイヤです。日本にはたまに入ってくるか来ないかのダイヤって言ってました。ガラスもあるんですか…?」
「は?あんた何も知らないのね。あれ…?まりあこんなネックレス持ってたかしら?」
「指輪渡した日がクリスマスだったので、ネックレスも渡したんです。」
「これネックレス…これあそこのじゃないの?」
「なんかのブランドだった気がします」
「んなこたぁわかってんだよ……。そしてごめん、下世話なこと聞いていい?」
「ちょっといやかもです」
「質問きいてから断りなさいよ」
「…なんですか?」
多分今、あからさまに嫌な顔をしてしまったかもしれない。
「ゆ、指輪もすでに恐ろしいんだけどさらに珍しいダイヤなのよねいくらするの…このカラットの指輪って…」
「・・・・・・・・・・。」
「え…?何その顔。」
「すみません、ちょっと忘れたので明細見ていいですか」
「忘れる人いるの…!!!??あんたやだほんと…」
クレジットカードの利用明細を遡って
「1200万くらいでした」
「ガッッテム!!!!」
優ちゃんから咆哮が上がる
「え、婚約指輪一つはいくら?」
もう無遠慮で聞いてくるこの人
「いや、だから1200万ちょっとです」
「私の聞き間違いじゃなければ、なければ!よ?結婚指輪はまた別途かかってるってこと?婚約指輪一つ"だけ"で1200?」
「そうです。もう結婚指輪は400万〜と言われたのは覚えてますけど、ネックレスと一緒に買ったのでわかりません。2つ合わせた明細は…1000万してないくらいです」
「あばばばばばばば…あんたお金の使い方知ってる?」
「何ですか?まりあに使うのが無駄だって言いたいんですか?給料の3ヶ月分ではないですけど絶対当分誰とも被らないって言われたのでこれにしました。」
「ばか!違うわよ!あの子には盛大に使いなさい!スケールが違いすぎたわ…。あんたのこと舐めてたわ。そうよね…あんたの3ヶ月分と一般会社員の3ヶ月分はそりゃ違うわよね…」
優ちゃんが何か喋ってたけど
スマホに視線を落とすと、可愛いまりあの写真が表示されたままでつい見入ってしまう。
「人の話聞きなさいよ」
まりあの写真を拡大した状態でスクリーンショットを撮ると
「いらんいらんいらん!そのスクショ!!もともとフォルダに入ってる写真スクショするやつどこにいんのよ!!!」
「可愛くて…つい。だって見てください。この真っ白い手。この手についてるブレスレットも指輪も僕が贈ったものなんです。それをつけて今も僕がいないところを1人で歩いてるんですよ?周りの男がいくら可愛いと思ってもまりあは僕のなんですよ。その証明になってるのがわかってないで歩いてるなんて…なんて可愛いんだろう」
「うるさいわね……。気持ち悪いし…。まりあは何も知らないで"ほぼ家"の金額を体に纏って歩いてんのね…心配だわ…。そして給料の3ヶ月分うんぬんかんぬんは全く心配ないくらいの素敵な指輪ね。」
そこまで言うと
「心配といえば、そうだ、あんた。」
と優ちゃんが切り出した。




