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第8話 動かぬ過去

今回は勇者フェイク、モーゼンのお話。

この二人は共通点が無いようで実は…。


果たしてこの二人はどう過ごすのか。

勇者フェイクは過去への転送前、やる事を反復していた。


先ずはフィナとメルニーと合流だな。雑貨屋か宿屋でドドルという子にも会ってみよう。

息が合いそうなら4人で鍛錬と連携や基礎を上げておきたいな。


勇者が帰ってきたら、メイナに会う、合言葉「エレオス・ソフォビビオ・スパスィ」、勇者カインか戦士ブルームに猛特訓をお願いして。

4人でなるべく練習をしてチームワークは上げておきたい。

どちらにしよう…


そう考えてると意識が飛んだ。




     ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



フェイクが意識を取り戻す…。


◎ (あれ、目が開かない。体も動かせない!一体どうなってる!?)◎


拘束されてるというより、麻痺のような何もできない感じ。


そして聞こえてくるのは川の中に頭を入れたような、何かが流れている音。


◎ (どうしよう、状況が全く解らない。体が動かせない以上、出来ることはなんだ?)◎


そんなことを考えてると何処からともなく声が聞こえた。


? 「うんしょ、さてまずは洗濯からしなきゃ。」


◎ (あれ、この声どこかで聞いたことあるような。でも何か音がこもってるような。)◎


? 「るーるーるるるーるーる、るーるるるるるー♪」


◎ (鼻歌か…どこかで聞き覚えのあるメロディーだけど思い出せない。)


出来ることが全くないフェイクは、出来る事を考えた。


◎ (この麻痺状態、動かせないなら、合言葉を忘れないように反復するしかない!)


◎ (エレオス・ソフォビビオ・スパスィ、エレオス・ソフォビビオ・スパスィ)◎


そして数時間もしないうちに意識が飛んだ。



次に意識が戻ったときはお昼過ぎだった。フェイクは知る由もないが。


◎ (あぁ眠ったのか、まだ麻痺してるな。じゃぁ暗記の続きを。)


こうして、エレオス・ソフォビビオ・スパスィはフェイクの脳内にしっかり刻み込まれるのであった。



数日が過ぎ、フェイクは脳内暗記真っ只中、いつも聞こえる声とは違う声が聞こえた。


? 「パパですよー?まだお腹の中に居たいのかなー?」


◎ (おなかの中!?)


ここでようやく、フェイクは現実を知る。


◎ (俺はまだ生まれてない、つまり18年くらい前って事だな。転送したのは西暦2539年6月15日だったと思う。俺の誕生日は2521年8月1日。つまり最短であと1カ月ちょっとで誕生できるけど、6月15日の確証がない。それ以前だったら?赤ちゃんて何年かかって生まれてくるんだ?)◎


フェイクは考えるのをやめた。解らないこと考えても無駄である。フェイクの信念の一つ。


フェイクは再び暗記の為に唱え続けた…エレオス・ソフォビビオ・スパスィ。


そして狂う歯車。


フェイクは脳内で暗記の為に唱え続けた…エレオス・ソフォビビオ・スパスィ。体は動かないと諦めてあまり動かそうとしなかった。




     ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆




一方、モーゼンは昼過ぎに目が覚めた。


自分の研究室で机に倒れこんでいた。


モーゼン 「ん、ここは」


辺りを見渡して、研究室だと確認した。


取り合えず席を立ち、聖堂に足を運んだ。



モーゼン 「こんにちわ。神聖女様はいらっしゃいますでしょうか?」


聖女A 「今、お祈り中でして少しお待たせしてしまうかもしれませんが、いかが致しますか?」


モーゼン 「では、聖女メイナは居りますでしょうか?」


聖女A 「今は外に出ております。夕方戻るとご伝言預かっております。」


モーゼン 「では、また伺いますので。こちらはお納めください。」


聖女A 「ではこちらに、署名と金額ご記入ください。」



モーゼンは記入を終えて、食堂で食事意を済ませ研究所に戻った。


モーゼン 「ふむ、上手くいかんな。」


モーゼンは自分の研究の書を覗く。


モーゼン 「思った以上に進んでないな…しかし思い出せるものは書き込んで行こう。」


自分で見直したりしていたお陰でするする書ける…


意識しないうちに集中してしまい、気が付いたら夜になっていた。



: 「モーゼン、聞こえるか?」:


モーゼン 「後ろを振り返ったが誰も居ない。」


: 「頭の中に直接話しかけている。わしの事が解るか?」:


モーゼン 「神様ですか?まさか私に話しかけて頂けるとは。」


: 「すまぬ、声をかけたのは確認もあるのじゃが、18年後の私から何言伝はあったかな?」:


モーゼン 「メイナと二人で現勇者を探すように言われております。」


: 「どういう事じゃ。現状を予測しえなかったって事か?そじゃ、確認したい。18年後のイレギュラーな出来事が起こって、お主はこちらに来た事までは予測できた。」:


モーゼン 「実は、シルフィーオが失敗してしまい、エルフィー様を転送し損ねてしまいました。」


: 「エルフィーだったか。ふむ。少し、黙る。」:


モーゼン (神様は情報から事実と現状を整理しておるのかな。その上でこれから起こりえる情報を探っておるのかな。)


: 「モーゼン、メイナと勇者探しをすると言ってたな?それはしなくて良い。お主は前勇者達との経験がある、まずはメンバーがホクレイ・ドームに居るか確認してくれ。明日以降に魔王からモーゼンに呼び出しがかかると思う。それに答えてやってくれ。」:


モーゼン 「かしこまりました。現勇者の事はお任せして宜しいという事ですよね?」


: 「うむ。現勇者の事は神の龍と魔王、私の方で対応する。」:


モーゼン 「お願いいたします。」



こうして、モーゼンは通常運営となった。



この二人、共通点があるようでやっぱりない。

生まれてないし、動けない。

モーゼンは未来の神様の指示で動くはずだったのに、現在の神様には動かぬ指示。


この二人は動けないという共通点。


モーゼン…今後出番はあるのか!?

そして勇者はどうなってしまうのか…。

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