第96話 カラオケ
ツキヒトさんの車は目的地についた。そうここは、「ごうえもん」・・・ではなく「からおけ ジャンジャン」。和風パスタ食べたかったはずなんだけど車の中で盛り上がりすぎて。
「もうこのままカラオケ行っちゃいましょうよ。」
そう。こう言ったのは間違いなく私。車が止まって少し正気に戻ったけど・・・それでも私は歌いたかった。
「半年ぶりくらいかなぁ。ルネさんは結構来るの?」
・・・週一ペースで一人で来てるのってやっぱおかしい?まぁツキヒトさんなら隠す必要ないか。
「週一くらいで来てますよ。」
中に入ると何度か見た店員に「え。今日は一人じゃない!」みたいな顔された。余計なお世話だ。
「ご利用時間はいかがされますか?」
「2時間くらい?」
「そうですね。あ。機種はzoy、ドリンクバーで。」
本当は一人でも2時間歌ってるから少し物足りないかもだけど。
「1階12番のお部屋になります。」
ドリンクバーのカップを持って指定された部屋に進む。今さらだけど緊張してきた。平均点は88点くらい出るし下手くそではないと思うけど。さて、ツキヒトさんは。うん。予想通り大分そわそわしてるwなんか緊張がほぐれるなぁ。
「まぁまずはご飯注文しましょうよ。わたしはいつも通りキムチャーかな。はいどうぞ。」
メニューを渡し、早速カラオケの装置にプラスを連動させる。まずはオリスロ関連の曲で攻めていくか。
「おれも決めたよ。注文しとくね。」
晩飯準備完了。あとはいいタイミングで店員さんが来ることを祈る。・・・いやどうしても止まれないタイミングとかあるよね。Cメロから大サビにかけてのクライマックスとかさ。
「ありがとうございます。そしたら早速歌っていきましょう。先入れちゃいますね。」
入れた曲はザイトの「オリスロエレアの秘宝伝remix」の我らのnovel。ラップの男性パートがあり、一緒に歌えるのでは少し期待している。
「!いいねぇ。ラップ部分混ざってもいい?」
やっぱツキヒトさんよ。
「ぜひ。けど下手くそだったら割り込んじゃいますんで頑張ってくださいね(*^^)v」
・・・♪
「うわー。めっちゃうまいじゃない。」
「そちらこそ。こんなに歌えるとは思ってなかったのでびっくりしてます。」
やるじゃん。結構ラップ部分ってめちゃくちゃになっちゃう人いるのにほぼ完璧に歌えてたと思う。さぁそんなツキヒトさんの歌う曲は。
「ルネさんまつりびゃの75回目の涙歌える?」
「もちろん。ヒロインパートは任せなさーい。」
・・・二人があまりにも幸せそうに歌っていたので飯を届けにきたバイトの兄ちゃんは空気を読んで曲が終わったタイミングで扉を開けた。
「お持たせしましたー。キムチチャーハンと台湾混ぜそば、タコ焼きポテト盛りになります。」