第43話 大勝負
「Rかよ。けど新台だ。」350枚 ※参考までに出たカードの相場を隣に書いておきます
「非新台のSRか。」250枚
1度目の勝負は敗北。
「先輩?どうします?」
「当然2回目へ。」
「そうっすよね。」
一瞬で数千円分のメダルを損した彼ら。不思議と高揚しているようだ。
1回1万円相当のガチャ。普通の運を持っていればよいが。偏りによっては破滅する。
さぁ彼らはどうでしょう。
「SR!・・・だけど新台じゃないみたいっす。」200枚
「うわ、Nかよ。しかも非新台。」0枚
「聞くまでもないと思いますけど。」
「当然3回目へ。・・・の前にコーヒーでも飲もうぜ。少しヤバい気がするw」
「たしかに・・・ものの1分で2万円分のメダル使ってるって異常かも。」
コーヒーを注ぎ、お菓子を広げ、タバコに火をつける。ふー。冷静にな。
「よし。3回目行きますか。」
「待ってました。」
・・・結果はどうでしょう。
「SR、でも非新台。」250枚
「R・・しかも非新台。」50枚
「・・・ちょっとヤバくないっすか?」
「すでに爆死だよ。そろそろ新台SRくらい出てもらわんと困る。」
「・・・ということは4回目ですかね。」
「ん。多分引くなら今なんだ。明日以降は今よりかは相場が落ちて期待値も下がると思う。」
「同じこと考えてましたね。それでは参りましょう。」
4回目のくじの結果は。
「んっだよ、R非新台です。」20枚
「SR、だけど非新台。」200枚
・・・
「ちょっと次に行く前に出たカード売りに出しときます。そろそろヤバい。」
「同じく。」
「5回目だね。」
「5回目ですね。」
「今どんな気分よw」
「メケメケメケメケ。」
「壊れかけのラジオってことねw了解。」
5回目の結果はいかに。
「お!見てくださいよ先輩。虹!レインボー!」
「え、おれのはまた通常だが。」
「さすがにPR以上っすよね。下手したらSEC?」
「いやいや。PRでも1/3の新台ひけてたら・・・」
「さぁどうだ!」
・・・
「PRでしたけど非新台でしたね。」5000枚
「こっちは非新台SR。あかん。」150枚
タバコの灰を落として吸っていたことに気づく。羨望の気持ちはしっかり灰皿に押し付けて後輩を祝福する。
「やるやん。新台PRじゃないとはいえ、それでも5000枚で売買されてるよ。」
「あざす。私はこれを売ってさらに引けますけど。先輩はギブっすか?」
「いや。そこに引くべき理由があるから引き続けるよ。おれは。」
「お。いいですね。「ヘタレ先輩」撤回ですね。」
6回目。結果はいかに。コーヒーの味が分からない。お湯か?これ。
「非新台SRっす。」200枚
「同じく・・・」200枚
「・・・私が言うのもなんですがそろそろやめといた方がいいんじゃないですか?明日打つ金なくなっちゃいません?」
「まぁ、たしかに大分ヤバいとこまできてるんだが。今この時間のガチャは、設定6以上に期待値があると思うんだ。全ツするよ。」
「(爆死も面白いなぁ)よし。それじゃ7回目と行きますか。」
7回目。結果は。
「SR、お、これ新台SRです。」1500枚
「非新台R・・・」20枚
くそぅ。せめて新台SRくらいおれにも引かせてくれよ。
「なんか悪いっすね。」
「いや、二人とも爆死よりましよ。」
「もう止まれない感じっすよね。ちなみにリミットは?」
「せやな。残りが口座に3万ちょい。あとは売れた分だけのメダルだな。」
さぁ8回目。一人だったら発狂してるな。
「ハズレ。最悪の非新台Nっす。」0枚
「同じくハズレ。非新台のR。」30枚
・・・
「・・・確認するまでもないですよね。」
「ん。9回目。」
「目に見えて元気なくなってますよ。辛気臭い顔してると運が逃げるらしいので。」
「・・・せやな。」
9回目。どうしてこうなった。
「非新台SRでした。」300枚
「同じく・・・」250枚
・・・
「・・・(ここまで負けてると元気づけた方がいいのか、止めた方がいいのか分からねぇな。)」
「・・・(何となく気を使われてる気がする。)10回目いくわ。無理して一緒に引かなくてもいいんよ?」
「?いや、自分で回したくなければとっくにやめてますよ。さすがにお付き合いで1回1万円は使えないっす。」
「そっか。ならよかった。」
そして10回目。10回目は確率優遇とかないんかな。
「ハズレ、非新台R。」50枚
「N・・・。」0枚
沈黙。どうしてこうなったのやら。
「・・・とりあえず一旦休憩にしません?」
「ん。そうしよう。」