第110話 原作
「ん。じゃ中入るか。」
ヨーケイの駐車場、俺を待ってるあいつは少し穏やかな顔になっていた。どうしたんだろ。頷いて店内へ。
「さてと。・・・お。空いてるな」
予想通り空いていた。二人ともすでに他の台でカードをセットした後なので変更できない状況だ。かろうじてサブにセットしたカードはエビルマンでも効果を発揮するカードなのが救いだな。
おれ→「SRmaxカディア」効果:セット数で管理されるAT・ARTの終了時、獲得枚数に応じてリスタート抽選を行う。
友人→「PR+ ハーベス」効果:確定役と称されるフラグの出現率UP
二人ともメイン・サポートは不発だ。
「そういえばさ、この前ヤロウハーツのスロット打ったやん。」
プラスをセットし遊技を始めると同時にふと話す。深い意味はない。客が少なく店内放送の人気曲が控えめに聞こえるくらいの店内。会話しながら打つにはちょうどいいかもね。
「おう。もう懐かしく感じるわ。」
「だな。あのあとさ、ヤロウハーツの原作、気になって遊んでみたのよ。」
羽の生えた猫に遭遇しながら言葉を続ける。
「原作は結構昔のゲームなんじゃないの?」
「そう。プレミステーション2、略してプレ2だね。ハードは待っていたからゲームソフトをネットで探したのよ。無事初代と2をゲット。結構昔のソフトだけどめっちゃ楽しかったわ。ぶっちゃけこのゲームに出会えただけもオリスロを始めた価値があったと言っても過言ではないまである。」
あきらにいちゃーんをBGMにしながら会話は続く。
「そこまでか。あの髭のオヤジは強かったか?」
お。そういえばおれの初代相棒か。まったく使ってないな。ごめんよドスプーチン。
「見た目通り弱かったよ。まさかのキャラがラスボスで激熱展開だった。是非遊んでみてくれよ。初代とセットでハードごと貸すからさ。」
「まぁそこまで言われちゃ遊んでみるか。」
スイカからの発展先は顔面を背負ったカメ。まだまだ会話は続く。
「それでな、このエビルマンよ。ヤロウハーツは間違いなくエビルマンの影響受けてると思うんよね。主人公が宿す人外の力とかさ。まぁこの台を好きになった時点でヤロウハーツが面白いことは鉄板。」
「・・・おれ結構この台打ったけど結局エビルマンのことよく知らんねん。いやスロットとしての出来は最高クラスだと思うけどな。原作に触れるほどではなかったわ。」
カメにつぶされるエビルマン。え。マジ。知らないの?これで会話はひとまず終わり。