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104話 運とは

その後、車内の会話でついに後輩のカード資産はほぼ底を尽きたことやオリスロで育てたカードを売却すればまだ少しは勝負できるがそれでは本末転倒なので、しばらくは乞食打ち(技術介入機Aタイプなどの状況問わず技術介入で機械割100%を超える台をログインボーナスがもらえる100gまで毎日回すことをこの時代ではそう呼んでいる。)に徹したいと考えていることを頷きながら聞いていた。もう続けるためにはなりふり構っていられないらしい。「好きな台を好き放題回すための修行」と本人は言っていた。あの落ち込みからすぐにこれからの立ち回りを再考できるのは凄いと思ったよ。さすが後輩。

そんなこれからのことを話しながら「河童天狗寿司」に着いた。


「さぁ。ウニ食うか。」

機械に案内されたテーブル席。ウニを投げ合ってる人魚を思い浮かべながら注文用タブレットを操作する。

「ウニだけで5皿は行きますよ。覚悟するんよ。」

任せろ。これからの楽しいオリスロライフを買えると思えば安いもんさ。・・・そこで目に入った残酷な文字。「大変申し訳ございません。本日品切中。」おいララ。後輩のウニ返せ!

「ww品切れ中か。まぁ運がない男はこんなもんですよ。代わりに食うもんはいくらでもありますんで気にせんでください。」

やっちまった。追い打ちをかけてしまったか?ゾンビの村のワルプクリス。それは追撃。

「すまん。品切れは想定してなかったわ。」

「気にせんでくださいって。さぁとりあえず私は他のネタ4皿注文しといたんで。先輩どうぞ。」

「サンクス。・・・でさ、結局運ってなんだろうな。」

タブレットを受け取りながら、気になっていたことを聞いてみる。今回の案件で「運」についてなんとなく後輩と考えが違うことに気づいた。お互いにオリスロに遊び始めてはや半年。それぞれが考える「運」。このテーマを肴に喰らう寿司はウニにも匹敵するのでは。

「・・・ここ最近めっちゃ考えましたよ。第1は特定役を確率以上にひけるか否か。もちろんこれだけじゃないですけどね。」

「Aタイプに関してはおれも同じ。けどAT・ART機になってくるとまた違ってこない?」

まずは定番のあおさ汁。お気に入りの赤貝とえんがわを二皿ずつ注文し、お茶を注ぎながら会話を続ける。

「それ。第2で言おうとしてたことはタイミングよくひけるか否か。ことAT機に限ってはこっちの方が重要ですよね。」

「ここも同じか。高確中に確率以上で引けるか。天井がいいところまで近づいてきたら確率以下に抑えることができるか。ようは打ち手の「こうなってほしい」をいかに再現できるかなんだと思うのよ。」

醤油皿にわさびを乗せながら会話を続ける。白セリフの何事もないような会話。現実ではこれが一番いい。

「・・・そういう意味でもおれは「運がないな」とは思いましたけど。」

「そう。今日の会話の中でそう言ってたからさ。「運がない」状態っていつまで続くのかと。」

やはり前提はほぼ同じ。ここから先は「オカルト」と呼ばれる領域だろうか。ちょうど本腰に入るかといったところで注文したネタがレーンに乗って届く。

「それではいただきます。」

爆食いの始まりだぁ。

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