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夢見の逢瀬

作者: 秋暁秋季

注意事項1

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。


注意事項2

ほんのりR15の台詞があります。

内容は基本的に健全です。

苦手な方はご注意下さい。


注意事項3

台詞メインの雰囲気を味わう為だけの小説です。

何故なら作者が夢現故に。

「あなた様は……なんか夜って感じがします」

此処に訪れた彼女は微睡む様な目でそう答えた。こっくり、こっくり船を漕いで、夢見るままに言葉を紡ぐ。私はそれを横目で見ながら、話を聞いていた。

「夜は十割私の時間なんですよ。ずっと夜だけは私に優しくして下さるのですよ。だから……夜は貴方様です」

「疲れた顔をしている。ちゃんと夜寝れてる?」

脈絡のない言葉。揺蕩う様な言葉の羅列。詩人の如く紡がれる。

それから気を失う様によろめいた。咄嗟に肩を抱いて、膝上に頭を乗せてやると、仏のような半眼で、浅く息をした。それから甘える様に袂を掴んでくる。

目に隈こそ無いものの、ずっと夢現。事故を起こさないか心配になる。

「寝れては……居ます。目覚めたら朝ですけど。夜中に情を掻き乱す時間が無いのがやーなのです」

「色欲に溺れるのは感心しないね」

普段は生真面目で、潔癖症。誰一人として触る事を許さない。けれども一度箍が外れると狂気の沙汰。人肌求めて彷徨い歩く、ただの娼婦と化す。

彼女は眠るのを拒む様に、瞼を開き、のっそりと起き上がる。

「何の楽しみもないのです。ただ昨日と同じ日々を繰り返すだけなのです。だから夜に夢見ることだけが唯一の楽しみなのです。綺麗な綺麗な人に抱き締められて、口付けられて、皮膚が溶ける感覚を味わって……。現実では有り得ない事を楽しむのです」

そう言って口付け一つ。眠気に負けてその後は気を失う様に寝息を立てる。


目が覚める。私はソファに深く腰掛けて、微睡む様に船を漕いでいた。密会終了。君が夜に夢見る時だけの唯一の逢瀬。寂しい。

「ご主人、寝不足か?」

「ううん。寧ろ過眠症」

また眠りに落ちた時、君に会えると良いな。他の奴ではなく。私に。

死ぬ程眠い時にものを書いたらどうなるか。

当たり前ですけど、ふわっとした雰囲気だけのものが出来ます。

それでも後悔などなく。

口にナッツ頬張るように幸せです。


最初、梅香の君登場させて、純文学にしようと思ったんですよ。

でも結局こうなりました。

やっぱり所々に名残がありますね。

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