表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/12

08

 愛から話を聞いてから翌日。佳乃は夜慧に言われて、生徒会メンバーを、生徒会室に集めていた。全員がいつもの席に座っている、コの字に置かれた机、黒板と平行に置かれた机に、黒板を背にする形で夜慧が、二個平行に置かれた机に、それぞれ副会長の弓月、会計、庶務、書記、机から少し離れた所に、先生が座っている。

「会長? どうしたんですか?」

「ふふっ、張り紙の犯人と、死の真相がわかったのよ、だから集めたの」

「え? 両方ですか?」

 弓月は驚いた様子で、佳乃を見る。佳乃にしてみたら、こっちを見られても困るのだが。

「というか、どうしたの? まだ始めないの?」

 佳乃は、夜慧を急かすように言った。生徒会役員はいるし、先生もいる。メンバーは集まっていた。

「まだ一人来てないわ」

 誰? という疑問が、一斉に全員の頭に浮かんだ。生徒会に関わる人ではない人を、呼んでいるのか。佳乃は考えを巡らせる。もしかして犯人か。その時、生徒会室のドアが、ノックされる。

「どうぞ」

 夜慧に招き入れられた人物が、部屋に入ってくる。

「葉山愛さん」

「こんにちは、まさか二日連続とは」

 苦笑にも似た笑みで、愛が言った。夜慧は頭を下げて「忙しいのにすみません」と謝る。

「まぁ、いいよ……友達の事だから、来夏の事なんでしょ?」

「はい……まずは皆に紹介します」

 夜慧が、事情を呑み込めていない生徒会役員に、体を向ける。

「葉山愛さん、白雪姫こと、安藤来夏さんの同級生で、友達」

 紹介を受けた愛は、どうもと微笑む。

「愛さんも、この場にいるべきと思ったのよ」

「まぁ……友達の方なら」

 弓月がそう言うと、愛に椅子を勧める。素早く佳乃が椅子を持ってきて、自分のとなりに置いた。

「さぁ、これでそろったわね、私が導き出した推理を、披露するわよ!」

 夜慧の「私が導き出した」という言葉が、妙に強調されたのが、佳乃は気になった。もしかして、目立ちたいだけで、仰々しい事を始めるのでは。普通に話せ、と佳乃は夜慧に、憎々しい視線を送った。

「さて、まずは張り紙をした犯人からよ」

 妙に白々しく、芝居かかったしぐさで、夜慧が立ち上がると、言葉を続ける。

「なんとなく、みんなも、この状況から予想はしてると思うけど、ズバリ言っちゃうわね、犯人はこの中にいるわ」

 夜慧はそういいながら微笑む。

「私の教室に『白雪姫は毒リンゴで殺された』なんて、張り紙をしたのは」

 ビシッと一人を指差して言い放った。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ