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1.社畜異世界に飛ばされる

正真正銘初投稿作品でございます。何卒、お手柔らかに…。


初めまして、社畜(良くてワーカーホリック)の高木 蛍(たかぎ ほたる)。まだまだピチピチ(?)25歳 性別:女 です。


皆さんの周りにも少なからずいらっしゃると思います、通勤ラッシュの波に乗り(正確にはもみくちゃにされ)表情筋は死を迎え、生気のない目をした社会人達が。それです、そのうちの一人が私ですよ(笑)案外身近に居たでしょう?これが現代社会の闇だ(笑)……なんちって。


そういや、社畜の定義ってなんでしょうね?どこからがワーカーホリックでどこからが社畜か…社畜判断表みたいなのないかなー。あったらあったで問題だけどね。私の場合、自分の仕事(そこそこの量)+何故か回ってきた他の社員の仕事 をひたすら消化、早朝出勤深夜退社は当たり前。休日出勤?え?普通にありますけど何か? みたいな状態なんだけどこれって重症??


…ま、どうでもいっか。さぁ、今日も今日とて私の平々凡々な日常が始まりますよ。



*****



AM 7:00 出社


え?早いって?いやいや、私からするとこれが普通なんですよ。もちろん、他の社員は来ていません。私一人です。一人で何をするかって?そりゃあ、カーテンと窓を開けて、ゴミ出しをして、誰かが勝手に置いていった(多分課長)観葉植物に水をやって、軽く掃除をして、コーヒーが直ぐに入れれるように準備をするんですよ。それから、ようやく自分の仕事に手をつけ始めます。ね?結構やることあるでしょ?


面倒臭そう?他のやつにやらせたらって?アハハ…


…一回だけ、このルーティンを休んだことがあるんですけど…ハハ…何故か社員の方々(新入社員を含め)から嫌みやら文句やらをネチネチ言われましてね。


始めたきっかけは、入社したての右も左も分からぬような頃に『こうした方が、きっと皆気持ちよく仕事に取り組めるよね!』と純粋なお節介からだった。だが、皆にとってこれが当たり前になってしまった。なんなら新入社員もこの状況に胡座をかき始めて、結果今の状態に収まった(?)という感じです。え?いいんです、いいんですよ別に。慣れてしまったんですから。今更文句なんて言ってられません。わざわざ集団の輪を乱すような馬鹿ではないので。私ももう、いい大人なんです。


…って言うのを、毎日自分に言い聞かせてるんですよ(笑)


そして、ここからは社畜(良くてワーカーホリック)の見せ所!ほら、課長が何やら苛々した様子でいらっしゃいますよ。どうやら原因は…おっと目が合いましたよ?…私…??かな?…うん、私っぽいな。



(はい、ご指名入りましたぁっ!)


静かに席を立ち課長の元へ向かいます。怒っている内容は資料の不備だそうです。もちろん、私のミスではありません。なんなら、自分で言っちゃいますけど入社してから今までミスなんかした事ありませんよ。私のミスでは無いけれど、反省した様子で頭を下げます。さてさて、この資料を作ったのは…


…新入社員の安藤 桃花(あんどう ももか)ちゃん(24歳)。現在私が教育係を任せられている子です。


「安藤さん、この資料だけど…こことここに記入ミスあったみたいだから次からは気をつけてね?」

「えー!気づきませんでしたぁ!!高木先輩ちゃんと確認してくださいよぅ!」


いやいや、『もう入社してからだいぶ経つから先輩の確認なんか要りませんよぉ!!』とか言って自信満々に持ってたやつはどこのどいつだよ。なんて、口に出したら目をうるうるさせながら拗ねちゃうんでしょ?だから、口には出しません。そして、爪眺めるのやめてこっちを向いてくれ。


「ごめんね、私も気をつけるから。じゃあ、これ今から直せる?」

「えっとぅ…悪いんですけどぉ桃花、今他のお仕事で忙しくってぇ。ほらぁ、新入社員だからぁ?いっぱいお仕事回されちゃってぇ、もう嫌になっちゃいますよぅ!!」


と、ちょっと怒った様子でしれっと資料直しを私に押し付けてきましたね。私も、自分の仕事あるんだけどなー。なんなら、彼女の仕事半分以上受け持ってるから、実質彼女の仕事は簡単な作業だけのはずなのだが。いつも思うが、どうやってこの会社に受かったんだろう。…愚問か。てか、謝罪は?


ここまではいつもの流れ。だけど、本日は月に一回開催される課の飲み会があります。飲み会がない日は勿論ながら、最後まで職場に残って仕事を済ませ一人寂しく退勤コースです。だから、飲み会がある日は美味しいお酒や美味しい料理が食べれてウキウキ!


…なんてことにならず、課長の『今どきの若者は、昔のような苦労を知らん。俺の若い時なんかはなぁ…(以下略)』の会が開催されます。


名前の通り課長の非常にありがたーい(微塵も思ったことは無い)経験談を延々と語られるのです。お酌は、(多分)皆様の予想道理私の役目です。なんなら、皆の注文やら取り分けやら、片付けやらもやっちゃいます。


セクハラとかはありませんが、絡み酒が酷い課長の相手をするのは中々の仕事です。課長のありがたーいお話に適当だと気付かれないように相槌を打っていると、少し離れた所からキャッキャと楽しそうな声が耳に入ってきました。輪の中心に居るのは皆のアイドル 新入社員の桃花ちゃんのようです。他の男性社員にチヤホヤされちゃって、テンションが上昇中のようですね。因みに、先程聞こえてきた『えぇー?そんな事ないですよぉ!!褒めすぎですってぇ!(照れ)』を訳すと『そうでしょ?もっと褒めて!!』となる。彼女いつの間にそんな人様から褒められるようなことしたんだろうか。それを仕事に生かしてくれたらなー。別に私自身に関係ないからいいんだけど。


今回の飲み会は皆の酔いが回るのが早く、1次会でお開きとなりました。毎回こうならいいのになぁ…。


はいっ、では、解散!!…さぁさ、とっととおうちに帰りましょー!


…なーんて。まだ私のお仕事は終わってないんですよねー。そうです、みんなにチヤホヤされて呑むペースが早くなってしまい早々に潰れてしまった安藤さんを送り届けるという大事な任務があるのです。みんなのアイドル桃花ちゃんですから?家まで送ろうとしてくれる男性社員は居ましたよ?でも


「教育係の高木が責任持って送り届けろ。」


と、課長からのお達しが。送り届け役に教育係関係あるのか…ないだろ。というか、私家逆方向なんですが。


へべれけになった彼女をほっぽって帰ることも出来ず、タクシーを捕まえた後何とか彼女の家の住所を聞き出し、家の前で下ろしてもらう。運賃は?ハイハイ、自腹デスヨネー。


彼女のマンションに向かう途中小さな公園が目に入った。そこには古びた滑り台、ブランコ、ベンチが寂しく佇んでいた。ぼーっと何気なく見詰めていると、急にグイグイ右側から圧がかかってきた。酔っ払った彼女が担いだ方の肩に体重を掛けてきたのだ。



「高木さぁぁぁあんー。」

「どうかした?」















「……吐きそうです。」








「ぅえっ!???!!!?」


(いや、待って待って待って!!!なんで、急に真顔で爆弾落とすかなあ?ほんとに待ってタンマだって!止めて、うわどうしよえ?ちょっっ!!!)

「っっと、取り敢えずそこの公園のベンチまで頑張ってぇぇえ!!!」


死に物狂いで、なんとかベンチまで辿り着いた。彼女はと言うと、ベンチに座り膝に肘を置いた状態で頭を抑えて唸っていた。傍から見ると、【考える人ー嘔吐感を添えてー】だ。…嘔吐感添えたくねぇー。


公園の近くにあった自動販売機でミネラルウォーターを買い、彼女の元へ向かう。


「安藤さーん。大丈夫?これ、お水。飲めそうかな?無理しないでね。」


未だ、『ヴェヴェ』唸っている(その唸り方でいいのか。みんなのアイドル 桃花ちゃん)彼女に、そっとミネラルウォーターを差し出す。


彼女が顔を伏せたまま受け取ろうと手を伸ばす。が、スルっと両方の手からミネラルウォーターが滑り落ちる。しかも、私のお節介のせいで蓋が開いた状態で、だ。…やっちまった。


(あ"あ"あ"ぁ"ぁ"ぁぁぁあーあ…勿体n…)


地面に向かって落ちていくミネラルウォーターを目で追いかけていると、地面に接地した瞬間そこから光が発しだした。あれー、ペットボトル(水入り)と地面(砂)が接地した瞬間に化学反応で光が発生するって誰か言ってたっけ?


……言ってないよねぇ???え!!???なになになになに!!怖い怖い!!!嘘!!?えっ、ちょっっ!!!なんで光徐々に広がってんの???ねえ!!!そ、そこの野良猫ちゃん!!!?野良猫様!!!!助けてぇええええええ!!!!!???



そして、落下したペットボトルの付近にいた二人はあっという間に謎の光に包まれ、完全に姿が見えなくなりその場から忽然と姿を消した。無残にも地面に横たわり水を吐き出すペットボトルを置いて。


先程の光景を目にしていた野良猫は、欠伸をひとつこぼし何事も無かったかのようにその場を去っていった。





*****




あー、これ私死んだのかな?死んだよね?てか、普通死ぬんじゃないの?だっておかしいでしょ?ペットボトル(水入り)と地面(砂)の謎の化学反応により光が発生し人を飲み込んだとか。はぁー、ここで人生ジ・エンドかあー。早かったなー…最後の最後まで振り回されて終わりかー。まぁ、私らしいっちゃらしいかな?なんか、心残りとかあったっけ?…うん!ないわ!














…嘘、ある。










録画してた韓国ドラマ見終わってねぇえええええ!!!!!



「はっっ!!!!」


そこでパッと脳が覚醒する。何やら周りが明るいようだ。突然の明るさに若干の頭痛を感じながらも恐る恐る瞼を開いていく。


目を覚ますとそこは…




お馬鹿さんでも分かります。立派なお城の広間でした。


あれ、ここ某ネズミのテーマパークだったっけ??












…そんな事よりも、



メロスでもセリヌンティウスでも誰でもいいから、今すぐ私の頬を殴ってくれ!!!


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