対オーク軍戦ー①
オーク達は冒険者が放った矢に対して盾で守るという理知的な行動を起こした。
今まで、見てきた魔物では強ければ強いほどに賢さも増して行く感覚だったのでオークがそんな行動に出るのには驚いた。
そもそも、オークと始めて戦うから驚くだけであってもともとオークはこういう行動をするのかもしれない。
そう思い、周りの冒険者達の顔色を見てみると、
驚きの表情が浮かんでいた。
やっぱりオークがこんな行動をとるというのは、
珍しい、もしくは今までに無かったのだろう。
「魔法使い達は魔法攻撃を開始してくれ!」
さっきの檄をしていた男の冒険者が次の指示を出す。
今度も同様に盾を持っているオークが守りに入ったが、流石に魔法までは防げなかったので何体かのオークは死んだり、傷を負ったりしている。
が、しかし、死んだオークはそのままにしてあるが、傷を負ったオーク達は早々に立ち去って後方に行ってしまった。
なかなか、妖しい動きをするな。
そう思いながらオーク達の動きを観察していると、今度はオーク達が魔法攻撃を仕掛けてきた。
「な! オークメイジが居やがるぞ 魔法盾を貼れ!」
驚愕しつつもしっかりと的確な指示を出す。
なかなか、あの人は指揮官としての才能があるのかもしれないが、相手のオーク達もなかなか侮れない。
魔法が効かないとわかったから次は近接武器を持ったオーク達が一斉に走り出した。
あの巨大が一斉に走るのだから地面が揺れる。
どのくらいかはわからないが体感的にはかなりの震度を感じた。
オーク達は冒険者達が、いるところに迷いなく突き進みそして乱戦が始まった。
「落ち着け! 相手はただの豚だ! 冷静に一匹ずつ対処しろ まず、自分の身を自分で守ることを考えろ!」
男は自らの剣でオークを斬り伏せながら、乱戦全体に響き渡るような大きな声でそういった。
「さてと、私もそろそろいきますか」
私は乱戦が始まる少し前にさっきの男の人から頼まれて、オークメイジ達がいる後方に行くことになっている?
なんでも、戦争とかでも最後の最後で魔法によって勝敗が入れ替わったなんて言われている戦いもあるらしい。
なので、オークメイジを長く生かしておくのは得ではない。
なので、今この街にいる中で最高戦力である私をオークメイジ達が気付き、逃げる前に全て仕留めようという魂胆だ。
そして、オーク達との乱戦を横にコソコソとオーク達の後方に進んでいく。




