南へ
フェルに乗り南下していく。
体感的にかなりの速度が出ているようなので、前からの風圧がかなりかかる。
風圧で時々体が痛くなったりする(すぐに治る)
のだがフェルはそんな事を気にせずにドンドン加速していく。
「フェルストップストップスト〜ップ!」
こんな感じで言っても聞く耳を持たない。
ついさっき怒ったばっかりなのに、また後でお説教が必要そうだ。
朝早く出てようやく昼過ぎに中継地の宿屋街に着いた。
街といっても小さな物でどちらかというと村の方が当てはまりそうだ。
フェルも流石にここで休憩することは覚えてくれていたようだ。
フェルの場合いつまで走りっぱなしなのかも分からない。
聞いた話によると、大体この宿屋街で目的地のロザリンまで残り3/4ぐらいだそうだ。
フェルの本気?で半日ほど掛かったのだから普通の馬車なんかではもっと時間がかかるのだろう。
だから、発展はしていないが冒険者や商人たちが大勢いるので人はそれなりの数がいる。
「ちょっと面白い物でも無いか見てみるか…
フェルはちょっと中に入っててくれ また、後で出してやるから」
さっきまで走っていたので満足したのか、大人しく入っていった。
街の中にはちゃんと冒険者ギルドもあるようだ。
宿屋街の中を散策していると何だか騒がしい。
具体的いうと、街の中には男しかいないのだ。
その上殆どが冒険者で、自警団っぽい人たちもいる。
が、一部を除いて女子供は全く居なくなっている。
いや、居なくなったという事はないからどこかしらに隠れているのだろう。
正直面倒な気持ちもなくは無いけど、それよりも好奇心が勝った。
とりあえずさっさと見かけた冒険者ギルドに行ってみる。
入ってみると中もやはり男性ばかりで、冒険者は愚かギルド職員すら女性はいない。
「おい、お嬢ちゃん危ないから倉庫のほうに避難しておいてくれ」
入るとすぐにやや細身のブラウン色の髪をした、優男のような青年に声をかけられた。
「?何かあったんですか?」
「おいおい、知らないの? 後10分もしたらオークの群れ300匹がこの街に到着するんだぞ! 女子供は入り口の反対側の倉庫に避難してるよ 今ならまだ、中に入れてもらえるから早く行っておいで」
これは久しぶりに暴れられるんじゃ無いか?
「それって私は参加できないの? 緊急依頼じゃ無いの?」
「緊急依頼だが、男性ならD以上女性ならA以上のランクが必要だ わかったら早く行きなさい」
「なら問題ないよ? ほら」
そう言ってSランクギルドカードを見せる。
男の動きはどうやら止まってしまったようだ。




