昇格式
自分の中で考えていた話の中の章ではない大きな区切りだと思っています。
次からの話は色々考えていますのでちょっとだけ待ってください。
それでは本編をどうぞ‼︎
あの戦いの後、多くの人の追悼式が行われた。
あの戦いで家族を亡くした人も大勢居ただろう。
追悼式中街の広場の中は泣き声と嗚咽で溢れ返っていた。
その原因が俺にあるというのに俺は全く何とも思わない。
いよいよ、完全に良心が欠如してきている気がする。
そして追悼式が終わり冒険者ギルド主催の昇格式が始まった。
上がるランクごとに大勢の名前が呼ばれていく。
「Sランク リゼ、ラファ、カラク」
どうやら俺とリゼ以外にもSランクに昇格する人がいたようだ。
カラクと呼ばれた女は日本刀を腰に掛けており、服装も和服で、更に黒髪黒目だ。
どこからどう見ても日本人にしか見えないのだが実際はどうなのだろうか?
「この3人は現在のSシリーズ冒険者に引けを取らない働きをした。 その功績を称してSランクに昇格する」
辺りから一斉に拍手が巻き起こる。
「現Sランク冒険者並びにこの3人には更なる精進を… この3人は明日ギルドに来てくれ」
そこで話は終わり宴が始まった。
広場に大量の食べ物と酒が運び込まれてきた。
「じゃあ、生き残った奴らは笑って死んだ奴らを見送ろうぜ乾杯‼︎」
そう言うと、酒の入った樽をそのまま煽った。
それを見てみんな酒瓶を煽り食べ物を食べ始めた。
一応ここにいるのは戦闘に参加した人とその親族
なので当然勇者達もいる。
勿論勇者達の周りには一般人による人だかりが出来ている。
翔は顔も整っているしスペックも高いので大勢の美人さんに言い寄られてる。
(相変わらずモテてやがるなあのやろう…)
翔以外にもそこそこモテている奴らがいる。
と言うか、全員が全員若干質問攻めのようなことになっている。
でも、何故か誰も西園寺さんだけには近づこうとしなかった。
聖女だから神聖視されているのだろうか?
うん 多分当たっている。
西園寺さんの前に跪いて死んだ夫に祈りを挙げている女性がいる。
それを見た周りの人も同じことをやり始めて、西園寺さんの周りはカオスな事になっている。
何気にあの中で1番面倒そうな状況になっている。
俺もあの時あんなことにならなければ、あの場所に居たのだろうか?
そんな事を考えてしまう。
「いや、違うか?」
「?何が違うの?」
「何でもないよ、どうせなら酒比べでもしようよ」
「まあ、今日ぐらい良いわよ」
「じゃあ、樽もらってくるね」
こうして宴は酔っ払いを製造しながら続いていく。




