勇者達VS刹鬼
俺達は今クラスメイト全員とまではいかないが、
大半が集結して23人になっている。
それに対するは一匹の魔物だ。
なのにどうして、この人数で囲んで攻撃をしても全く当たらない。
それどころか、武器を壊したりして完全に遊んでいる。
額から伸びた禍々しい角あれはまさに鬼と言っていいだろう。
そして、俺の聖剣も壊されそうになったが、残念ながら奪われた挙句その辺に投げられた。
「正直この程度だと思わなかったよ」
上を見上げると漆黒の黒い翼を生や白髪、オッドアイの人…いや魔人がいた。
見た目は俺たちと同い年くらいだ。
しかし、それは見た目だけの話だ。
チリチリと肌に触る威圧感が漂ってくる。
今目の前にいる鬼よりも遥かにヤバイ、そう本能で感じた。
しかし、どこかで見たような気がする……………
「もういいよ、こんなのを相手にする為にわざわざありがとう」
すると鬼が、
「いえ、お役に立てて何よりです」
そう膝を折りながら言った。
そう言うと、男は短く帰るぞと言い
どこからともなく現れて、去っていった。
そうして、完全に気配が消えてようやく我に帰った。
「‼︎ラインハルトさん‼︎‼︎」
先程までその辺に転がっていたラインハルトさんを回収して西園寺にところまで急ぐ。
不幸な事に西園寺さんは最初のアンデットに対する魔法に疲れて前線には上がって来ていない。
竜騎兵の後藤さんが竜に乗せて街へ急ぐ。
俺たちも急いでそれを追う。
途中で見た王国騎士達が今度はちゃんと死んでいた事に気付いていたが、今は気にしない事にした。
あの黒い炎は消えていた。
一体何だったんだろう?疑問が頭の中をグルグル回る。
頭を振ってどうにか疑問を頭の外にやる。
(今はラインハルトさんの事が先だ)
街に戻るとラインハルトさんの治療が開始されていた。
複数の人が回復魔法を使っているが、みんな厳しい顔をしている。
そして、治療の手が止まった。
「どうなった!」
俺が少し食いつき気味に聞くが、誰も何も言わない。
そんな中治療をしていた西園寺さんが小さく首を縦に振った。
「はぁ〜良かった……いつ頃目覚めるんだ?」
俺以外にも多くの面々がホッとする。
「多分2、3日もしたら起きるよ でも…」
そう言う理由は恐らく死んだ王国騎士達のことだろう。
「西園寺さん救えなかった数より救えた数を数えようよ 現に大勢助けれた人がいた事を誇りに思った方がいいよ」
これは紛れもない事実で多くの人を救った西園寺さんにはそれを誇って欲しい。
クラスメイト達が肯定する。
そして、再び街へ帰還した。




