魔物と人の戦い
サクヤはローズのフェルを引き連れて魔物達と勇者達の戦いを観戦すべく森の中から眷属の蝙蝠を飛ばしその状況を知ろうとしていたが、ことごとく蝙蝠が殺されている絶対リゼだろ。
こんなに器用に魔力操作できる奴なんていないだろうし、魔法の精密射撃なんてしようとするのは
あいつぐらいのものだ。
「しかし、いちいちいちいち殺すなよ 暇なのはわかるが俺にまで八つ当たりしてくるなよ…」
「辞めるように 行ってきましょうか?」
「イヤ また後でいいよ それよりも何かいい方法ないか?」
ローズはすこし考えるそぶりをした後に、
「でしたら……せっかく吸血鬼にならたのですから、空から観戦したらどうでしょうか?」
「そういやそうだったな よしやってみるか」
実際吸血鬼になってからそんな事は初めてでどうやったら、羽生えてくるかなんて知らない。
「背中から生えてるんだから、背中に意識を…」
そうしたら、ものの数秒で背中の肩甲骨辺りから
何かが生えてきたのを感じた。
「これでいけてるか?」
「はい! 立派な羽が生えていますよ!」
ローズの微妙に嬉しくないような称賛を受けながら羽を動かす。
羽をバダバタ動かしているうちに何となく感覚が掴めてきた。
まず、この羽をバダバタ動かしているだけじゃ絶対飛べない。
羽に魔力を集中させて、やっと羽ばたくことが出来た。
「フェルはとりあえず戻ってくれ ローズは…」
「私なら大丈夫ですよ 炎翼」
ローズの背中から炎で型だった翼が出てきた。
正直、俺の羽よりもはるかにカッコいい。
羨ましいぞローズよ。
「じゃあ行こうか」
「お供いたします」
そう言うと2人は空へと舞い上がった。
その頃、勇者達は苦戦していた。
そもそも、数は相手の方が多いのに更に魔物の質が高い。
一体一体ならそこまで問題もなく倒せる奴が束になって掛かってこられたら流石にまずい。
「はぁはぁはぁはぁ どんだけ数あるんだよ」
「文句言っても仕方ないだろ 諦めてやるぞ!」
この2人は、数いる中でも近接戦に特化した2人
小桜とラインハルトだ。
ラインハルトと小桜の力は今で同等。
しかし、小桜の力はこれから先もっと伸びるであろうとラインハルトは思っていた。
戦闘開始から30分が経過し、魔物の数も半分を切ったが、それに伴いこちらもそれなりの数の被害が挙がっている。
しかし、本当の地獄がこれから始まろうとしていることにこの2人をはじめ、まだ誰も気付いていない。




