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クライマー  作者: akihu
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槍ヶ岳

旅から帰ってきた影一はまず道具を揃える事にした。

仕事が終わった後近所のスポーツショップに行き登山靴を買うことにした。


登山靴コーナーに行き登山靴をみているとそこそこ大きなスポーツショップではあるけれど品揃えはそれほど多くはなくあまり選べなかったが何足か試しばきをしてみて一番しっくりくるニューバランスの軽登山靴を購入することにした。


青色と黒色を基調にした靴でデザイン的にも気に入った。


初めて買った山道具なので大事にしようと思った。



次に本屋に立ち寄り山の本を調べる事にした。

何冊か山関係と思われる本があったが一番惹かれたのはアルプスのルート本だった。


写真が多く使われている本で見たことのないような岩峰の写真などがありこんな所にいつか行けたらいいなという気にさせた。


そのルート本を購入して自宅に帰ってきた。



「お兄ちゃん遅かったね。」


リビングのソファーに座っている女性に話しかけられた。

妹の葉子だ。

歳は3つ離れていて高校生をやっている。

唯一の兄弟だ。


「ごはんできてるからあっためて食べてね。」


時計は21時をまわり家族はみんな夕食を済ませていた。


「わかった。」


そっけなく答えて食事をレンジにかける。


こんなやり取りはあるものの葉子とはもう何年もまともに話してはいない。


葉子が見ているドラマを耳で聞きながら食事を済ませて自分の部屋に戻った。




さっき買った登山靴を箱から取り出してベッドの横に箱を置きその上に登山靴を置いてみた。


この靴を履いて色々な山を駆け歩く想像をしてみた。

屋久島の森の中を歩いたりさっきみたアルプスの岩峰を歩いたりしていた。

気持ちが高ぶりいてもたってもいられないくなりルート本を取り出して読んでみた。


パラパラとページをめくっていると

槍ヶ岳。

そのページで手が止まった。


黒々とした槍の様な山体に目が釘付けになる。


「この山に登ってみたい。」


そう強く思ったがルート本を読んでいると2泊3日中、上級者向けとある。


客観的にみて今の自分には無理かもしれない。

そう感じたが槍ヶ岳を一目見たいという気持ちになりどうしようもなくなった。


しばらく悩んだがしょうがなく次のページをめくる。

そしてまた手が止まる。

小走りでリビングに戻り新聞を読む。


「週末の長野県の天気は晴れ。ここしかない。」


影一は休みが待ちきれない気持ちになった。



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