体育祭 後編
体育祭が終われました。次は期末試験ですかね。
ゆっくりと書いていきます。
気長に楽しんでいただけたらと思います。
体育祭、午前の部が終了しました。いよいよ、お昼休みです。
私は親の作ったお弁当持参。お弁当なんて作らないから。悠里は手作りお弁当。
さすが悠里。
お料理得意だったはず。悠里のイベントには攻略キャラクターへお弁当を作るシーンもあった。それくらいお料理上手だ。
正直羨ましい。
料理なんて家庭科以外で私はやらない。お菓子くらいならとも思ったが私が唯一作れるのはパンケーキというなのホットケーキくらい。
「雪ちゃんもどうぞ」
お重に入れられたいなり寿司。ところ狭しと入れられた唐揚げやウインナーなどの定番のおかず。1人分ではないのがよくわかる。
そして同じ場所に座る二人の男子生徒。
もちろん、我妻くんと高遠くん。
二人は悠里のお弁当を当たり前のように食べている。
「あの、悠里。この二人は?」
「お弁当持ってないっていうから」
それはわかるんだけど。
うん、わかるけど。
私がこの場にいていいのかとききたい。
見られている。
悠里だけならまだしも、王子と言われる我妻くんに綺麗な顔の高遠くん。高遠くんも顔が広いし、人気がある。
ご飯がおいしいはずなのに味もわからないくらい緊張する。
「仁科さん、ご飯進んでないけど大丈夫?」
「パン食べたからだろ。パン食い競争出てたし」
こちらを心配する我妻くん。さすが王子。こんなモブ子まで心配してくれるなんて。
でも大丈夫です。緊張しすぎて進まないだけなんで。
高遠くんのいうパン食べたからは理由になりません。まだ食べてないし。
パン食い競争のパンは巾着の中にある。
あとで小腹が空いた時に食べるために。
緊張のお昼ご飯が終わると午後の競技開始。
悠里も競技に参加する。
応援しながら、体育祭を楽しむ。
そういえば、高校生になって初めてクラスが協力してるな。
体育祭も終わりに近づく。
フォークダンスの時間。
なぜ、体育祭でフォークダンスなのか。
女子はみんな我妻くんとを楽しみにしている。それは1年生以外も。
悠里は楽しそうにしている。
確か好感度の高いキャラと踊れたよね。
悠里を見てるとモブの中にきっちり我妻くん、そして攻略キャラクターと知り合っていないため高遠くんの姿。
私はどちらとも当たらないであろうの位置。
正直ほっとした。攻略が目標だけど1年目はだいたい自分磨きに費やしてたし、前世が彼氏なしの所謂喪女だったせいで、あんな綺麗な人相手にするのはまだ緊張する。
「雪ちゃん、楽しかったね」
「そうだね。悠里足速いから来年はもっと競技に出たらいいよ」
二人三脚とか。
「そうかな。運動は嫌いじゃないから、考えてみようかな」
楽しそうに歩く。
体育祭はうちのクラスは惜しくも優勝を逃した。優勝は我妻くんのいるクラス。まだ1年生だから私たちは楽しかったで済むけど、先輩たちは悔しそうだった。
「じゃあ、雪ちゃん。また明日ね」
「うん。じゃあね」
悠里と別れて1人歩き始める。
物語の進行はゆっくりだが進んでいる。悠里が誰を攻略するのかわからないけど、私も頑張らなきゃいけない。
悠里と違って、やっただけステータスが上がるわけじゃないのはわかった。ならば自分が本当に努力をするしかない。
努力か……。
前世の私がしていた努力は乙女ゲームの攻略。
病気には勝つつもりはなかった。
勝てないって知っていたから。
第2の人生の自分。
前世の自分より長生きできると信じたい。
でも、未来を考えるのは今はやめておこう。目の前の…いまを精一杯楽しもうと思う。