ショッピングモールでお買い物しよう
なんか全く男の子が出てきませんね…。
ちゃんと物語として成立するようがんばります。
読んでいただけるだけでありがたいです
朝起きてこんなにバタバタするのは久しぶりだ。
今日は悠里とのお出かけの日。
下手な格好はできない。
悠里はきっとかわいい格好で来る。私はというとモブ服しかない。
いや、わかってたけど。でも変ではないよね。前世の私もいつもこんな格好だったからなんとなく落ち着く。
入学式までは何も思わないで過ごしてきた日常だけど、いざこの世界と前世が繋がるとこんなにも色々考えてしまうのか。
いや、色々考えるのは私が攻略しようとしているからだな。
余計な緊張が混ざってるからだ。
「でも、悠里と一緒にいるのは楽しい」
恥ずかしげもなく言葉にしてみる。
これが乙女ゲームの主人公の魅力なのか?
遅刻しちゃうからいかなきゃ。
家からバスに乗り、数分。駅前広場に着いた。
悠里はまだ来ていない。
悠里がゲーム通りの行動をするならば、時間ぴったりにくるはず。
遅れて来るのは決まって男の子だった。
スマホを見ながら悠里を待つ。
数分後、悠里の姿が見えた。
「雪ちゃん、遅くなってごめんね」
「大丈夫よ。私もいま来たから。それにしても素敵な格好だね。かわいい」
「そう?ありがとう」
ふんわりとしたワンピースが彼女の雰囲気にぴったりだ。
ただ、そんな格好はデートの時にお願いしたい。
ショッピングモールへ移動し、服や小物をみて回る。
「あきが、はるの好み教えてくれたんだ」
アクセサリーを見ているとふと悠里がそう呟いた。
もしかして、入学式からまだ1ヶ月くらいなのにもう我妻晴樹を気にしてる?
「悠里、我妻くんが好きなの?」
「え?いや、そんなんじゃないの!あきがはるはこういうのが好みだって。誕生日とか電話番号とか色々教えてくれて」
「自分が聞いたわけじゃなくて?」
「うん」
最初の情報提供なのかな?
「私は雪ちゃんの情報聞きたかっただけなのに」
「えっ?」
「あの!違うの。あきが知りたいことあれば聞けっていうからその。あの」
「悠里、私のことは私に聞いてくれると嬉しいな」
「うん!そうするね」
私も彼のことは自分で調べたいけど、悠里からの情報は必須だ。
悠里とはこれからも良好な関係を築きたい。
まあ彼のことを置いといても彼女は一緒にいて居心地がいい。
お店を回って、疲れたらカフェで休憩して、1日一緒に居たけど、本当に楽しく過ごした。
「じゃあまたね」
「雪ちゃん、これ。今日はありがとう」
手渡されたのはかわいいウサギのキーホルダー。
こんなものいつの間に買っていたのか。
「ありがとう」
「お揃いなんだ。じゃあ、また学校でね」
彼女が帰っていく。
お揃いか。
中学生まで無難に過ごしてきた。友達とお揃いなんて初めてだ。前世でもなかった気がする。
悠里にもらったキーホルダーを握りしめて家路に着いた。