とある日の昼休み
やっと瑛でてきましたが、一瞬でした…。
まだまだ始まったばかりです。
気長に楽しんでいただけたらと思います。
悠里と仲良くなって思ったことは色々ある。
まず、彼女の所作は美しいということ。天然系だからお転婆かと思ったけど、かなりお上品だ。
私とは違う。
庶民のはずなんだけどな。この高校も普通の公立高校だし、私立も近くにあるけど私立といえば…。
隠しキャラクター枠の攻略キャラクターがいたな。まあまだ登場するかもわからないからまだ彼の紹介はよしとしよう。もし、出会う日があれば紹介しますねって誰に向かって言ってるんだ私は。
「雪ちゃん、聞いてる?」
悠里に声をかけられて我にかえる。
いけない。今、昼休み中だった。
仲良くなってから、悠里とはお弁当を一緒に食べる仲になっていた。
「あっ、ごめん。なんだっけ?」
「だから、この街のショッピングモールの話!休みの日に一緒に行かない?」
買い物か。欲しいものは特にないけど、そうか。服やアクセサリーを買わないとってショッピングに行くアイコンもあったな。
「いいよ。じゃあ日曜日、駅前広場に集合ね」
「ありがとう」
主人公が愛される意味が彼女と接しているとよくわかる。
人の悪口はいわない。ダメなことはダメだと言う。親切で優しい。
こんなモブ子の私と友達になってくれる。
ええ子や。
うーん。悠里とは仲良くなれてるけど、攻略キャラクターがまだ先生しか見ていない。むしろ瑛もまだいないんだけど。
悠里の話では瑛も晴樹も学園には来ているらしい。モブ子は会うことすらできない設定なの?
いやいや、現実だよ。前世じゃないんだよ。
同じ世界にいるんだから会えるはずでしょ!?
「悠里」
不意に背後から声がした。
悠里を呼ぶ声。男性の…いや男の子の声。
初めてみたその男は思った以上だった。
「あき!どうしたの?」
「晴樹探してるんだけど」
「はる?屋上じゃなかったら中庭か校舎裏かな」
「校舎裏か。サンキュー」
颯爽と去っていく。その時間、1分くらい?
赤茶の髪に紅茶色の眼。シャツの下の赤いTシャツ。身長ははること我妻晴樹には敵わないが175はあるだろう。
端正な顔立ちだから悠里と並んでも見劣りしない。私が攻略したいキャラクター、高遠瑛。
運良く会えたけど、こちらには見向きもしなかったな。でも会えた。
勝負はまだまだ始まったばかり!がんばらないと!
気持ちを新たにする初めての邂逅だった。