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ダブルデートパニック 後編

ダブルデートの続きです。

楽しんでいただけたら幸いです。

更新もがんばります。

ダブルデート中です。

悠里から連絡がきて、遊園地にくるとまさかの幼なじみがついてくるというハプニングにあいました。

意図せず、端からみればダブルデートです。


ジェットコースターに乗って気分不良を起こしていましたが、だいぶよくなりました。

たぶん、もう大丈夫。

悠里たちも飲み物を買って戻ってきてくれたし、いつまでも休憩してたら時間がもったいない!!

ただ苦手なものは苦手だと言おう。極力……。

でも、我妻くんのことが少し知れて嬉しかったな。

少し、悠里以外とも仲良くなれた気がした。


当たり前だが話せば普通の高校生だ。

距離を感じる必要などない。でも、距離はとっておきたい。自分のために。


「夏だし、これでしょ」


アトラクションを眺めながら歩いていると悠里が指差す。

お化け屋敷。

この時期だからこそというのも頷ける。


「4人で入るの?」

「そこは2人でしょ。せっかく男女なんだから」


高遠くんが2人で入ること提案する。

私はいいけど、どっちも悠里と入りたいんじゃないだろうか。

うん、ごめんなさいだな。


「雪ちゃん、これは平気?」

「うん。大丈夫だよ」


悠里が体調を心配してくれる。

さっきとは違うから大丈夫だろう。


「じゃあ私が雪ちゃんと」

「悠里、男女って言ったろ?はると悠里。オレと仁科さん」

「えー!仕方ない。あき、雪ちゃんよろしくね」

「はい、はい」

「悠里、後でね。我妻くんも」

「雪ちゃん、無理な時はあき囮にして逃げてね」


悠里が手を握って話す。

高遠くんを囮になんて畏れ多い。

でも、高遠くんは私でいいのだろうか。そんな疑問を浮かべながら列に並ぶ。

悠里たちが先に入る。

中からは悲鳴が聞こえている。

怖いのかな。

心霊の類いはきらいだけど…まあこれは人だから。

人だから……。

中に入るとやっぱりだめだ。

怖い。


薄暗い空間。

聞こえてくる悲鳴。

襲いかかるおばけ。


怖い、怖い、怖い。

見れない。

つい隣の人間の腕に掴まる。


「仁科さん、大丈夫?」

「ごめんなさい」


声をかけられて手を離すが、何かを掴んでいないと怖くて前にはすすめない。

スッと手を繋がれる。

何も言わずに手を引いてくれる。ありがたい。

時々悲鳴をあげていたが、高遠くんが手を離すことはなく無事に外に出た。

色んな意味でドキドキした。

心臓に悪い。

外には悠里たちが待っているはずだがいない。

どこに行っているのだろう?


「雪ちゃん、やっと出てきた。大丈夫?」


アイスを両手に持った悠里。

アイス買いにいく余裕があるの!?

すごい……。

余裕なんてない。それくらい私は怖かった。

作り物だということはわかっていたのに。

やっぱり心臓に悪かった。


「はい、雪ちゃん」

「ありがとう」


アイスを受けとる。

季節は夏。暑いからアイスはちょうどいい。

小腹も確かに空いている。

悠里はアイスをぺろりと平らげる。

悠里は結構食べると思う。でも、痩せてる。この年頃は食べても太らない。羨ましい。


アイスを食べてから色々回り、気がつけば日は傾いていた。

楽しい時間というのはあっという間だな。

そろそろ解散だろうかと思ってたが、どうやらまだパレードがあるらしい。

パレードか。

きれいなんだろうな。

でも、私がいてもいいのか。2人、いや……我妻くんは悠里と2人きりになりたいのではないだろうか。

よく考えたら2人きりになったのってお化け屋敷のときだけで、それ以外は大体4人。一番始めなんて私と2人だった。

どうしよう。

我妻くんのために先に帰ったほうがいいのだろうか。いや、でも何を口実にして帰るべきか。いきなり帰ったら悠里も変に思うだろうし。なにより私だけが帰ったら2人ではなく3人で気まずくないだろうか。

どうしたら自然に2人きりにしてあげられるだろう。

うーん。

無理だな。

私には考えられなかった。

いい考えが浮かばないなんて残念な私の頭。

もっと頭の回転の速い、賢い頭だったらいいのに。


「仁科さん、ちょっといい?」

「えっ?はい」


高遠くんに呼ばれて返事をする。

なんだろう?


「はる。ちょっと悠里と待ってて」

「あっ?ああ」


我妻くんに一言告げると高遠くんは私の手を引いて人ごみに紛れていく。

どこに行くつもりなんだろう。


「ここならパレードみれるだろ」


パレードの通路の一角に陣取り、座る。


「え?2人は?」

「最後くらい晴樹と悠里2人にしてやらないと。元ははるが悠里を誘ったんだから」


高遠くんも私と同じ考えだったようだ。

ただ、彼の場合は簡単に帰るわけにはいかないのだろう。

最後まで付き合えってことだよね。

仕方ないといえば、仕方ない。2人がいたときに帰ればよかったのにそれをしなかったのは自分なのだから。

パレードが始まる。

悠里にはパレード後に再集合することはメールで伝えた。

この人ごみ。パレードを見たあとのほうが合流はできるだろう。

悠里がトイレに行っている隙にはぐれたことになっているようだ。

悠里大丈夫かな。

我妻くんが一緒だから大丈夫だよね。心配ない。

心配ないということにしておこう。


悠里たちのことも気にしつつ、パレードを見てみる。

圧巻という言葉がふさわしいだろう。


「きれい」


言葉がそれ以上でない。

スタッフが踊ったり、キャラクターが手を振ったりしている。

きれい。きれい。

すごい。

悠里と一緒だったらもっと楽しめたかもしれない。もちろん高遠くんも私なんかより悠里と見た方が楽しかったんじゃないか。

相手が私でごめんなさい。


「きれいだな」


ぽつりと彼が呟く。

彼は私じゃなくて、悠里と見たかったんじゃないかと思ったけど、楽しそうに笑顔を浮かべている。

なら、ちょっとだけ。ちょっとだけ彼を独占しても許されるだろうか。

普通の、ただのモブ子の私が。


パレードが終了し、悠里たちと合流した。

悠里と我妻くんは妙なテンションだったけど気が付かないふりをした。


なんだかんだあったけど楽しかった遊園地ダブルデートは終了した。


こんな小説にブックマークつけてくださってる方々ありがとうございます。読んでくださっている方々にも感謝です。

ゆっくりですが完結まで頑張って書いていきます。

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