魔王大陸でも無双するようです
そんなこんなで一か月レベル58まで上がった勇者一行は魔王大陸に挑もうとしていた。
「とうとうきたわね、魔王大陸に」
「頑張りますよ、あなた」
「ええ、頑張りましょう」
「やっちゃうぞー」
「早速ですが船に乗って行くぞー」
「残念だけど、船着場はないよ」
「しまったー、ここは魔王大陸に近くて人が住んでいないんだった」
「しっかりしてです」
「ならば、私の出番だねー」「ギュオン」
空間に空いた穴から魔王大陸の地面が見える
「やっぱりスズだけでいいんじゃないですかね」
「いや、私たちはスズの保護者という役割があるじゃない」
「私はスズの盾になるです」
「まあ、私にもパーティのまとめ役…いや守護者…があります」
「まあ、戦力だからね」
「スズいっきまーす」
「あっ単独行動しないでって言ったのに」
「私たちも行きましょう」
「ええ」
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紫色の大陸、荒れ狂う魔物、その中心にある魔王城、その玉座の間にて
「魔王様、勇者一行が来ました」
「ふふ、矮小な存在で我に楯突くなど言語道断、討ち滅ぼしてくれる」
「では、魔王軍を進軍します」
「ああ、くれぐれも気をつけてくれ」
そういったのは身体の黒い髭の生えたゴブリンだった
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「来る、気をつけてです」
「すごいな、流石、魔王大陸ですね」
「三人とも、この大群はすごいや」
「はは、すごいですね、魔族が大量ですね」
見えてきたのは黒いゴブリンの群れ、その中にはひときわ大きなやつや魔法を使えるやつまでいた。
「バトルゥスタートォ」
「スズが言うのね」
四人は陣形を組む、フランとアムスを前衛に後方から魔法で攻撃するスタイルだ。
『シールド・グレード5』
全方位にシールドが展開された
『レーザー』
光の束がゴブリンを蹴散らす
「あったあった。行きますね」『ショット』
矢の代わりに石を放つ弓が弾を放ってぶち抜く
『ナパーム』
1850度を超えるほどの炎がゴブリンをマルコゲにする
「わーすごいね」
「あんたのほうがすごいじゃない」
「みんな強過ぎです」
「そうですね、特にスズとラナは強いですね、そういえばあなた方『レーザー』とか『ナパーム』とか聞き慣れない名前でしたがもしかしてね…」
「あははは、まさかね」
「うん?」
「え?あなた?」
「ひとついいですか、ムッソリーニってムッソリしてますよね、特に顎とか」
「ヒトラーのほうがひどいらって」
「獲加多支鹵ね分かった蹴る」
「あなたたち、寒いです。冬将軍が到来したみたいです」
「「「はっ」」」
「まさか、まさかまさかね」
「このネタが通じるとはツウですな」
「いやいやそういうわけじゃないですから、なんであなた方も地球のことを知っているかっていうやつですよ」
「そりゃ」
「前世の」
「記憶が」
「あるから、ですよね」
「やはり、何か中年くさかったのって」
「うん、私は中年でしたね」
「私もです」
「そして夫婦だったとか、ロマンじゃない?」
「黒崎 健一 サラリーマン」
「黒崎 華 専業主婦」
「黒崎 鈴 13歳生徒です」
「おお、見事に家族で揃ってますね」
「そういえば、あなただけ違うのね」
「はい、清水 雷奈 高2ね」
「シュンと同じか、知ってるか?黒崎 俊」
「クラスにいたと思います。確か2- Cだったはず。」
「おお、うん?まてよ、まさか」
「そう…です」
「お兄ちゃん」
「ああ…まぁしっかりしてると思うよ」
「しっかしまぁお互い大変でしたなぁ」
「そうですね」
「いきなりこんな姿になって、驚かないわけないです」
「私は、変わってないですよー」
「私もです」
「確かに私は、紺色の髪の毛だし」
「私も、金髪マッチョです」
「ああ、私とスズは名前もあまり変わってないですよね」
「確かに、何か法則があるのか?」
まぁいろいろあって、明かされた秘密ですがそもそも家族の再会とは、はたしてゴブリンの死体を前にしていいものなのか?
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「魔王様、奴ら秒殺でしたよ」
「それで?どうだった?」
「ギュインギュインのズドドドドドトって」
「そんなこと出来たっけ?」
「えっと、勘違いしているんじゃ?秒殺されたのは我が軍ですよ」
「勇者強くね」
「降伏するなら今のうちかと」
「するわけがないだろう、誇り高き魔族の王として、正々堂々勝負しよう」
「軍をぶつけたのはどこのどいつでしょうね」
「いいか、それはいわないお約束だ」