初めての宿
「今日もう疲れましたな」
「そうですねえ」
「二人とも中年の大人みたいになってる」
「「そこ歳のことは言わない」」
「二人とも私たちと同じ15歳だよね?」
「そうだよー」
「やけに大人みたいじゃない?」
「今日の昼は子どもっぽかったけどねー」
「ほら3人とも、宿場町が見えてきましたよ」
「「「おお」」」
「宿屋などの交渉は得意なんですよ、商人ですからね」
「頼りになります。です」
「ふふ、君の為ならいくらでも」
「キュン」
「ゴニョゴニョゴニョ(なんかあの二人もうカップルっぽくない?」
「やったね、今夜はお楽しみですね」
「「はっ」」
「ゴニョゴニョ(あんたっ音量下げて下げて)」
「ゴニョゴニョ(ごめんなさい、)」
「いや、二人ともわかっているから」
「恥ずかしいです、あなたー」
ヒョロにくっつくマッチョ、こんな真逆の光景を見たことがあるだろうか
「(ギャプ萌えギャプ萌え)」
「ははーかわいいねー」
「あんたはこれ以上ダメージを入れないの」
「えー、なんも攻撃してないよー、だってかわいいじゃん、フランちゃん」
ヒョロの後ろで顔を真っ赤にするマッチョ
「もうやめて、筋肉娘のアイデンティティのライフはゼロよ」
「えっ」
「ごほん、こういう筋肉がガチな人はかわいいじゃなくて、かっこいいの方だからね」
「はーい」
ヒョロの後ろで顔を真っ赤にしたまま、泡を吹いているマッチョ
「わー、早く宿屋に〜」
二人ともまだまだ大人にとって天敵の子どものようだ
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「二人とも、しっかり相手のことを考えなさい」
「「すみません」」
「あなた、それだけにしときなさい、まだまだ子どもなんですからね」
叱る様子はもうすでに父のようなアムス
なだめる様子はもうすでに母のようなフラン
「(やたらと中年っぽいよねこの二人)」
「(お父さんとお母さんみたいな)」
「(うんうん、親みたいな、あんた平民だけどこんなのなの?)」
「(うん、こっちでもそうだよー)」
「どうしたんだ?二人とも」
「わたしたちのどこが気に入ったのか気になるんじゃない?お年頃の女の子なんだから」
「いや、私はもう見たときにこの人は運命の人だって思ったよ」
「私もよ、あなた」
(まさかあの二人前世があったりして)
おそらくだが、二人はお楽しみはしないだろう、なんせ二人とも宿屋に迷惑をかけることのないようにしていたので
そんなこんなで一つのカップル(中年夫婦)が出来たことで、始めの一日は無事終わったようだ