勇者は招集される
私と勇者っ子が散歩していたら、
「ここだな、おっいたいた」
「うるさい」
「ねー」
「すまん、お主、名は、スズ殿ですかな」
「いや、スズはこっち」
「私がスズでーす」
「失礼しました、こちらグランド王国国王より招集命令が入っています」
「は、えっ、わお」
「なにそれすごいの?」
「あんた、学校に通っているんじゃないのかよ」
どこかからハリセンを取り出してツッコむ
「あっ、テヘヘ、で王様が私を呼んでいたと」
「そうだ、内容は伏せてあるがな」
「わかりました〜いきまーす」
「すまないけど、この子が危なっかしいから、一緒に行ってもいいかしら」
「確かにな、国王の招集命令という重要なことなのに、こいつ軽すぎだからなぁ」
「どうしたんですかー」
「私も一緒に行くことにしたわ」
「おお〜」
「じゃ、馬車があるから、乗り込め」
「「はい」〜」
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「で、お主がここにいると」
「はい」
「確かお主、スズ殿をいじめていたんじゃなかったかの」
「それは、おそらく噂が勝手に広まっただけでしょう」
「ワシの知っている、ラナ嬢は『そんなのあの馬鹿な蛆虫どもが勝手にそう思ってるだけでしょう』とか言ってたと思うんだがのう」
「で、どうしてここにスズを呼んだの?」
「馬鹿な話しじゃが夢でお告げがあってのう『貴方の国グランド王国では、近々魔王軍との大戦争があるでしょう、スズという娘を勇者にし、魔王を討たせるのです』と美人な女神様が言っていたのだ」
「初対面の人をよく信頼できるわね」
「はは、ワシは美人なおなごに弱いからのう」
「やれやれこのエロ国王が、呆れるわね」
「まあそういうことだ、あの娘を魔王討伐隊のリーダーにしようと思う」
「そうですか、できるでしょうかね?」
「なんならお主にも行ってもらってもいいのか」
「べつに、喜んで、」
「ほう、面白いことになりそうじゃの」
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「近々に魔王がこちらに本格的に攻めてくると思う、奴等にはこの国は渡さない、魔王を討伐するのだ、そしてその中心人物にこの娘
スズを勇者としてパーティを組ませる、
「スズ」
時空魔法および光魔法の使い手として人類の守護者「勇者」とする
「ラナ・アムスティス」
勇者との仲と基礎魔法および回復魔法を習得していることを見越して、勇者の補佐役「聖女」とする
「フラン・ホワイト」
豪腕と素晴らしい大盾技、回復魔法の使い手から、勇者の盾になると見越して、「パラディン」とする
「アムス」
戦う商人ということと、剣の達人ということから、パーティの頭脳および勇者の剣になると見越して、「ジーニアス」とする
以上をこの戦いの中心人物とし、魔王と戦う、我らグランド王国に栄光あれ」
私のとなりには、むきむきの筋肉娘と一見ヒョロそうな筋肉質の青年がいる、ハーレムにならないだろうなぁと思う
「どうも、勇者のスズでーす」
「スズの保護者兼聖女のラナです」
「パラディンのフランです、よろしくです」
「ジーニアスのアムスです。以後お見知り置きを」
「ラナ嬢ってあのザ・悪役な女の子ですよね?」
「あの有名な?ないない、いくらNo.5ぐらいの貴族でオープンな国だとしても普通なら選ばない」
「私、いちおうそのラナ嬢なんですがね」
「えっ、聞いてた話しと全然違う」
「驚きましたね民衆は皆悪い噂ばっかりですよ」
「仕方がないですよ、だって改心したのって最近なんですから」
「ほう、なぜ改心したのかな」
「最近悪夢を見ましてね、まさかと思ったら、やっぱり逆の立場になる夢でして、悟ったんです」
「なるほどねー」
「あんたはもう少ししっかりしろ」
ハリセンアタック
「白刃どり」
「なん…だと」
「残念でした〜」
「秘技無限ハリセン、」
「ぺふっ」
「やっぱり噂とあまり変わらないような気がします」
「改心したのにですか」
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そんなこんなで始まりの日を過ごした一同は
王宮で泊まるようだ
討伐隊は三日後出発するようだ
しかし一同にはある共通点があるしかし
誰も気づかない、気づかせない、