魔王オーバー(大葉)
「ここは魔王国の穀倉地帯だな、小麦とかを育てている」
「お米じゃないの?」
「お米は作るのが難しいのと、まだ見つけてないのが理由だな」
「TKGは食べられないのか」
「卵なんかも生で食べたせいでお腹が痛くなることがこっちでもあるから気をつけな」
「外国の人は生卵は食べないんでしたっけ」
「そうだったと思うです」
穀倉地帯を進む一同
「さっきからずっとジロジロ見られてない?」
「そりゃそうだろう、この国は魔族で作ったのだから、住人だっているに決まってるだろ」
「あれ?悪魔じゃない」
「ああ、魔族というのは人間ではない人々だからな、とてつもなく弾圧されるんだ」
「人間じゃないとなると、ドワーフとかエルフとか?」
「ああ、イヌミミとかネコミミとか他にも沢山いるからな」
「人間側がますます怪しいですね」
「そうですね」
「ところで、大葉ちゃんはどういった人種なの?私たち二人みたいな黒髪黒目じゃないし、その割には強力なチートステータスなんでしょう」
「ああ、ノルウェー人の母と日本人のハーフだ。もともとこれみたいな金髪だったさ」
「ああ、だからか」
「何が?」
「引きこもっていたことだよ」
「うん?」
「なるほど、そうか魔王さんとラナさんは同じことを経験したのか」
「そうですね、全く見た目というのはあてにならないですのに」
「ええええ、ラナ姉ちゃんもともとこういう顔つきだったの⁉︎」
「うん、それがかなりのコンプレックスなんだよね」
「いいなあ、仲間がいて、我はそんなのいなかったよ、金髪だってだけで色々うるさい教員とか地毛だから仕方ないと言っても口ごたえするなみたいなことしか返されない、級友たちは金髪ってダメなんだよ〜しか言われず、一緒にいると怒られると思ったのか誰も一緒に居たがらない」
「ああ、ヘヴィだな、私よりもひどいかも」
「まぁ曖昧な記憶だから、かなり脚色してあるだろうけどね、子供ってやつは、大人に影響されやすいからね」
「あなた11歳だよね」
「いいや、180歳だ」
「あなた、えっと、どうしてこんな完成してるの?」
「これでも一応魔人の家系に生まれたからな、学校とか色々行ったよ」
「大丈夫だった?」
「はは、ここは天国かと思ったよ、誰も髪の毛の色が違うから特に言われないし、まぁ魔人なのに普通は銀髪や紫髪なんだよねなんで金髪なんだ?みたいなことしか言われないからね、友達とも仲良くなれたし、先生は普通にいい人だったからな」
「よかったね、報われて」
「大葉ちゃんは、どうして魔王になったの〜」
「戦いで勝ってなった」
「急に血なまぐさくなった」
「おおー、それでどんなやつがいたんだ?」
「ただ力強いやつとか、魔法をガンガン使えるやつとか、ありとあらゆる武器を扱えるやつとか、どんな攻撃も耐える甲羅を持ったやつとかいたな」
「なにそれ面白そう!」
「やめてスズ、バトルジャンキー属性の妹分はいやだから、姉としての意義がなくなるから」
「もしや、その戦いってあのゴブリン部隊で挑んだのでしょうか?」
「ああ、創作系のチートがあったからな、数の暴力ってやつだな」
「おお、えぐい」
「やはり創作系のチートは強いですなぁ」
「そうですなぁお姉ちゃん」
「ふはは、もっと褒めたまえ讃えたまえ」
「まぁ、おそらく材料を化合物レベルで組み立てられる程度のチートです」
「ぐふっ、よく見破りましたね」
「火薬を見つけられなくて銃を作れないと言っていたですからね」
「さすが、華、頼れる妻だ」
「ちなみに、火薬が無くても、金属の粉を使えばいけるんですが、です」
「なにっ‼︎、なんだと」
「ええ、金属の燃焼は有機物よりも激しいからです」
「くそッ、なぜだッ、私の165年間はなんだったんだ〜」
「私の妻が若いんだが、どうしてだ?」
中年(中身は)最近やんちゃな感じがする自分の妻(中身は中年)に戸惑っている