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本業勇者、副業魔王  作者: 犬好きの高校生
一章
5/17

第5話

書き溜めているものがなくなると、投稿が遅れるかもしれません。なるべく頑張って投稿しようと思っていますので、長い目で見てもらえれば嬉しいです。

それでは本編、どうぞ。

「お前、女性に何やってんだ?」

「何って。あんたのところにいても損だからさ、俺のところに来させてやろうって言ってるだけだろ?」


こいつ、勇者の力を手に入れたことで増長しすぎだろ。日本でそんなこと言ってたら捕まってんぞ。


「お前、自分が何を言ってんのか分かってんのか?事と次第によりゃタダじゃおかねぇぞ。」

「はぁ?一般人の分際で何を言ってんだ。あんたがどうやろうが、俺には敵わねぇよ。」


それがそうでもないんだよな。というか、オレが自分の力を存分に使えるなら、こいつ程度じゃ相手にならない、はずだ。

まだ鑑定しかスキルを使ってない今の状態で、本当にこの力を使いこなすことができるのか、何一つ分かっていないけど、絶対にここは引けない。


「なら、やってみるか?」

「あんた、何言ってんの?そんなのやる前から分かりきってるての。」

「やってみないとわかんないだろう?それとも、オレのことかが怖いのか?」

「くっ…いいだろう。思い知らせてやる。」


よし、挑発には乗ってきたな。あとは自分の力を使いこなせるかだけだ。


「泣いて謝っても遅いからな。ああそうだ。ちょうどいい、これの試し切りさせてもらおうか。」


そう言うと、神谷は何もない空間に手を広げて突き出した。


「何をしてんだ?」

「ふっ、今に分かるさ。」


自信満々にそう言うと、神谷は目を瞑り、何かに集中し始める。すると、突き出した手に光が集まり始め、両刃の片手剣のような形に固まり、美しい剣を作り出した。なぜ剣の種類が分かるかは察してほしい。


「これが俺の聖剣、エクスカリバーだ!どうだ、これでもまだそんな口が利けるか?」


剣を呼び出しただけで何を偉そうにしているのだろうか。だが、さっき鑑定した時はこんな事が出来るなんてどこにも書いてなかった。どう言う事だろうか?


「それは光の勇者の力、なのか?」

「その通り、俺は光の聖剣を自由に呼び出し、操る事が出来る。」


おお、ダメ元で質問したのに答えてくれたよ。こいつがバカでよかった。お陰で、鑑定の弱点が見えてきたぞ。

おそらく、さっき見たのがこいつの全てではなかったと言う事だろう。大方、Lv差があったから全ての情報を得られなかった、てところか。

情報のない警戒すべきものは判明したが、やることは変わらない。オレは、神谷を挑発し続ける。


「そんななまくらじゃ、オレを倒すなんて夢のまた夢。ましてやお前がそれを使ったところで何も出来ないだろ。」

「黙って聞いてりゃ好き勝手言いやがって。その減らず口、すぐに利けなくしてやる!」


神谷は聖剣を中段に構えた。剣術スキルのお陰か、なかなか様になっている。オレにもわからないが、なぜか笑いがこみ上げてくる。


「何笑ってやがる。」

「いやちょっとな。まあ気にせず続けてくれ。」

「ふざけやがって!」


とうとう我慢の限界に達したようで、なかなかに整った顔を怒りに歪めた神谷は、間合いを瞬時に詰め、大げさに聖剣を振りかぶった。とてもじゃないが、剣術スキル持ちとは思えない、隙だらけの攻撃だ。

オレは、表示したスキルの中から、守りで使えそうなものを探す。…魔力障壁、これ使えそうだな。


「死ねっ!」


死ねって、露骨だなおい。勢いよく振り下ろされる聖剣。オレは魔力障壁を使用するために集中しようとした。だが、その前に聖剣が何かに弾かれた。

何が起きた?オレはまだスキルを使ってないぞ。でも、今一瞬聖剣とオレの間に虹色の壁のようなものがあったように見えた。あれはいったい…


「あなた、何やってるの!」


突然割って入ってきたのは、オレや神谷のほかに召喚されたと思われる日本人の女性だった。

女性にしては高い身長で、モデル体型。目鼻立も整っていて、一言で言うとクールビューティな人だ。これで、ポニテにしてくれたら更にいいのに。いかん、変なことを考えてしまった。


「チッ、邪魔しやがって。」

「当たり前じゃない。あなた、自分が何をしようとしたか分かってるの?」


神谷は悪びれもしてないが、女性の方もなかなか気が強いようで、神谷に詰め寄っている。

二人の会話からして、どうやら彼女が神谷の攻撃を防いでくれたようだ。と言うことは、オレが見たあの壁は彼女が作ったものか。なかなかすごい力を持ってるんだな。かなりの距離があったはずなのに、遠隔で障壁を出せるのか。今度オレもやってみよ。

しばらく一人でそんなことを考えていると、神谷は不機嫌そうにこちらに一瞥くれたあと、扉に向かって歩き始めた。その後ろをメイドさんが走って追いかけて行く。

すみませんメイドさん、うちの同郷のものが迷惑かけて。心の中で精一杯の謝罪をする。さてと、


「で、えっと助けてくれてありがとう、なのかな?」

「いえ、礼には及びません。当たり前のことをしたまでです。」


あら男前。惚れてまうやろ。冗談抜きで…おっと、話が逸れた。


「オレは永山薫だ。永山でも薫でも好きに呼んでくれ。」

「私は矢倉千歳(やぐらちとせ)と言います。周りからはよく千歳と呼ばれていたので、気軽に千歳と呼んで下さい。」


矢倉千歳、雰囲気の割になかなか可愛い名前してるな。それに、コミュ力が高い。生徒会長とかやってそうな感じだ。


「じゃあ御言葉に甘えて、千歳よろしくな。」

「こちらこそ、よろしくお願いします。薫さん。」

「オレは呼び捨てなのに、そっちはさん付けなのか?オレは別にどう呼ばれても見にしないぞ。」

「年上の人を呼び捨てにするのは私的に落ち着かないので。」

「そう言うことなら、そっちに任せるよ。」


まあ掴みは上々って感じだな。ん?何がかって?そりゃあ綺麗な女性と知り合ったんだ。仲良くしたいのは男として当然だろうが。言わせんなバカヤロウ。

あれ、そう言えばもう一人日本人かいたはずだが。あたりを見渡すと、何かがこっちに向かってきていた。


「な、なんだ⁉︎」

「大丈夫ですかー!」

「ぐふっ!」


ものすごい勢いでその何かがオレの腹に突撃してきやがった。あぶねー。もう少しでリバースするところだった。けど、衝撃でまた立ち上がれない。そんな中、突撃してきた張本人はオレに馬乗りになった。


「怪我はありませんか?どこか痛かったりしたら我慢せずに言ってください!」

「うーん、強いて言えば君がぶつかってきたお腹かな?」

「はっ、すいません!」


突撃してきた女の子は今頃気付いたのか、いそいそとオレの上から降りる。


「大丈夫だから気にすんな。」

「本当にごめんなさい。今直しますね。」


そう言うと、オレの腹に手をかざし始める。するとそこにうっすらとした光が現れ始めた。


「治癒魔法、かな?」

「そうです。…はいこれでよし。」

「おお、確かに痛くなくなった、ありがとう。」


まあ痛めたのは…いや気にしたらダメだな。


「私、浅田桜って言います。桜って呼んでください。」

「桜か、ぴったりの名前だな。オレは永山薫だ。」

「よろしくお願いします、薫さん。」


桜はぺこりと頭を下げた。その際、素晴らしい二つのメロンが揺れた。そうこの子、このにいるどの女性よりも胸が大きい。まだ幼さの残る可愛い顔からは想像できない大きさだ。背丈も平均ぐらいだから、余計目立つ。お陰で、思わず視線が固定されてしまった。オレも男だからな。


「どうかしましたか?」

「あ、いやなんでもない。よろしく桜。」

「はい。」


おう、なんて純粋ないい笑顔をするんだ。さっきまでのオレ、死んじまえ。

そんなこんなで、勇者たちとの顔合わせも無事?終わった。

面白かったら、評価してもらえると幸いです。

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