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本業勇者、副業魔王  作者: 犬好きの高校生
一章
4/17

第4話

どうやら、目の前の勇者は頭が残念な類の人種だったようです。自ずと残念な人を見る目になってしまう。


「なんだその目は! バカにしやがって。さては、まだ自分のステータスを確認してないな?」

「ステータス?」


お?ちょっと興味のある話が出てきたぞ!ステータス、異世界召喚の基本の基だな。そういえばおれ、何も確認してない。まあさっき起きたばっかだし当然ちゃ当然か。


「ステータスも知らないのか?」

「いや知ってる。が、見方は知らん。」

「やっぱりか。ステータスって心の中で念じれば見れるさ。さあ、それを見て、せいぜい絶望しろ。」


こいつの言ってることがまだよくわかってないが、とにかく確認してみよう。えっと、心の中で念じればいいんだな?


(ステータス!)


おう、なんか顔の前に出てきたぞ!ドキドキ、ワクワク…

ステータスを見て、オレは思わず俯いた。


「わかったか?あんたは負け組なんだよ。オレに逆らっていいわけがない。」

「は、ははは…」


乾いた笑いが出る。オレのステータスに書いてあったのはこうだった。


―――――――――――――――――

永山 薫 Lv:1(0/100)

種族:ヒューマン?

年齢:21歳

称号:「魔王」(隠蔽中)「召喚されし者」

スキル:

・鑑定(0/100)

・言語理解

・非表示(隠蔽中)

―――――――――――――――――


色々とツッコミどころがあるが、順を追って見ていこうと思う。

まず種族から。最後のハテナマーク、なんなんだよ!オレって人間か疑われてんの?なんなの?名前とか年齢あってるから余計に気になるんだけど!

ハイ次!称号のところを見ていこう。「召喚されし者」これは、おそらく勇者召喚でついたものだろう。おそらく大丈夫だ。だけどさ、「魔王」。これはあれだろう。なるべく忘れようとしてたけど、やっぱり魔王にされてるよ、オレ。しかもこの称号、ただの飾りというわけじゃない。

スキルのところにある鑑定、これは異世界召喚の定番だ。これはステータスとおなじように念じたら使えた。だから、真っ先にオレは「魔王」を鑑定した。気になって仕方ないからね。それで出てきた情報が、こちら。


―――――――――――――――――

称号「魔王」(隠蔽中)

「魔」に関連する全てを掌握するものに授けられる称号。

「魔」に関連する全てのスキル、称号を扱え、その全てに極大補正。また、大気中の魔力を汚染可能。

隠蔽中

―――――――――――――――――


ふう、どうやらオレは人間じゃなくなってしまったようだ。種族にあるハテナもあながち間違いじゃないと自分でも思うよまったく。

ついでに言っとくと、鑑定スキルを使った際、ステータスの鑑定の横にある数字が0から2に変わった。熟練度的なものだろう。同じものを鑑定しても熟練度は上がらないようだからこれは気長にやっていこうと思っている。

ついで程度に、他のスキルや称号も鑑定した。


―――――――――――――――――

称号 「召喚されし者」

異世界より召喚されし者に与えられる称号。

言語理解のスキルを会得。スキル熟練度上昇に二倍の補正。また、確定でスキル覚醒が起こる。

―――――――――――――――――

お次は、

―――――――――――――――――

スキル 言語理解

あらゆる種族の言語を理解可能になる。

―――――――――――――――――

最後に、

―――――――――――――――――

スキル 鑑定(8/100)

万物の性質を見抜き、自らの知識とすることができる。

Lvの差によっては失敗する可能性が発生。また、Lv差が大きいほど失敗の可能性が上昇。

――――――――――――――――


ざっとこんなもんですわ。「魔王」で霞んで見えるが、「召喚されし者」も十分チートだと思う。なにせ、言葉がわかんなかったら強かろうが何にもできないし、成長速度が早くなるのは十分強いと思う。

今、唯一の良心は鑑定さんだな。一番無難なスキルって感じで大変よろしい。ただ怖いのはスキル覚醒とやらだ。その部分を鑑定できるか試したところ、しっかりと説明が出た。熟練度は1上がったから、ステータスを上げる鑑定するのと、文字を鑑定するのでは熟練度が違うようだ。


――――――――――――――――

スキル覚醒

ごく稀に起こる現象。

スキルの熟練度が上限に達することによって発生する。スキルが大幅に強化される。

――――――――――――――――


これ、ごく稀にってあるけど「召喚されし者」で確定して起こるようになってるぽいからなぁ。鑑定さん、覚醒したらどうなるんだろ。

くそぉ、オレの勇者となって活躍するという密かな夢が、「魔王」一つで音を立てて崩れ去っていきやがった。顔を上げるとまだ笑っている勇者がいる。

そうだ、目の前でニヤニヤ笑ってるこいつのステータスはどんな感じなんだろうか。もしかしたら、オレのステータスはそんなにぶっ飛んでないかもしれない。鑑定を発動させる。


「ほうほう」


―――――――――――――――――

神谷 翔(かみや しょう)Lv:15(0/1500)

種族:ヒューマン

年齢:17歳

称号:「光の勇者」「召喚されし者」

スキル:

・剣術Lv3(0/300)

・光魔法Lv4(0/400)

・魔力解放(0/100)

・鑑定(2/100)

・言語理解

―――――――――――――――――


―――――――――――――――――

称号「光の勇者」

スキル:剣術を会得。スキル:光魔法を会得。スキル:魔力解放を会得。

それぞれのスキルに大補正。スキルの会得確率が上昇。獲得経験値二倍。

―――――――――――――――――


―――――――――――――――――

スキル:剣術Lv3(0/300)

剣の扱いが上達する。Lvによって発動可能な技の種類が増加する。

Lvは1〜10まで存在。

―――――――――――――――――


―――――――――――――――――

スキル:光魔法Lv4(0/400)

光属性の魔法を発動可能になる。Lvによって発動可能な魔法の種類が増加する。

Lvは1〜10まで存在。

―――――――――――――――――


―――――――――――――――――

スキル:魔力解放(0/100)

一時的に放出できる魔力量を増大させる。発動中は全魔法スキルに大補正。

副作用でスキル使用後、魔力を使用するスキルが使用不可となる。

―――――――――――――――――


うーん思ったより微妙な感じだ。Lvが15もあるのは勇者特有の特典か何かなのだろうか?あと、鑑定の熟練度が2上がってたから、おそらくオレを鑑定したんだろう。それでオレの情報を知ってたのはそういうことだったか。

まあ、正確な情報は得られなかったようだがな。なにせ、この「魔王」を見て、一般人などとは思わないだろうからな。多分「魔王」や非表示スキルの横についてた隠蔽が関係してるはずだ。

この、翔という勇者君の称号を見る限り、補正は全て「大」だった。比べて、オレの「魔王」の補正は「極大」だった。そこの差は大きいのかもしれない。

そして、非表示になっていたスキル。全て表示できそうだったからして見た。魔法関連からよくわからないものまで、いくつあるのかわからないほどのスキルがずらっと表示された。

幸い、目当てのスキルは上の方にあった。使用中の文字も出ていてすぐに見つかった。


―――――――――――――――――――

スキル:隠蔽魔法 ー使用中ー

指定したものの情報、姿形、その他色々なことを隠蔽することが可能。隠蔽の維持には魔力を使用する。

―――――――――――――――――――


これに補正がかかっていて、こいつには見抜くことができなかったのだろう。結局、こいつは残念なやつということか。


「えーと、神谷って呼ぶぞ。」

「勝手に人を鑑定したな。一般人の分際でオレを呼び捨てにしていいと…」

「うるさいな、年上の言うことを聞けって。しかもな、」

「あんたこそうるさいんだよ。黙ってオレに従え!そこのメイドも、そんなのに付かずにこっちに来い。」

「お前、いい加減にしろよ。」

「黙れ、こっちに来いって言ってるだろうが!」


そう叫ぶと、神谷はメイドさんにて手を伸ばしやがった。メイドさんの色白の綺麗な腕に手が届く、前に神谷の腕を掴み、振り払う。結構力が入ったからか、神谷はよろめく。


「何するんだ⁉︎」

「それは、こっちのセリフだ。」


サッと、メイドさんを背中に庇う形をとる。こいつはやってはいけないことをした。


「お前それ、死にたいって意味でいいんだな?」

面白かったら、評価してもらえると幸いです。

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