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喪女から産まれた喪女太郎  作者: 星ナルコ
2/14

吉備団子 仁

実は、その「俺が島!」も、実は喪女の想像の世界で生まれた世界だったのだ。


しかし、「想像は創造する」という。

この創造の世界で、僕が喪女の将来の旦那を見つけて選ぶ。


それから、神様に「この人、現実世界に連れてきてもいいですか?」と、申告する。


神様が許可すれば、その男を現実世界に連れて行くことができるのだ。


このシステムを、人間達は知らない。

「引き寄せの法則」というものが、この世にはあるそうだ。


思い描いていたことは、現実に引き寄せられると言うことなのだが。


それには、実は僕らのこうした裏取引が関与しているのだ。


辛いこと、悲しい事ばかり考えてる人間は愚痴をいったり、人のせいにする。


こういう人間には、次から次へと不幸は引き寄せられてしまうのだ。


僕は、早速俺が島へ旅にいくことにしたのだが。


おっと。

いけない。


旅のお供をどうしようか・・?


犬は、喪女が飼ってるミニチュアダックスフンド(初老で15歳 去勢済み)を、


鳥は、喪女が腐女子向けの携帯アプリ「僕は文鳥」というゲームをダウンロードしてて、


文鳥目線で、旦那様と恋愛シミュレーションするっていうゲームなんだけど。


鳥を実際お供しようとすると、飛んで行って何処にいくかわからないので。


この携帯アプリゲームをダウンロードすることにしました。


猿は、飼うと大変だし値段も高い。


だから、諦めて岐阜名物「さるぼぼ人形」を買うことにしました。安産のお守りとして、人気です。


犬、鳥、さるぼぼ。


よし。これで三つのお供が出来た!


さあ、後は吉備団子だ!


俺が島に到着した喪女太郎御一行は、とりあえず金がないので「吉備団子 仁」という吉備団子店で試食することにしました。


この店の店員達も、皆喪女の好きなタレントばかり働いています。


吉備団子仁のオーナーは、大人気アイドルグループのスーパーアイドル「カチョーン」の白西仁。


絶頂期のアイドル時に、突然「おれ、吉備団子作りてぇって。マジ思ったんだよね。」といって、まさかの脱退。


そして、「吉備団子仁」を開店。


しかし、店長。

肝心の吉備団子の作り方がわからなかったのだ。


「やっぱ、トップ目指してぇーし。と、なったら。やっぱハリウッドじゃね?」


という事で、何故か店長。

アメリカへ渡米することになったのだ。


しかし、吉備団子って日本の料理じゃね?


ま、いっか。とりあえず俺。

やっぱアメリカ行きたかったんだよね。


そんなこんなで、何故かアメリカ滞在からナカナカ帰ってこない、仁店長。


バイトとして雇った一ノ瀬隼人、栃乙女太一も喪女の好みの男性の妄想から産まれたイケメン達だったのだ・・。


一ノ瀬君は、「BARキーズ」というショットバー店員達の熱い青春物語ドラマで主演を務め、大人気になった俳優さん。


栃乙女太一は、旅劇団の天才女形。


「やっぱ!店長カッコいいっす!!

やっぱ、アメリカ目指してるって事とか、ビッグだなっていうか!熱いなって思うッス!!

店長!ナカナカ帰ってこないけどっ!


俺、店長が帰ってくるまで一杯ここで吉備団子売って!早く一人前の吉備団子作れるようになって!


店長、感動させたいっス!

夢にきらめけ!明日にときめけ!

目指せ!吉備団子ナンバーワン!


ウォーーっ!燃えてきたぜっっ!

ハッ!集中!集中!


びびってんじゃねーぞ!俺!

びびってんじゃねーぞ!俺!」


と、ブツブツ言ってる隼人君の隣で


黙々と吉備団子を華麗に作る太一君の姿がそこにあった。


梅沢トマオの「男と女」の歌に合わせて、

太一君は、華麗にクルクルと扇子を翻しながら舞い続ける・・。


1.2.3.4のカウントで、扇子をくるりと翻し、

5.6.7.8のカウントで、扇子の隙間からハラハラと黄粉をまぶす姿は正に神業であった。


このあまりの作業工程の美しさから、

ギャラリーが集まり涙を流して拍手するファンが絶えなかったのだ。


「すみません。隼人さん。

ちょっと、いつも煩いんで・・

黙っててもらえます?

作業に、集中出来ないんです。」


と、太一君が淡々と話ると、


「なにいってんだよ!

俺はっ!俺はっ!


お前みたいに、ただ美しく作ればいいってのとはちょっと違うんだよっっ!


俺はっ!俺はっ!

やっぱ、吉備団子は・・愛!愛ッスよ!


やっぱ、気持ちこもって作らねーと!


マジ、食べてくれるお客さんも感動しねぇーって思うしっ!


心にこもらねぇーと思うしっ!

ラブアンドピースだと思うしっ!

チェケラッチョだと思うしっ!


だからっ!


俺はっ!やっぱり!

熱さ、ハート!ハートっすよ!」


そんな感じで、店員二人がゴチャゴチャ喧嘩を始めたので、


「めんどくさいなぁ」と思った僕は、「吉備団子 仁」を後にすることにしたのだ。







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