消える
「さあ!どんどん愛を深めなさい!」と言われても。
そんな事言われたら、余計にシャイな僕は何も出来ません。プニちゃんも、かえって照れてしまっています。
あー、煩悩の神さん!
これ、もしかして逆効果じゃないです?!
やがて、僕らがモタモタしているとプニちゃんの下半身が少しずつ薄くなっていったのです。
「あれ?ゆ、ユズ・・。ユズの下半身も消えてる・・。」プニちゃんに言われて、僕も自分の下半身を見ました。
あちらの方がようやくピンピン元気になった頃に、まさか下半身丸ごと消えてゆくなんて・・。
こ、これは一体?どういうこと?
ま、まさか・・。
「どうやら、喪女が人間の世界で現実の恋に目覚めたようです。
喪女が現実の世界に目を向けるようになると、彼女が空想で作り上げた煩悩の世界「俺が島」は消えてなくなります。
彼女は、もうバーチャルな世界で人生を楽しまなくてもよくなったのです。
これから、人間界で本当の彼氏をゲットして、本当の子作りを始めます。そして、本当の家族を作るのです。
喪女太郎。貴方はもう必要なくなったのです。そして、プニちゃんも。煩悩の世界も。
みんな。みんな。」
と、煩悩の神は言いました。
そうです。僕たちは、元はといえば喪女の想像により都合のいいように産まれ、都合のいいように作られた偶像にすぎないのです。
母さんの空想の世界は、崩壊を迎えつつあります。これは、母さんにとってはとても良いことです。やっと、現実社会と向き合えるようになったのですから。
僕には、元々恋など許されたものではなかったのです。どうせ、消えゆく運命だったのです。
でも、どうしてだろう。
ほんの少しの淡い想いは、僕の初恋でしょうか?
「ユズ・・ユズ・・折角会えたのに・・こうしてお互い消えなければならないなんて・・」
プニちゃんは、やがて消えていなくなってしまいました。




