キス
やがて、プニちゃんが僕の肩にそっと持たれかかります。爽やかなシャンプーの香りがします。ムラムラ・・いや、ドキドキします・・。
「プニちゃん・・?」僕は、恐る恐るプニちゃんの顔を覗き込みます。
すると、プニちゃんが何故か口を尖らせながら目を閉じてます。
まっ。まさか。キ・・キス?
えっ。ちょ。まっ。待ってくださいよ!
僕!まだ、心の準備が出来てません!
とりあえず、今から準備体操してもいいでしょうか?
えーと、ラジオ体操してー。深呼吸した辺りから、少しずつ気持ちも落ち着くのではないかと思うんですけど?
いや、ラジオ体操してる時間ないよね?
えーっと。あのう。
母さん。父さん。
僕、どうしたらいいですかね?
僕の事を、プニちゃんはまず「父さん」だと思ってる訳ですよね?
でも、僕は父さんじゃないんですよ。
僕は父さんソックリなんだけど、運動神経は喪女の母さん似なんですよ。
イナバウアーとか、四回転半とか全然出来ないんですよ。出来ても、でんぐり返し位です!
身体も柔らかくないから、全ての動きも硬いんです。いざラジオ体操とかしても、カマキリみたいにカクカクするんです!
しかも、僕って超猫背なんです。
これでイナバウアーとかやろうものなら、全力で引力に逆らわないといけない感じになると思うんです!
もしかしたら、プラスマイナスゼロで直立不動になるんじゃないかと思うレベルで猫背なんです!
僕は、全然優雅な男じゃないんですよ!
父さんには、「オリンピックフィギュア金メダリスト」「世界選手権王者」などの輝かしい実績があるからこそ輝いて見れるのだと思うんです!
だけど、僕に残ってるのは!
ほんと、羽仁ユズオ選手の顔と身体だけなんですよ!
それ以外は、全部喪女の母さんにソックリそのままだから!
なーんもいい所なんて、本当ないんですよ!
「ユヅ・・はやくぅ・・。もぉ、貴方からしないなら・・。」そう言って、プニちゃんは僕の頬を両手でガシッと掴んでブチュッと強引にキスをしてきたのです。
ああ。どうしよう・・。
父さん・・母さん・・。
ぼっ、ぼく・・。
金髪美女と、キスしてしまいました・・。




