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鳴神  作者: ふゆ
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モルヒョッヘ


 鳴神が妙なものを学校に持って来た。自宅の蔵にあったのだそうだ。自宅に蔵があるのもどうかと思うが、その蔵を漁るとしばしば妙なものが見つかる。

 妙なものというのは例えば今日鳴神が持ってきたそれのようなものだ。全くもって妙である。

 もっとも、当の鳴神に言わせると、

「蔵なんてものがありながら妙なものが何一つ無く当たり前のものしか見つからないのではそれこそ妙だろう」

 とのことである。良く判らない。良く判らないのは良くないので鳴神はその妙なものを差し当たってモルヒョッヘと名付けた。名前とはそのものの本質であり、モルヒョッヘと名付けることによってそれはモルヒョッヘとなった、とかそんな魔法使いじみたことを鳴神は言った。

 そのモルヒョッヘは硬く、しかし柔軟で、比較的速い。僕の記憶が確かならばこれまでこんなモルヒョッヘは見たことも聞いたこともない。携帯電話で写真を撮ろうとしたらその瞬間バッテリーが切れた。残念だ。

 昼食時、学食のうどんに削って入れてみたら大変に美味であった。周囲の人間も我も我もと群がって来たので快く分けてやった。一日で半分まで減ってしまったが翌日には戻っていた。

 数日後、ふと目を離した隙にモルヒョッヘは飛んでいってしまった。非常に残念だがやはり自由に生きていくのがモルヒョッヘにあるべき姿だろう。

 それにしても、

「それにしてもモルヒョッヘって何だ一体」

 え、それ鳴神の台詞なの?

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