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第6話 ルナの正体は義姉!?

生きる活力を取り戻した秀二は、久々に小説を書こうとネタ探しに漫画喫茶へ入った。

「いらっしゃいませ!お時間は何分ですか?」

「90分で」

「はい、延長されますと10分に付き」

「分かっている」

「はい、ではドリンクの方はそちらにありますので」

「ああ」

秀二が空いている、席を探していると、聞いたことのある声が聞こえた。

「一つになりたいって、何か書いてんだよ。アイツは」

「声が大きいですよ。北斗さん」

なんと、店には北斗と沖田が来ていた。

「あれ!北斗さんに沖田君じゃないですか!」

「おお~、秀二!!」

ふと、二人が見ていたパソコンの画面を見ると、秀二のブログが映っていた。

「これ、僕のブログ!」

「いや~、お前の小説を検索していたら、こんなの見つけてしまって」

「なんか、知り合いに見られると恥ずかしいですね」

「秀二。沖田がコメしたように、告白で一つになりたいなんていうなよ」

「北斗さん!」

「あっ!うっかりしゃべっちゃった」

「えっ?もしかして、この武蔵って、沖田君なの?」

「はい。少しでも励みになればと思い」

「そうか。ありがとう……あっ!(まさか……)」

ふと秀二はルナも自分の身内の者ではないかと思い始めた。

「どうした秀二?」

「いや、このルナという人もしかしたら、兄の奥さん……僕にとっては義理の姉かもしれません」

「そうなのか?」

「義姉の名前が瑠奈なんですよ。だから義姉かも……だとしたら恥ずかしいな~」

「まあ、いいじゃないか」

その時、あの美奈子が店に入ってきたのだ。

「み、美奈子さん」

「どうした?知り合いか?」

「あ、あの人が僕の好きな人です」

「マジかよ。けっこう可愛いじゃんかよ。ん?お前今美奈子さんっていったよな」

「あっ!」

「このブログでは、お前の好きな彼女の名前って、初恋の人と同じなんだろう。だから真奈ちゃんかと思ったんだけど」

秀二の初恋の相手が北斗の亡き妻であることを、北斗も沖田も知らない。

「あれですよ。ほら、前に学生時代の初恋の相手がアニメのキャラだって言ったじゃないですか。そのキャラの名前も美奈子さんなんです」

「ああ、なるほど」

「(焦った……いや、それより彼女とこんなとこで会えるなんて……)」

「邪魔しないから、行って来い。仲良くなれるチャンスだぞ」

「お、押忍!」

「頑張れよ。恋愛も真剣勝負だ。男ならいって来い」

「押忍!いってきます」

「秀二さん、焦っちゃダメですからね」

「押忍!」

そして秀二は美奈子の席へ向かった。

「あれ、美奈子さんじゃないですか!」

「あっ、河、いえ、秀二さん」

「美奈子さんも漫画喫茶に来るんですね。漫画とか読まないと思っていました」

「いえ、パソコンを使いたくて……家のパソコン壊れてしまいましたので……」

「そうですか」

「でも、漫画も好きですよ」

と、笑顔で答えた。

「(美しい……こうやっているだけで何故か緊張してきた)」

「今ね。ブログ仲間の人が恋をしているみたいだから、励ましてあげているの」

「そうなんだ(優しいなあ~ますます惚れてしまう)」

「その人は難病を抱えながら、格闘技や音楽をやっていたらしいの。で、今は小説を書いて、物語の中で格闘技を続けているみたいなの」

「えっ?」

「しかも、亡くなった彼女やお友達のために曲を作って、CDにして配布、販売したみたいなの」

「(おい~!これって間違いなく俺のブログのことじゃない……てことは、ルナさんって、もしかして美奈子さんだったのか~)」

「私の彼も4年前に病気で亡くなったの」

そのときの彼女の顔はすごく悲しい顔をしていた。

彼女にとって、その彼氏は本当に大切な人だったんだと、秀二は思った。

「その人にとって、彼女さんはすごく大切な方だったみたいだけど、新しく恋を見つけたようだから、応援してあげているの」

「(美奈子さん……)」

秀二は、自分がそのブログを書いていると美奈子に伝える決意をした。

「あの美奈子さん」

「ねえねえ、ここ読んでみて」

「えっ……(早く言え秀二おれ)」

「一つになりたい。何て書いてあるでしょう。焦って失敗しないといいのだけど」

「(うっ……よけいな事書いてしまった。これじゃあ、ブログを書いているのは僕ですっていえない)」

「武蔵さんって方からも告白の時に一つになりたいなんて告白したらダメですよ。って、アドバイスされている」

「一つになりたいくらい、彼女の事が好きなんでしょうね。女性の方からすれば、いやらしいコメですが、その気持ち男の僕なら分かります(自分で自分をフォローしなくては……)」

「確かに好きな人と一つになりたいというのは分かるけど、気持ちが焦っているのよね。それで、失敗しなければいいのだけれど……まあ、私の方こそ、新しい恋を探さなければいけないのだけどね」

「美奈子さん、優しいし、綺麗だから、すぐ出来ますよ」

「クスッ。お世辞言っても何もでないわよ」

「いや、ホントです。僕がもう少しいい男だったら、告白するな」

「え~本当」

「(本当なんだよ)」

「でも私は秀二さん、いい男だと思いますよ。後輩にも優しいし」

「そ、そう……じゃあ、告白しようかな~」

「そ、それ、本気?」

「……くだらない冗談を言ってごめん。僕もいい人探しますから、お互い頑張りましょう。じゃあ、僕、あそこの席に座って漫画読んでいるから……」

「秀二さん……」

秀二はしばらく漫画を読み、帰る前に、北斗と沖田に挨拶をしに彼らの席へ向かった。

「どうだった?」

「ルナさんが誰か分かりました」

「おい、まさか、あの子か?」

「はい……自分もう帰りますから」

「元気ないが、大丈夫か?」

「大丈夫です。ちょっとお腹が痛くなってきただけです」

「そうか」

「では失礼します」


その後、美奈子にも挨拶をした。

「じゃあ、僕帰るから」

「もう帰るんですか?」

「うん。用事を思い出したから」

そう言って店を出た。


帰宅して彼はブログを更新した。


タイトル「偶然」


どうも生きる時です^^

今日小説のネタを探しに図書館に行ってきました。

そしたら、なんと、空手の先輩達と出会いました。

さらに、職場仲間にまで出会いました。

結局、小説のネタは思いつきませんでした

ではノシ


それから4時間後……

1件のコメントが届いていた。

だがそれはルナではなく武蔵(沖田)からであった。


生きる時さん、どうもです!

さすが作家ですね。

図書館ですか!

実は僕も今日、先輩と漫喫に行ったら、知り合いに会ったんですよ。

では小説頑張ってください。


沖田あいつは励ましてくれているのか、からかっているのかどっちなんだよ」


ちなみにこのコメントを書いたのは沖田ではなく、北斗であった。


「今日はルナさん……いや、美奈子さんからコメント来ないな~」


結局その日、彼女からコメントは届かなかった。


そして、新戦会にある事件が起きようとしていた。



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