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第2話 沖田一の恋

「あと20分もあるのか」

と、愚痴を言いながらも仕事をする秀二。

「河村さん、僕らは映画の世界の案内人でしょう。そう言って教えてくれたのは河村さんなんですから」

「君はいいね~若くて健康で……」

「はあ……(早く元気になってください)」


そして仕事終え、帰宅途中に1人の男性が声をかけてきた。

隣には十代後半の女の子がいた。

男の名は沖田一だ。

そう、秀二が通っていた実戦空手新戦会の四天王の1人だ。

実戦空手道新戦会は館長の後藤勇(49歳)5段

その下に内弟子であり四天王と呼ばれる方たちがいる。

師範の土方歳夫(39歳)4段

指導員の沖田一(27歳)3段

同じく指導員の永倉新一(40歳)3段

同じく指導員の原田光介(36歳)3段

この4人が四天王だ。

そして指導員の神威北斗(36歳)2段

秀二の弟の秀三は初段だ。

また、潰瘍性大腸炎でありながらも格闘技を続けている内気は茶帯になっていた。


沖田の容姿は武道の達人には見えず、華奢な女の子のような容姿をしていた。

また、爽やかな好青年であり、本職はビデオレンタル屋でアルバイトをしているフリーターだ。


「秀二さん、久しぶりですね」

「おっ、沖田君じゃないか」

「今仕事帰りですか?」

「まあね。ところで隣の子は彼女かい?」

「押忍!」

「秋野由紀子です」

セミロングに薄く茶色い髪をし、優しそうな感じ女性だ。

「あっ、どうも前に沖田君とこの道場いた河村秀二です」

3人はほんの少しの時間立ち話をし、秀二は帰宅した。


だが、彼女には別の顔を持っていた。


次の日の夕方19時……

この日、沖田は夜バイトがあるため、彼女は、4人の女友達と3人の男友達と一緒に。ファミレスにいた。

「由紀子はいい金蔓が二人もいて。いいな~」

「いいでしょう。私のためなら何でも言う事を聞くんだから」

なんと、沖田の前では猫を被っていたのだ。

「おいおい、俺も由紀子おまえの金蔓か?」

「違うよ~。新見君が彼氏で沖田はパシリ君だからね」

しかも新見という男までいた。

「でもさ~、空手やっているんでしょう。強いの?」

「女みたいな男だよ」

そう言って、彼女は皆に携帯に保存されている沖田の写真を見せた。

「うわ~。弱そう。新見君にすぐやられそう」

「それ、マジ受ける」

沖田あいつが今バイトしているのは私のため。今度は何を値だろうかな~」


だが、この話を二人の男性が聞いていた。

「あのあま~」

「落ち着け。本当に沖田の彼女なのか?」

「この前、一から写真を見せてもらいました。間違いなくあの女です」

「そうか……」

話を聞いていたのは新戦会の土方と神威だ。

「俺が一発」

「やめろ。北斗。これは沖田の問題だ。沖田あいつが真実を知って、どうするのかを、俺達は見守るだけだ」

「押忍!」


次の日の夕方19時……

沖田は今夜もバイトなため、由紀子は昨日の女友達と一緒に、ファミレスに向かっていた。

昨日の男3人とはファミレスで待ち合わせしているのだ。

だが、彼女達の前に沖田が現れた。

「沖田……君」

「なんか、くだらない噂を聞いちゃって……真実を知るまで、バイトする気分じゃないんで」

「噂ってな~に?」

「ゆきちゃん、男いるんだろう?」

「な、何言っているの」

「正直に答えてくれ!僕が怒る前に……」

しばらく彼女は黙り込んだ。

そしてこう言った。

「ふん……沖田あんたなんかが怒ったって怖くないよ」

その言葉に沖田は、拳を強く握った。

「私の本当の彼氏は新見君だけ、アンタは使いパシリよ」

「そうかい……僕は本気でゆきちゃんが好きだったのに」

沖田の目から泪が流れた。

「もういいだろう。帰れよ」

「あんま、なめた口聞くなよ」

沖田の口調が荒くなった。

その時、由紀子の携帯が鳴った。

相手は新見だ。

「遅いぞ~」

「ご、ごめん……今沖田の奴が来て……退かないのよ」

「ああ?しょうがね~な。桜木公園に連れて来い。俺達も向かうから」

「うん」

電話を切り、彼女はこう言った。

沖田あんたの方こそ私をなめないでよ」


沖田は女達と共に公園へ向かった。

そしてしばらくすると、新見たちが現れた。

「お前が沖田か?」

沖田は何も返事をしない。

「シカトしてんじゃね~よ」

「新見さん、コイツビビッているんですよ」

「ははっ、そうか、空手やっているから自分が強いと思っていたのか?」

「素直に謝ってくれれば、誰も傷つかなかったのに」

ようやく沖田がしゃべった。

「ああ?傷つくのはお前の心と体だけだ。まあ、1万払えば、見逃してやるよ」

「お前らにやる金などない!」

「ああ!!ぶっ殺してやる」

新戦会うちは館長の許可なく他流試合を禁じられている」

そういいながら、新見のパンチを紙一重で交わした。

「けど、これは他流試合じゃないし、喧嘩でもない。クズどもにお仕置きをするだけ」

「おい、お前らもやれ」

「はい」

3人同時に攻撃を仕掛けてきたが、相手が悪い。

一瞬で3人は倒れた。

「い、痛て~……」

「由紀子、沖田あいつ何をしたの?」

「わ、分かんないよ」

「知りたいか?」

いつの間にか男が1人、女達の後ろにいた。

「だ、誰?」

「僕の先輩だよ」

「帯はお前の方が上だけどな」

現れたのは北斗だ。

「くそったれ~!お前ら俺のバックにはすごい人が付いているんだぞ」

「ちょっと、黙っててくれない。この子達に沖田が何をしたか教えたいから」

「ふざけるな~!」

「まず1人は、まっすぐ突っ込んできたから、前蹴りで倒して、後ろから攻撃しようとした奴には後ろ回し蹴り、で、あの新見あほうには上段蹴りが決まったのさ」

「う、嘘……沖田あいつ人間なの?」

「さあな。北斗おれより強いから化け物なのは間違いない」

「北斗さん」

「ははっ……さて、大将、すごい人がいるんなら呼べよ」

「い、いいのか。芹沢さんは、摩利支天の14代目総長なんだぜ」

「ふ~ん。なら、摩利支天と新戦会の戦争だな」

「北斗さん」

「冗談だよ。タダ、芹沢には俺から伝えてやるよ」

「何!?」

「摩利支天のOBとして……3代目の頭張っていた、この神威北斗が直々に伝えてやるよ」

「(ハッタリか……いや、たぶん本当だ)」

「どうした?大将?このままおとなしく帰るか?それとも俺とタイマンはるか?」

「か、帰るぞ」

「はい」

「ちょ、ちょっと、私達を置いていかないでよ」

こうして新見たちは去っていった。

だが、由紀子だけは去ろうとしなかった。

それどころか彼女は、泣きながらこう呟いた。

「ごめんなさい……私、嫌なことを忘れたくて……病気のことを忘れたくて……」

「病気?」


彼女の性格が歪んだのは、どうやら病気を抱えてしまったのが原因のようだ。

沖田は謝る彼女を許すのだろうか?




ちょっと格闘モノの話にしてみたくて……

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