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第13話 山南敬二

次の日も美奈子と秀二は、土方と永倉のお見舞いにやってきた。

二人に病室は一緒だ。

美奈子と秀二が病室に入ると、40歳くらいの男が見舞いに来ていた。

「山南さん!」

「おお!秀二か!久しぶりだな~12年ぶりか!?」

「そうですね」

「ん?もしかしてそのが土方君と永倉君を病院送りにした娘か?」

その言葉に美奈子の表情が険しくなった。

「如月美奈子といいます」

「あっ、どうも、俺は山南敬二。元新戦会の者だ」

「元?」

「山南さんは僕と同じで、会を脱退しているんですよ」

「そうですか」

「12年くらい前だがね」

「もうそんなに経つんですね」

「ああ。数年ぶりに館長から鬼と修羅の戦いが行なわれると連絡があったのだが、その日は用事があってね。凄い試合を見逃した」

「美奈子さん、山南さんは館長の一番弟子なんですよ」

「そうなんですか!私一番弟子は土方さんだと思っていました」

「俺は3番目だよ」

と、土方が言った。

「懐かしいな~」

山南の言葉に永倉がこう言った。

「そろそろ会に戻ってきたらどうですか?」

「今朝、館長に挨拶をしに、自宅へ訪問したら、館長からも同じことを言われたよ。だけど明美の事を考えると……」

山南は寂しそうな顔でそう言った。

「明美さんは元気ですか?」

「ああ、元気だ。6歳になる子供も一人いる。男の子で館長と同じ名前を付けさせてもらった」

そういいながら時計を見た。

「俺用事があるから、館長のご自宅へまた伺ったら、そのまま帰るから」

「今日はありがとうございます」

「ありがとうございます」

土方と永倉が礼を言った。

「僕、下まで送りますよ」

「そうか」

「私も行きます」

秀二と美奈子は下の玄関まで、山南を送った。

「おう。ありがとうな。あと、彼女と仲良くやれよ」

「か、彼女じゃないです。と、友達ですから」

秀二は顔を赤くし、照れながらそう言った。

「そうか。まあ、館長からお前の体調の事を聞いたが、無理するなよ」

「押忍!」

「じゃあな」

「押忍!」

秀二は頭を下げ、美奈子も頭を下げて見送った。

二人が土方たちの病室に戻る途中、美奈子は秀二にこう尋ねた。

「何故あの方は、脱退したの?」

「ん?愛する奥さんのためですよ」

そう言って二人はエレベーターに乗った。

「あとで教えてあげますよ。あの事件の事を」

「事件?」


秀二の言う事件とは一体何なのか?

何故館長の一番弟子が12年前に脱退したのだろうか?




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