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この作品には 〔ガールズラブ要素〕が含まれています。

綺麗な私とドライフラワー

作者: うちだ
掲載日:2026/06/13

切ない恋の物語です。



私はずっと可愛い。

ルッキズム?上等。

不利益よりも恩恵の方がずっと多かった。


どこを歩いても、みんなが私を振り返る。

ちょっと笑えば、みんな喜ぶ。

女の子も男の子も、すぐに私を好きになった。


私も私が好きだった。

ずっと大好きでいられるように、爪の先まで磨いていたの。

今は大輪の花束だけど、いつかドライフラワーになって、色褪せても綺麗なままでいる。


初めてだったの。

私を好きにならなかった人。


「結衣、彼氏紹介するね」

大学でなんとなく隣にいた、いつも薄化粧の日和は、私よりも早く恋人を作った。

日和に呼ばれた男は、私と同じだって、一目見てわかったの。

わかりやすく見た目が整っていて、さぞ楽しい人生を送ってきたんでしょう。


「海人です。よろしく」

彼がそう言って、日和の肩を抱いたとき、私は初めて雷に打たれたわ。


忘れたくても忘れられない。

私は初めて爪を噛んだの。

痛いんだね、知らなかった。


早く二人が別れればいいって、ずっと思ってた。

でも私は何もしなかった。

だって、運命を信じたかったから。

神様は、最後は私に微笑むって信じたかったから。


今日も私は可愛い。

まつ毛を上げて、髪の毛を編み込んで、レースをあしらったドレスを着ている。

小さなチャペルは綺麗だったけど、神様はいないみたい。


はにかんだ二人が照れながら、居もしない神様の前でキスから、目は逸らせなかった。

バラバラの心は、涙に変わった。


友人代表の挨拶のとき、私は何度も言葉を詰まらせた。

わざとだよ、気付いた?


真っ白なドレスの日和が、鼻を赤くして私を抱きしめたとき、こっそり背中に爪を立てたの。

短く切っていたから、痛くはなかったはず。

日和の恋人、夫になる人、海人さんからは見えたかも。


海人さん、あなたも私と同じだね。

もてはやされてうんざりしてたんでしょう?

心の奥に触れてほしかったんでしょう?

誰よりもわかる。

違ったのは、性別だけだったね。


日和、日和、日和。

初めてだったの。

ただ隣にいたいって思えたの。

普通の女の子でいられたの。

息がしやすかったの。


「海人さん、日和を絶対幸せにしてくださいね」

私は完璧な笑顔だったはず。


私は、日和の隣で幸せになりたかった。

好き、大好き、愛してる。

今日の日和は、今までで一番可愛くて綺麗で、大嫌い。

幸せにならなきゃ、許さない。


醜い気持ちは、グラスの泡にとかして飲み込んだ。

苦くて甘くて、最悪だった。



私、これからゆっくりドライフラワーになっていくの。

恋心は乾燥剤。

誰にも渡さないわ。

読んでくれた方、ありがとうございました。


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