19 宿屋完成!
次の日、イライザの街に朝一番で向かった。
宿屋がもう完成するので、5人の従業員を確保する為だ。
「おはよう御座います!
エイト様。
5人全員とコンタクトがとれた為、ちょっと上の階の待機室から呼んできますね。」
受付のマリアさんはそう言って奥に引っ込んだ。
しばらくして、5人の人材が降りてきた。
「右から、ユーラさん、サボンさん、デフィさん、ララさん、カンナさん、ですわ!
皆さん、エイトさんの条件を満たしています。
契約期間はいかがされますか?」
「じゃあ、いちいち更新に来るのもめんどくさいので、1ヶ月で!」
俺は言い、全員と1ヶ月の契約をした。
そして、馬車と馬に分かれてEarthに戻った。
みんなは、50メートル程もなるハイペリオンの木の塀に驚きの声を上げ、「まるで要塞都市だ!」とか、「世界一高い塀だ!」とか言っていた。
まぁ、それは軽く説明して、屋敷に案内した。
それぞれ、好きな階の部屋を選んでもらった。
そろそろ、屋敷も半分は埋まるし、居住区が必要かもしれないが…
そんな物を建てる余裕は今のところ無かった。
その日はユーラさん達の歓迎会をした。
シャロンとイールさんがパエリアやスパゲッティ、グラタンを作ってテーブルに並べてくれた。
「へぇ?
じゃあ、ユーラさんは以前はホテルの経営者を?」
「えぇ…まぁ…
ガロラス家のご令嬢アイリーさんに経営権を売り渡して、それからは人材派遣所に…」
ユーラさんは言う。
「アイリーさんに?
また、何でですか?」
「あの方は経営に於いては両親をも凌ぐ天才ぶりでしてね。
レストランだけでなく、ホテルも何軒か経営していますが、ちょうど私のホテルの隣にアイリーさんがホテルを建てまして…
それで、お客の取り合いみたいになったんですが…
はは、情けないことに…」
ユーラさんはそれ以上は言葉を濁した。
「なるほど。
それは大変でしたね。
ここは、完全に俺の名義の土地ですから、安心して働いてくださいね。」
いずれ…
アイリーさんは俺のライバルになるかもしれない…
そんな気がした。
その日はお堅い話は抜きにして、歓迎会を楽しみ、次の日の朝、俺は5人をリビングに集めた。
「えーと、皆さんに働いてもらうのは、聞いているかもしれませんが、宿屋です。
4階建てで、各階に部屋が7つあり、お客様を迎えるには十分な広さがあります。
ちなみに1階には、受付と食堂と大浴場があります。
全体の指揮は宿屋副オーナーという形で、ユーラさんに取ってもらい、ユーラさんでも解決しない事があれば、オーナーの俺に回してください。」
俺は説明を始める。
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