第2話 「現れる2人の影」
そこに駆け付けたのは現警視庁公安部長の岩瀬真一と彼女の水野沙羅であった。
決して想像もできないような組み合わせの二人。
そこには、衝撃の理由は隠されていた。
「大丈夫か?」
慌てて駆け付けたのは、警視庁公安部長の岩瀬真一と、彼女の水野沙羅であった。
「なぜここに岩瀬部長がいるんですか?」
「それに、沙羅までなんでここに・・・。」
思わず部長にため口を使うが、岩瀬公安部長はそんなことを気にも留めることなく返事を返す。
「申し訳ないが、琢磨君。君にGPSを付けたんだ。万が一何かあってもいいように。」
「なるほど。」
「ってなるかー!?」
口では軽い突っ込みを入れた五十嵐琢磨だが、内心バクバクだった。
「それで、こうまでして俺の後をつけてきた意味って教えてくれますか?」
岩瀬はこれまで隠してきたことを話し始めてた。
「まず、ここに来た理由は君の命が危ないからある方から頼まれて
さっきのGPSもそうだけど、助けに来た。」
「なるほど、」五十嵐はうなずきながら返事をすると、岩瀬に質問をする。
「彼女がここにいる理由っていったい何ですか?彼女の正体とかってあるんですか?」
「水野君。そろそろ話してもいいんじゃないんかな?あのコト。」
「わかりました。琢磨に話します。」
「ます、驚かないで聞いてもらいたいんだけど、私の祖父は今内閣総理大臣でもあり。
この国の代表でもある相良直達なの。
そして、ある時この国にかかわる重要なものを見つけてしまって私が琢磨と付き合えたのは
単なる偶然とかじゃなくてっさ。もちろん今も好きな気持ちは変わりないのだけど・・・。」
琢磨はただ静かに彼女の話を淡々と聞いていたが最後の一言に疑問を持って
慌てて彼女に反論をする。
「え?今もって・・・。最初は好きではなかったってこと?」
「初めから好きだったらこんなセリフは出てこないよ?」
「さっきのセリフはごめん。全然そんなつもりはなくて。
ただただ、琢磨に協力してほしくてさっき話したことも合わせて話したかったの。」
「私の祖父である現内閣総理大臣ー相良直達ーとその政権を倒して
昔のような日本に作り替える。私はそのためにこの計画に乗った。それがすべて。」
あまりの権幕と今まで見たこともないような口調から五十嵐は黙って
彼女と過ごしてきた過去などを走馬灯のように思い出しながら聞いていて、
そのすべての答えにどこか納得したような感じだった。
話を言い終えた水野は岩瀬に目で合図を送る。それを察知した岩瀬は琢磨に歩み寄って
琢磨に話しかける。
「琢磨君。ここではなんだから君たちの新居に行って話そうか。」
五十嵐は「新居?って・・・」その言葉に疑問を頭に浮かべながらも思わず口から吐露する。
「あぁ。琢磨君に入ってなかったね。もう新居というか以前の家はおそらく
彼らの手にすべて共有されているだろうからこちらで手配させてもらったよ。」
「わかりました。」五十嵐は岩瀬にそう返事を返すとそのまま沈黙を貫く。
「私は今から車を持ってくるからその間に琢磨君はなんでも彼女さんに聞くように。」
岩瀬公安部長は自分が乗ってきた車のほうへと走って向かっていった
「沙羅にさっき聞きそびれたことある。いつから岩瀬さんと知り合ったんだ?」
その質問を水野にすると自然とさっきから頭の中に浮かんでいた疑問がすべて取り払われて
少し満足そうな顔を浮かべるが、水野はそれに気づいていない。
「そうだね。たしかあれは琢磨と付き合い始めてから1ヶ月目だったかな。」
「ねぇねぇ。それよりさ今でも私のこと好き?」
「おれは・・・今・・・。」
それを五十嵐に聞くと岩瀬の車の排気音がうるさすぎて、
水野は祖その返事を聞き逃してしまうのだった。岩瀬は車をその廃工場の入り口から持ってくる。
「さあ。行こうか、琢磨君。そして水野君。乗ってくれたまえ。」
五十嵐と水野の両名は岩瀬の車に乗り込んで新居へ向かうのであった。
第3話 「選択と決断」
五十嵐一行は新居についてしばらくするとこのタイミングを見計らったかのように
郵便物が届く。それは1枚の封筒で中に何か入っているようだった。
封筒の中身に思わず腰を抜かす五十嵐琢磨。そこから迫られる決断と、
五十嵐が決断して選んだ答えとは!?