第4話 「2021年ー②ー」
(当時)渡部警視総監に命じられて公安部にいる警察官だけで
現場へと向かう五十嵐典子(当時:公安部長代理)率いる彼らが目撃したものとは一体・・・?
渡部警視総監に命じられて極秘任務に駆り出された15名の公安部所属の警察官たち。
五十嵐典子は班員各々に任務を命じるのであった。
そして、ついた場所は東京23区からかなり離れた工場が数多く並ぶ場所で
その中にある数年前に倒産した工場で今はもう使われていない廃れた場所であった。
近くには聳え立った崖があり、転落すれば命の保証がない危険地帯でもある。
「よし、それでは任務の詳細を今から説明する。心して聞いてくれ。」
「わかりました。」
14名がほぼ同時に返事をして、典子が説明を始める。
「まず、私と来てもらうのは今1号車に乗っている3名。
そして、2号車に乗っていた5名は裏口から突入ほしい。
最後に、3号車に乗っていた6名は横から半々に分かれて突入してくれ。」
説明を終えた14名は典子の手振りの動きによって
拳銃を構え、突入の準備をしていた。
一方、中からは大勢の人たちが騒がしくパーティーでもしているかのような
そんな楽しげな会話が外にいる公安部全員にも聞こえていた。
「突入。」五十嵐典子の無線でも合図で15人全員が一斉に突入をする。
「おいおい。誰だよ。この工場内に麻薬の製造と密売をしているって垂れ込んだ奴は!」
仲間の一人で体格がかなりがっしりしている男がその場の全員が聞こえるほどの声量で
あたりに喚き散らすが、誰一人として反応しない。
「警察だ。おとなしく持っているものを速やかに下ろして手を挙げて。」
典子が全員に聞こえるように大人しく投降するように促す。
「は?警察?」「あいつの情報によればココがばれることはないって言ってたのに」
「いやいや、あの方だって相当な地位でしょ。」「たしかに。」「それもそうだな。」
「まあ、あのお方が何とかしてくれるでしょ。」「YES!」
そんな声が仲間内から聞こえてきて「警察」という言葉を耳にしても一切おびえる様子がしない。
それどころか警察に捕まっても全然問題がないような感じの態度をとってくる。
典子は以前にもそんなようなところを経験しているため、以前話をしたときに感じた
嫌な感じが当たることがないように必死にその場を取り繕っている。
残りの14人の公安部の人たちは銃を構えて威嚇するが全く反応なし。
そして、典子の嫌な感じが的中することとなる。
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膠着状態から数分後 いまだに状況が変化するわけでもなくお互い一歩も引かないような
そんな状況が続いていたが、あいつの登場により状況が一変することに。
「はい。そこまで。五十嵐典子公安部長代理率いる公安部の皆さん。」
「またお前の仕業か。以前は好き買ってやってくれたな。」
そこに現れたのは警視総監の渡部嘉郎と警視副総監の斎藤吉影。
そして、民革党所属の国会議員で現内閣官房長官の城澤修一と
彼らが率いてきた人員約50名ほど。その半分が警視庁の人間。
典子は続けてあの時のことを渡部にぶつける。
「おかげさまであの時はどうしようもなく泣き寝入りすることしかできなかったが、
今は私の部下がいる。承認にもなってくれる。」
それを聞いた渡部と警視庁から派遣してきた警察官たち鼻で笑う。
「それで、一体全体誰が君の見方なんだって?」
渡部が典子に言い返すと同時に残りの14人全員が一斉に五十嵐典子へと銃を向ける。
「君たち。なんで・・・」
「五十嵐典子くん。最初から君を消すためだけに
君の指示に従うふりを続けていたまでだよ。知らなかったのかな?」
渡部は典子に対して挑発ととれるような言葉で伝えると、典子は持っていた拳銃で
工場の天井に向かって威嚇射撃をする。全員が突然の出来事に
慌てふためくが渡部たちがその場をなだめる。
「例のUSBメモリーは今も持っているのかね?」
この状況の中、なぜかUSBメモリーのことを聞く渡部篤郎。
典子は首を縦に振り相手の出方をうかがう。
「そうか。それを今すぐ渡せ。あの時と同じだが、
中身がまるで違う。これが世間にばれるようなことがあれば
この国の根幹にかかわるようなことなのだ。だから早く渡せ。」
渡部の怒号がその場の空気を一気に重くし静まり返る。
「嫌ですね。これは彼と私が何十年にわたって調べ上げてきたことです。
もうあなたの指示には従えません。これを世間に公表し、
あなたたちを終わらせます。さようなら。」
五十嵐典子が言い切るとその場を去ろうとするが1発の射撃音がまた空気を変える。
打ったのは警視総監ではなく、五十嵐典子から少し離れたところにいた
部下だった男が正確な位置を打ち抜いたのだが、典子の動きが速すぎて届かず
床に銃の痕打った跡だけが残る。
「待ちたまえ。」
渡部はかなり焦っているのかUSBメモリーを維持でも回収したいがために
五十嵐典子を止めるが彼女は止まらずに車のほうへと走っていくのであった。
「おい。おまえら。急いで彼女を追え!」
「わかりました。すぐに追います。」
「彼女の生死は問わん。殺してでもあのUSBだけでも回収するのだ。」
渡部の指示のもと五十嵐典子が持っているであろうUSBを手に入れるために
彼女と彼らの戦いの幕が切って落とされた。
廃工場に行くと、かつてと同じように嵌められた五十嵐典子。
その場から逃走するのだが、彼女の運命とUSBメモリーの行方は一体どうなるのか?




