再婚願望
「ふふーん♪」
鼻歌を歌いながら、私は料理作っていた。
今日の料理は肉じゃがで、少し多めに作っている。
「・・・うん。美味しい!」
味見をして、上手く出来たのを確信したら、タッパーに肉じゃがを詰める。
今、タッパーに入れたのは、後日食べるよう用ではない。持って帰ってもらう用で
ある。
病気で夫に先立たれ、娘と二人暮らし。
もう結婚するつもりはなかった。のだが、同じ境遇である人にで会い、再び結婚したいと思った。
「茉奈ちゃん」
娘の部屋に行くと、娘とその友達である、茉奈ちゃんがノートを開いて勉強をしていた。
「ちょっと、勝手に扉を開けないでよ」
「あっ。ごめん。ノックするの忘れてた」
思春期真っ只中の娘は気難しいと感じつつも要件を済ます為に、話をする。
「茉奈ちゃん。肉じゃがをちょっと多めに作っちゃったから、持って帰って欲しいの。帰りに出すから、声をかけてね。・・・それと、この前のカレーどうだった?」
「はい。すいません。ありがとうございます。カレー、とても美味しかったです。父も喜んでました」
「そ、そう。喜んでもらえたなら、うれしい」
やった。
喜んでくれていたんだ。と内心喜んでいると娘に「母さん。今、勉強中なんだど」と言われてしまった。
「ごめんなさい。それじゃあ。二人とも勉強頑張って」
気分よく娘の部屋を後にした。
* * * *
「母さん。絶対に茉奈の父さんの事、好きだよね」
「・・・実はさ、父さんもかなり、気があると思うだよ」
「えっ。そうなの」
「うん」
「両想いって。きゃー!」
話が盛り上がった。
「実はさ。好きな人が出来たの」
「えっ。誰?」
「私。小川先生の事が好き」
「馬鹿じゃないの」
* * * *
私が、邪魔をしたせいで、勉強会から一変、恋バナへと変わってしまっているなどつゆ知らずに、インターホンが鳴ったので玄関へと向かった。