親友⇒恋人関係になりたい
「私。小川先生の事が好き」
「馬鹿じゃないの」
冷静に言葉を返す裏腹。私の内心は、すごく。ものすごーく焦っていた。
が片思いした相手が先生。だからという訳ではない。
輪花に好きな人が出来たという事実に焦っていた。
輪花の事が好き。
この自分の気持ちに気付いたのは小学生高学年の時である。
気付いてからは毎年、バレンタインにチョコを渡したり、クリスマスに一緒に出掛けないかと誘って遊びに行ったりと、色々しているのに。
どうして、私の想いに気づく事はなく。ただ、相談に乗ってくれるからや、何度も視線が合うだけで好かれているのだと思えるのか。
私だって、輪花の相談を何度も聞いてるし、授業中、後ろから輪花の事をずっと見てるのに。
・・・私自身、分かっている。
言葉にしないと伝わらない事があると。
ましてや、私と輪花は女同士という訳もあり、私の気持ちに気付いてくれる可能性は低い。
「なんとね。週一で私の家に来るんだ」
はい?
言葉の意味が一瞬、理解出来なかった。
どうして、一生徒である輪花の家に先生が週一で、来ているのか。
さっきまで、小川先生が緩奈と両想いなのは、緩奈の妄想だろという推測に可能性と言う文字が見えてしまった。
ありえない。
私が唖然としていると、緩奈の家に誰かが来た。
「ちょっと、行ってくる」
「えっ。どこに?」
「リビング。そうだ。茉奈も一緒に来て」
輪花に手を引かれて、リビングへ行くと。
「輪花さん。お邪魔してるよ」
小川先生が家に来ていた。