表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

聖夜(ホーリーナイツ)

作者: みなはら


空の船で、

星へと漕ぎ出した。


船の荷は、

沢山の命のかけら。


船の(こころ)であるわたしと、

船長(ふなおさ)の彼と、


長き長き、

星の道行きを過ごす。




今日、今宵(こよい)は聖夜、

神が産声をあげた夜。


御子の手を取り、星照らす暗き道を、

命を背に、ひそやかに歩む。



神よ、どうかこの命を絶やさないでください。





訪れる聖夜へ、


幾つの祈りを重ねたのか、もうわからないけれど、


わたしはまた、


ゆりかごで眠る命のかけらのために祈りを捧げ、


想いをまたひとつ積みあげる。





故郷ははるか遠く、道行きは続く。




先へ、


はるか先へ。



星の海を渡りゆく。



はるか、はるか、


新たなる道を目指して。




見果てぬ先の、星への道行きを。




船は進む。


星々の光のなか、わたしは幾つもの夜の顔を覗き見る。




−◇−



― それからはるか先のこと。


漂流中の移民船が発見され、

船の制御用頭脳体の壊れた記録から、この詩が見いだされた。



記録媒体の破損は酷く、この人類(ヒューマン)の船の目的地や、移民計画が完了できたのかは、ついにわからなかった。


積み荷は空で、調査後に移民船は投棄された。


尚、発展期にあった時の人類(ヒューマン)の記録史には、この移民船のことは記されてはいない。 ―





















−あとがきのようなもの−


先日カクヨムさんで、『名刺代わりの小説10選』というのを書いたのですが、

ちょっとSFマインドが目覚めて、ストーリーを思いついたのですね。


でも、書いている時間が取れそうに無いので、

物語の覚えに、

お話に使う予定だった詩に、簡単な文章をつけたものをまとめて、ひとつの物語として出してみました。


楽しんでいただけると良いのですが(笑)


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言]  素敵な詩でした。    遥か昔の出来事。  なんだか切ないですが、ロマンがありますね。  読ませていただきました。  ありがとうございます。
[良い点] 後半の部分が、切ない!! 難破漂流しちゃったんですかっ!? 何度も最初に戻って読み返しましたよ…。 みなはらさんには、珍しいエンディングの形…。 儚さ、夢、希望の本質に迫られた気が致しまし…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ