西犬の村
さぁて、まずは何をしようかなぁ〜。
ゲームで獣人種の人は何してたって言ってたっけな…
『このゲーム、実は種族によって初期の動きがかなり違う。
例えば吸血鬼なら初めにすることは初期のステータスの高さで外に出て弱いモンスターや他種族を倒し血を吸う事が効率のいい動き方だ。
人間の場合は初期装備の尖った木の棒と木の板で外に出た所でその辺を歩いているグールに無惨に殺されるだけである。』
獣人の場合は確か村でなにかするのが大切だったのだ。なぜなら獣人の初期村はかなり優れているのである。
基礎の店が全て揃っており、ギルドまである初期村で二番目ぐらいに優秀だ。
ちなみに1番優れている初期村は魔人族だ。初期が巨大都市なのでやろうと思えばゲームの初めから終わりまで居座ることが出来る。
う〜ん…思い出せん…。
…!思い出した!ギルドで楽な依頼を受けて金を稼いでから良い武器を整えるんだ!
そういうことならまずはギルドに行きますか!
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ギルド…宗教、王国が干渉することを許されない絶対自由領域…
他種族、老若男女が乱れ合う様はある意味差別をなくなった理想郷だろう。
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面倒臭い事が起きる気がするけど…
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『獣の爪痕』
じゃあまずは冒険者登録しに受付に行k
???「なぁ、嬢ちゃんがこんな所に何の用だ?」
……フラグ回収の早さが凄いわ。
「身売りでもしに来たのか?おぉ?」
姿はブルドッグで分厚い皮の鎧に大きな木の棍棒を着込んでいる…1度目のランクアップ試験を終えた脳筋型って所かな…
『鬱陶しいし臭いから向こうへ行ってくれる?』
「あん?」
ギルドメンバーA(馬鹿だぜ、あの嬢ちゃん…いくら魔人族だからって自分の図体の倍以上の相手に喧嘩売ってやがる…)
ギルドメンバーB(というかカシバも醜いな、、いくらランクアップ試験をクリア出来ないからってあんな嬢ちゃんに絡みに行くとはよ…)
(誰か止めろよ、俺は面倒臭いから嫌だぜ…)
(俺も嫌だよ、、てかここのギルド員での乱闘はご法度だ、嬢ちゃんには悪いが世間を知ってもらおうぜ)
ふーん…落ちぶれた馬鹿で名前はカシバか…。まぁいいや、幸運な事にここは人が多いし、こんな面倒なことにはもう巻き込まれないためにも力を見せびらかしてやろう!
ミスズ『来なよ、万年Eランク…?』
カシバ「ば、バカにしやがってぇ!」
ミスズ(やっぱり図星か…考えは当たっていたようだね)
殴ってきた右手を掴んで引き寄せる…そして
カシバ「な!?」
こっちに来た顔面を………
殴りつける!!
メキョッとした音が鳴り響くとカシバは元いた席へと飛んでいき机がひっくり返る。
冒険者A「カシバの野郎、あんな華奢な嬢ちゃんに負けてやがるぜ!」
冒険者B「嬢ちゃんすげぇな!受け取ってくれよ!面白かったぜ!嬢ちゃん、名前はなんて言うんだ?」
ミスズ「ミ、ミスズです…」
冒険者C「スカッとしたぜ!」
「ほれ!チップだ!」
「いい見世物だったぜ!見かけによらずつえぇな!ミスズちゃん!」
か、金がどんどん集まってくる……。
受付嬢「はい!終わり終わり!解散解散!」
「ちぇっ!」「久しぶりにおもしれぇもんが見れたのによぉ…」「まぁ、良かったぜミスズちゃん!またパーティでも組もうぜ!」「おい!抜けがけはやめろよ!俺らと組んだ方が楽しいよー!」
受付嬢「まったく!もう……」
受付嬢「貴女もああいうことはやめなさい!怪我したらどうするの…」
ミスズ「え?ご、ごめんなさい……?」
ご、ゴールデンレトリバーなのに…何だこの漂うお母さん臭は!
受付嬢「まぁ別にいいわよ!可愛い子が来たら良くある事だし!」
よくあるの!?何だ…私の美貌のせいかと思ったわ…
受付嬢「ところであの強さって事は冒険者希望?」
ミスズ「あ、はい!」
受付嬢「そう、ならこのサインに希望して」
ミスズ「あれ?入員試験は良いんですか?」
ギルドには入試がある…5ダメージを出せとかいう鍛えていない人間の短剣弱攻撃2回で達成できる楽な試験だが……
受付嬢「別にいいわ、だってあなたEのあいつ1発で殴り飛ばせたじゃない、私の目で見て貴方はCランクぐらいの力があるしね…」
受付嬢「会員証は明日までに作っとくから今日は帰って、私たちは貴女を歓迎するわ」
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ミスズ「なんだか忙しい場所だったな…」
ミスズ「お金いっぱい貰ったし何しようかなあ……魔本屋へ行きますか!」
魔本屋へ行く理由は唯一お金でないと解決できないことをするためだ。
それは魔術の習得、魔本を見て術式を脳に刻印しなければ使うことは出来ない…
そして私は魔術を使えない…スキルとステータス頼りのキャラだ。だから魔術も覚えて完全な最強になろう!と思っているのである…!