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転生

ミーンミンミンミン


ミーンミンミンミン



 「あーもう…朝からうるさいなぁ」


 昨日は久しぶりに『奔放なる囚人』が降臨して夜更かししたんだから静かに寝かせて欲しいんだけど…。


ミーンミンミンミン

 セミは構わず鳴き続ける。夏の風物詩と言っても過言ではないその声に今年もやはり彼女は苛立っていた。


 「はぁ…仕方ない起きるか…」

 そういい彼女が体を起こし辺りを見渡すと本来内であろう光景が広がっていた。


 大体窓を閉じカーテンすら開けていないのにセミの声で起きるというのがおかしいのだ。


 その目の前にあるのは遠くの山、青い空、広がる木

 そして下にうつる刺々しく濃い紫色の鎧のようなものを着込んだ者の足だけだった。


 その足の付け根を辿り下を向くとなんと自分の腰あたりに繋がっているではないか。


そして更に腰から上に目線を移すと薄い紫色のお腹が見える。ビキニアーマーのようだ、その鎧はとても禍々しいのだが…


 そしてお腹の上に目を移すと視界や運動の邪魔にならないような穏やかな胸にそれを守るかのように背中の方から鎧が伸び真ん中以外を覆っている。


 胸から上を見ようとするがまるで自分の体かと言わんように首や顔を見ることが出来ない。


 なので触ってみると長髪で闘牛の角を禍々しくしたような角があるようだ…。


 …嘘だと思い手を動かしグーパーグーパーとしてみる


 鎧を着込んだような腕が反応するかのようにグーパーグーパーとする。



 ここまで証拠が揃ったのだ。認めたくないが…


 『……この痴女ってもしかして…私?』


 考えうる限りで最悪の目覚めだった。


 「えぇ〜……嘘でしょ?」


 私の名前は『寿 美鈴』17歳のただの高校生で日本人だ。

 断じて紫肌の痴女ではない。私は昨日『奔放なる囚人』にギルドメンバーや同盟ギルド共に惨敗してからふて寝したはずだ。


 ありえない…こんな…まるで異世界転生のような事

 異世界転生…?


 「そうだ!」

 もし私が異世界転生したというのなら何かチートを貰っているはず!


 一般オタク程度しか異世界転生の知識はないけど。

あの『お約束』がある!


 「ステェータス!オープゥン!」


……ミーンミンミンミン


 うるせぇ!黙れ黙れ!ただの遊び!ただの遊びだから!


 よし、冷静さを取り戻してきた。

 まずは自分が何かを知るべきね。吸血鬼とかスライムとか色々ある。


 どうやって知ればいいだろう…まずは見た目を知るべきよね顔に牙とか付いてるかもしれないし…角があって肌が紫色の時点で少なくとも人間ではないだろうけど。


 まずは水かな?湖とか探してみますか

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