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第零話 始まりはここから・・・

「バカ野郎!!いいか、チーム名って言うのはな。結構大事だと思うぞ」

「だから、そもそもチームなんて別に作んなくてもいいだろ」

小さなガンズショップで康太、勉、大次、裕大、五十嵐が丸机に向かいあい話し合いをしていた。

「いや、それは・・・・ほ、ほら、せっかくこんな風に同じクラスの奴が打ち合わせもしないでこんな風に集まるって言うのはなんか運命があるんだよ。きっと」

チームを作るのに俄然やる気のある康太。

「いや、ただ単にこの場にいる全員を道連れにしたいだけだろ」

やる気ゼロの大次。

「まぁ、いいじゃねーか。みんなもぅ紙に名前書いちゃったんだし」

膝壊してサッカー部辞めて、自棄やけになる勉

「俺はどっちでもいいよ。でもチームあった方が個室も使えるようになるし、試合だって出来るんじゃない?」

少々チームに関心がある裕大

「・・・・・」

興味なしの五十嵐


「そうだ。裕大君、よくぞ言った!!チームを作れればこんな丸机じゃなく、完全個室のホワイトボード有りの長机にパイプ椅子のある部屋に入る事が出来るんだぞ」

「くっ・・・・あっいや・・でも」

心が揺らぐ大次

「・・・ロッカー付きだぞ」

勉の一言で大次の心は完全に折れた。

「よし、作るか!!チーム」

「だから、さっきからそう言ってるだろ。問題はチーム名だ」

「○○高校二年でよくね?」

「却下、身分証明しちゃってどうするんだよ!!馬鹿できないじゃん」

「じゃぁ、○○組」

「駄目だ!!お前それ・・・完全傷者じゃねーか!!なぜにそっち系?」

「名前で相手をビビらせるみたいな?」

「はい、次」

「○○証券会社」

「・・・無し」

「(株)○○法人」

「なぜに株式会社!?」

「なぁその前にリーダーって誰?」

用紙を見ながら勉がそう言った。

「・・・そりゃ、言いだしっぺだろ。普通?」

「はっ?ヤダよ。なんで」

多数決の結果、満場一致で康太に決まった。



「はい、それじゃ後はチーム名だけだ」

新規登録の画面に名前と年齢を打ち込み(もちろん年齢は詐称)チーム名を決め決定ボタンを押すだけだった。

「チーム百戦錬磨」

「駄目、もぅいた」

「チーム一騎当千」

「おぃおぃ、個人種目じゃねーんだからよ。一人で千人とかどういう事よ・・・完璧個人主義者じゃねーか。ナルシスとか?裕大君は機械オタクな上にナルシスとなのか?」

「いや違います。フェミニストです。・・・・あれ?みんな?冗談だよ・・ちょっと引いた眼でこっちを見ないで」


「・・・・で?落ち込む裕大は放っておいてどうすんの?康太、お前なんも案出してねーだろ」

「え・・・俺?・・・じゃぁチーム俺」

「・・・か、完璧ナルシストじゃねーか!!」

「馬鹿ちげーよ!!俺ってーのはお前等も入ってんだよ。俺がいないと駄目ーみたいな?一人でもかけたらやってけません的な・・・・団結力が命です的な?」

「お・・・・おぉ、まぁ良いんじゃないの?」

「あぁ、駄目だわ。もぅチーム俺、他にいるわ・・・」

まとまりかけた。チーム名も勉の一言でまた振り出しに戻った。


「あぁ〜決まんねぇ〜」

全員がくたびれる中、ようやく五十嵐が動いた。

「んぁ?五十嵐、何する気だ?」

五十嵐は画面に近づき何も言わずに決定ボタンを押した。

「ぬおおおぉおおーーー!!五十嵐、お前何してんの!!」

「別にチーム名なんて関係無いだろ。やるのは俺達だチーム名じゃねぇ」

なんだか正論に聞こえ納得する康太達・・・あれ?俺達の必死に考えてたあの苦労は?とかは家に帰る頃にようやく思い出していた。



『試合終了、チーム鯨vsチーム1。勝者チーム1』

メガホンでそんな声がフィールド中に響きわたる。

「また、俺死んだ・・・」

「俺も・・・」

「俺も・・・」

「結局生き残って活躍したのは五十嵐か・・・」

全員が部屋に戻りボケラッとする中、五十嵐が入ってきた。

「五十嵐、お前一体どこに隠れてるんだ?」

「どこって?何が、普通に草むらに潜んでるだけなんだけどな」

「五十嵐!!頼む俺達に戦い方を教えてくれ」

康太が椅子から飛び降り土下座をした。

「おぉ、俺も何か案あるなら聞きてぇ」

そう言いながら大次も椅子から立ち上がった。

「・・・一応、考えた戦闘システムはある」

「おぉおぉぉ!!さすが」




『チーム百戦錬磨vsチーム1。勝者チーム1』

「よし、生き残った!!」

「俺も!!」

「全員だ。全員!!」

「よっしゃーー!!」

全員で部屋を後にし興奮がやまないまま出口に差し掛かった時、誰かが話しかけてきた。

「君達、チーム1かい?」

「え?えぇそうですけど・・」

「僕、岸辺って言うんだ。この街に道内一のガンズショップがあるのは知ってるかい?そこの店員なんだ。この小さな店じゃもぅ敵はいないだろ?」

「まぁ確かに・・もぅ誰も挑戦してくる奴いなくなっちまったよな・・・」

「だからさ、こっちの店においでよ。たぶん君達の年代の子が一人で寂しくやってる人がいるんだ。その子もチームに誘ってあげて欲しいんだ」

「どうする?向こう行ったら学校の奴等にばれちゃわねぇ?」

「でも、ばれてもいいだろ。こんなに人数いるんだから」

「そうそう、この店よりフィールドとか種類は豊富だしさ」

「・・・じゃぁ行くか」

「よかった。断られるんじゃないかって内心ドキドキしてたよ」


その時の岸辺の胸をなでおろす、笑顔が妙に不気味に見えたのはおそらく康太だけだったのだろう。

みんながその笑顔に少しでも不安を感じていたらあんな事にはならなかった。

あんな事が待っているとはみんな知らず、康太達はゴールの光も見えない暗い闇のゲームに足を踏み入れたのだ。





五十嵐、ライトノベルに目覚める


「おぃおぃおぃ、これ見ろよ。」

康太が龍之介がいないうちに鞄をあさり、ある紙のブックカバーに身を包まれた本を見つけた。

「えっ?何さ・・・」

興味を示したのは勉、大次、裕大・・・ってか、今それしか部屋にいない

龍之介は先に着替えてフィールドに出てるし、五十嵐は保健委員のなんかで遅いし。

とまぁ、そんな事はどうでもいい!龍之介の鞄の中にあった物、それはなんと今は珍しい紙の本が出てきた。

「龍之介の奴、そんな休み時間、読書ばっかりしてるからいじめられたりするんだよ」

「いや、五十嵐だっていつも読んでるだろ」

「五十嵐をいじめる勇気がある奴があのクラスにいると思うか?」

「あぁ・・・いないな」

康太の推測だが身長185以上、体重は90後半以上。なのにあの体格で黒髪短髪。そしてあのつり上がった目つき・・・どっかのあんちゃんよりなまら怖い。

「けど龍之介みたく背が小さくて気の弱い奴が本読んでたらどうよ?」

「そりゃいじりがいがありますな。。。」

「・・・っと言う訳で、俺達で龍之介を本から脱出させてやろうではないか!」

そう言って本を誤って下に落としてしまった。

「ヤベッ・・」

その時、一瞬だが本の中に文章ではない物が見えたような気がした。

「おぃおぃ、何やってるんだよ」

「ん・・?今、なんか挿絵なかったか?」

「はぁ?挿絵?龍之介が読んでる本って子供用の本なのか?」

そんな事を大次が言いながら龍之介の鞄からまた本を取り出した。

「いや、一瞬だけどさ見えたんだよ」

そう言いながら康太と大次がそれぞれ手に持った本を開き、中を見てみると

「ぬぁっ・・!!」 「うぉっ・・!!」

驚く康太と大次に首をかしげる勉と裕大

しばらく固まる、康太と大次。

「何、あいつどんな本読んでるの?」

裕大がそう口に発した途端。康太と大次が大爆笑し始めた。


「ダッハハハハ!!ヤベーよ。龍之介!!こりゃいじりがいがある!!」

「全くだ!こりゃいじられても仕方がない。これ見てみろよ」

そう言って康太は勉達に本の一部を見せた。

「こ、これは・・・・」そぅいわゆるライトノベル!

大爆笑する勉となんだこんな物かとため息をつきながら冷める裕大。


冷める裕大の反応にみんなが凍りつく。

「・・・ん?・・いや、違うよ。俺そんな趣味はないからね。・・・いや、本当だから。ちょっと!・・みんなが遠くに感じるよ!近くにいるのに遠くに感じるよ!!」


「・・・と、とにかく、龍之介をこの本から解放させてやろうではないか諸君」

「オォーー!!」

「とりあえず・・・本をてっとり早く龍之介から遠ざけるのが先決なんだが・・・裕大?これいる?」

「い、いいいりいりいりません。欲しくもないです」

「はいはい。わかりやすい反応ありがとうございます。ならこの本の行き先は決定いたしました!!ジャッジャジャーン!テレレレッレレレ〜」

そう言いながら紙の本はゴミ箱の中にストンと入ってしまった。

「よし、それじゃ俺達も練習に行くぞ!!」

「オォーー!!」


そう言って康太達は部屋を後にした。

しばらくすると保健委員の務めを終えた五十嵐が入ってきた。

入ってきた時、偶然にもゴミ箱を蹴ってしまった五十嵐。

「ヤッベ・・・」

こぼれたゴミをゴミ箱にしまう中、ブックカバーに身を包まれた本を見つけた。

「・・・・?」

その中の一冊を取り、中を見てあるページで手と体が固まり五十嵐が今まで見た事ないような表情をした(ご想像にお任せします)



「えぇっあの本捨てたんですか!!」

森林のフィールドで二対三で戦う中、龍之介は康太に血相変えて尋ねてきた。

「あぁお前のためを思って、あの本はダストボックス行きになった」

「いや、ほんと勘弁して下さいよ!あれ高かったんですよ。一冊三万です!」

「さ、三万っ!?本一冊に今そんな値段するのか?」

「あれ一応、レトロな商品なんです。2009年にヒットしたアニメの原作本なんですよ。なんでも社会現象にもなったらしくて・・」

「2009年?あれそんな昔の本なの?」

今戦闘の最中なのを忘れてでかい声で会話する康太と龍ノ介

「なんであんなに新品同様であるんだよ。古い紙って色あせたりするもんだろ」

「なんか、昔の人は本とか人形とか3つ買ってたらしいんですよ。僕の考えなんですけど、一つ目は最初に読むなり遊ぶなりして、それが壊れたら2つ目に手を伸ばす。でも3つ目に行くまでにはきっと飽きちゃったんじゃないですかね?だから未開封のまま置いてあったりするんですよ」

「なるほど・・・だから保存状態がいいのも予想がつく。でも、昔って今より物価とか高かったんじゃないのか?それなのに紙の本とか3冊も買えたのか?」

「さぁ・・・そこまではわからないですけど・・・」


「おぃ、お前等。戦闘中なの忘れて何やってるんだよ」

気がつくと勉達に囲まれていた康太と龍之介・・

「あ・・・ヤベッ」

そう言うと同時に勉達は一気に引き金を引いた。


『戦闘終了。勝者 勉選手、他二名』

「おぃ、どんなアナウンスしてんだよ!!」



戦闘が終了した途端。龍之介は一目散に部屋にかけ戻り勢いよく扉を開けた。

それと同時に五十嵐も勢いよく自分のロッカーを閉じた。

そんな事は気付かず龍之介は足もとにあるゴミ箱をくまなく探した。

「あれ・・・ない・・・ない」

「おぃ。。。ゴミ何かあさってなにしてる?」(バレるんじゃないかドキドキ)

「五十嵐君。このゴミ箱の中身しらない?」

「あぁ、確か店員がやってきて回収してったぞ」(来た事には来たが・・・)

「あぁ、せっかくの貴重な本が・・・」

「なんかあったのか?」(まぁ大体予想はつく)

「いえ・・・何でもないです」

「とにかく練習に戻ろうじゃないか」

五十嵐はそう言って龍之介をつれ部屋から出て行った。


しばらくすると五十嵐のロッカーがひとりでに開き、鞄の中にブックカバーが外された本が二冊見え隠れした。




今度こそこれで最後です。最後まで読んでいただきありがとうございます。えっこんな終わり方?とか思う方、そうです。こんな終わり方なのです!私にはこんな終わらせ方しか知りません。

そぅ!恋愛と同じです。なんやかんやでグダグダになって知らないうちに終わってる感じのあれです。

でもそれが人間のいい所だと私は思います。

「俺達の戦争」いかがだったでしょうか?また機会があれば新しい物語、もしくは「俺達の戦争2」を書き始めるかもしれません。その時は、よろしくお願いいたします。

ご意見やご感想、毎回の事お待ちしています。


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