エミ おばさんになりました。
完 じゃなかったのか(怒)
ごもっとも。
副店長「エミさん。この子にパンの作り方を教えてあげて」
エミ「いっ(;゜0゜)」
ルイ「お願いします」
エミ「勘弁してよ、苦手だな」
ルイ「あっ」
エミ「やり直し」
ルイ「はいっ」
失敗しつつ、最初から気になっていた異常な手指の柔軟性。
そして。
エミ「何て器用なの、既に私よりうまいかも」
そして、ルイの焼いたコッペパン。
エミ「私には、完璧にしか見えない」
エミ「副店長。新人の焼いたコッペパンです」
副店長「お客様に出していいわよ」
エミは、自分のできるパンを一つづつ教えていった。
エミ「はい。私の教えられることはもうない。卒業」
次の瞬間眼がギラついて
ルイ「クロワッサンは?」
エミ「えっ」
ルイ「店長から教わったんですよね」
エミ「どうしても、知りたいなら副店長に相談したら」
ルイ「ふーん。教えたくないんだ」
エミのトラウマを容赦なく抉った。
私は、小者じゃない。
エミ「私だって、店長と、副店長の高みには行けなかったんだから。やってみるのは無理だから、作り方だけ教えてあげる」
ルイ「はいっo(*⌒―⌒*)o」
ルイは、手指の異常な柔軟性と器用さで…。
焼き上がった。
あの味だった。
一つだけ食べた、あのとき自分が作ったクロワッサンの味だった。
エミ「これ三個もらっていい」
ルイ「はい」
エミは、残りのクロワッサンを副店長のところへ。
尾村「おっおい。まさか、クロワッサンまで教えたのか?」
エミ「副店長、どうしてもというのでクロワッサンを作るのを認めてしまいました」
副店長「ルイさん、店長のところへ行きましょう」
エミ「休憩とっていいですか?」
副店長「いいよ30分間までなら」
エミ「はい」
尾村「おれにもくれよ」
エミ「そこに残ってるよ」
尾村「なんだよ、店長の作っているところ盗み見て、こっそり作ってみた俺のよりうまいじゃん」
エミの泣きそうな顔を見て。
尾村「どうした? クロワッサンまで、あいつにとられたのが口惜しいか?」
エミ「あのときのことをいろいろ思い出して」
尾村「心労で倒れたんだったな? おっと、俺は行くわ」
尾村「ええ。あの小娘にクロワッサンを作って客に出すの認める」
ルイのクロワッサン。
尾村が…。
副店長「私は、許可してないけど」
尾村「ごめんなさい。お願いします」
副店長「許可します」
尾村「これは、店長と同じ…仕事に戻ります」
副店長「店長」
店長「どう思う?」
副店長「完璧です。でも、あのときのエミのクロワッサンは、未熟でしたが、なにか計り知れないものが、最もオーバーワークで二度と作れないみたいですが」
唐突に店内スイーツコンテスト。
副店長「優勝は、ルイ。優勝以外で商品化は、エミ」
なぜか、エミのスイーツは、飛ぶようには売れないが、ほとんど売れ残ることがないのだ。