第二話 耳、尻尾 [修正版]
うあっ
また目の前が真っ白に
うぅ……だんだんと目が慣れてきた、おぉ周りに騎士だらけだ
ファンタジーな世界だ、前には公園であった3人がいる
「おぉ勇者たちよ、よくぞ来てくれた!」
王らしき人が何か言っている
そしてテンプレな台詞だ
「ここどこ?」
「なにあれ、コスプレ?」
「何が起きたんだ?」
3人とも混乱している、もちろん僕もだ、
3人とも女神にはあったのだろうか?
「主たちは、この世界の救世主として、召喚された勇者だ!」
王が壮大に言う
「この世界をお救いください」っとわらわら取り巻きたちが言っている、うむ、テンプレだな
「何かの余興か」
「なんだか、よくわからないわね」
「このあと、どうなるの」
3人は混乱している、現実を受け入れられないのかきょろきょろとせわしない
その時、この場にいる人全員の視点がある一点に置かれた
そう、僕だ、
えっと何故?
前にいる3人が一斉にこう言った
「「「かわいい」な」です」
え?と思い、僕は後ろを見たが誰もいない
僕?と指さすと前の3人はうなずいた、
自分を指さしてるその指を見ると服がだぼだぼになっている、
指も細くしなやかで、爪が長い、それに胸もある、シャツがちょっと苦しい
だれの指?僕の指です……手が小さくなってる……胸が大きくなってる、なんだこれ??
「誰だ亜人を入れたのは!」
王の怒号が飛んだ
え、突然どうした
「勇者様たちはひとまずこちらへ」
3人は奥へと案内され消えていった、
そのあとすぐに、僕は、騎士たちの槍に囲まれ問いただされた
「亜人がなぜここにいる」
「亜人って何ですか!?」
思わず自分の口を覆ってしまった
なんだこの声、これ、僕じゃない、透き通るような声だ
「ッチ」王は舌打ちをし
「もう一度聞く、なぜ亜人がいる」
「僕は亜人ではないですし、召喚に巻き込まれただけです!」
「あちらの世界にも亜人はいるのか?」
王が部下に聞いている
「わかりかねます、しかし、召喚によって出てきたのは間違えないようです」
あの側近は分かっているようだ、僕が巻き込まれたことを
「魔力消費が4人分ですので」
「むぅ、そうか、ほんとに巻き込まれたのか」
「そこの亜人」
「はい」
「1週間この城にいてよい、その後は自分で考えるんだな、罪にはとわない」
とりあえず助かったのか、
乱暴に騎士たちに腕をつかまれ連れてかれた、
「イタッ、乱暴にしないでください」
頼んだつもりだが聞こえてない、というより、聞こえてないふりだこれは、
案内されたのは、狭くもなく、広くもない一室だ、
テーブルがあり椅子があり窓もありベッドもあり普通にいいお部屋だ、
「ここが、お前の部屋だ、1週間だけだからな」
分かってるよ
「何か困ったら扉の前のメイドに聞け、頼んだぞエルフ」
なんかいやみだなぁ
「かしこまりました」
メイドが答える、その後、騎士が乱暴に扉をしめた、
もっと優しく閉めなさいな!
好奇心でエルフが気になり、もう一度、扉を開け、壁の所にいるメイドをチラッとみた、
本当にエルフだ、すげぇ、ファンタジーだよこの世界、
ファンタジーは嫌いではない、むしろ大好きだ、現実逃避できる癒しでもあった、
目が合いそうになったのでそっと扉を閉めた
:::
さて、自分の体に何が起きたんだ?
この部屋には全身鏡が有ったのでそれで確認する
…………………
意を決して鏡の前に立った
うわぁ、かわいい子映ってる、誰だろぉ、僕だぁ、ケモミミ少女だぁ
耳が頭の上にある、髪は明るいシルクのような白髪で赤毛が混じっているセミロングだ目は赤っぽく瞳孔が縦だ、尻尾も生えている
「おぉ、動かせる」
モフモフな感じの尻尾だ
しばらくぼやぁっと見つめる、そこでハッとする
転生してまでなぜなぜ、ちんまいのだ!
元の世界でも決して背が大きいとは言えなかった、だからせめて、高身長の景色を見てみたがった、
どうやら、叶わないらしい、ちょっと服がダボってるのはそのせいか……
しかし、このからだでスーツは似合わないな、なんでだれも言ってくれない、
あと、胸が重い、じ、自分の体だから見ちゃっても触っちゃってもセーフだよね…
シャツのボタンを開けそっと見てみた、まぁまぁな胸がアンダーシャツの下で苦しそうにしている、
「………これ何カップだよ」
シャツの下でほんとに苦しかったのだが、
さらし的なものが欲しい
一応こういう時恒例のアレをやるか
胸を触り「ある!」下を見て「ない!」
……………謎の罪悪感が
と、まぁこんな感じだ、そうだ、メイドに洋服を調達してもらおう
ガチャ
「あのぉすいません」
「はい」
あ、名前を聞こう
「お名前は」
「イータと申します、貴方様の召使です」
「よろしくね!僕は…」
本名じゃなくていいか、別の世界だし心機一転ってことで
「ケーティですよろしく、1週間だけど」
「はい、よろしくお願いいたします」
後で、聞いた話だがやっぱり元の世界に戻るすべはないようなので
名前も新しくする、そもそも体も違うしね
以前飼っていた猫の名前だ
「早速で悪いんだけど、服を着替えたいなって」
「その、思ったより大きくて……動きやすい服装でお願いします」
「はい、かしこまりました」
イータは少し不機嫌そうだった
うん、この服いいね、元いた世界の服にも似てるし
茶色のブーツに、短パン、上はカップ付きのスポーツキャミにTシャツ、
ラフなロングジャケットっといった感じだ
ちょっとこの城にはしあわない格好かも
よくこんな服あったなと、感心、僕たち以外にも過去に召喚された人がいたのかな?
とりあえず胸は目立たなくした、
さて、1週間どう過ごすかな~~