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第二百二十二章 マリ、チビッコに襲われる

渚に指導して貰い、満足したチビッコ達が帰ろうとした時に事務員が来て、「お母さんがまた倒れて病院に運ばれました。」と伝えました。

渚は、“また“という言葉が気になり話を聞きましたが良く解らず、秋山先生も気になって病院に行く事にした為に、渚も付き合う事にしました。

病院で医師の説明を聞いても、「これはこういう病気だから。」と要領を得ませんでした。

少し詳しい話を聞こうとすれば、その医師は頭に来て、「そんなに文句を言うのなら、もうこの患者は当病院では面倒をみない。」と怒りだしました。

渚は、「解りました、後は私が何とかします。」と大学病院と連絡をとりました。

今日は休日で医師が足りないとの事でしたので、渚が診察してその後、入院させました。

後日検査すると、手術すれば治る病気だと判明して家族に説明しました。

以前の病院では手術は難しく不可能だと説明されていた為に心配していました。

看護師が、「渚先生の母親は医学界の魔女と言われた名医で、その娘ですから、母親と同様の名医の渚先生は医学界の魔法少女と言われています。大丈夫です。今迄も色んな専門医が手術不可能で助からないと診断した患者を何人も手術で助けてこられました。安心して下さい。」と説明を受けて、その家族は、エスベック病の手術も可能な有名な噂の名医だった事を知り、驚いていました。

チビッコの母親は、そのまま大日本医療大学付属病院に入院して、渚の執刀で手術して母親は全快しました。

チビッコから、「医学の名門大学の助教授と知合いだなんて秋山先生凄いね。それも日本一の名医とね。どんな知合いなの?柔道の知合い?」と聞かれました。

秋山先生は、「内田助教授は、先生が中学校の教師をしていた頃の教え子の娘さんです。」と説明しました。

チビッコは、「噂では内田助教授の母親は天才外科医だって聞いたよ。きっと秋山先生の指導が良かったからだよ。僕にも柔道以外に色んな事を教えて!」と頼まれました。

今回の件が、チビッコ柔道のメンバーや父母達の間にも広まり、柔道以外に学校の勉強もみる為に、勉強会も定期的に開催する事になりました。

問題は開催場所です。柔道の道場には机はなく、まさか、やくざの事務所という訳にも行かず、渚から相談されて困った陽子は、丸東組の敷地は広いので、裏口から入れば、ばれないだろうと考えました。

組員に、「勉強会開催日は、子供達が出入りするので裏口に来るな。当然勉強会をしている部屋にも来るな。トイレに行く事もあるので、子供達に見付からないようにしろ。」と指示して、そこで勉強会をする事になりました。

いよいよチビッコ達が九州で開催される全国大会に出場する為に、出発する日が決まりました。

秋山先生は、やくざに狙われていますが、まさか航空機までは狙ってこないだろうと思いましたが、念の為にマリに事情を説明して、秋山先生の事を頼み、マリの自家用機で移動する事になりました。

チビッコ達やその親は、飛行ルート等を説明してくれたパイロットを、何処かで見たような気がしましたが、全国大会に向かう途中で、頭の中は試合の事で一杯でしたので、思い出せませんでした。

試合は渚の指導もあり、優勝しました。優勝インタビューでチビッコは、「柔道の指導をしてくれている秋山先生が、試合前に凄いコーチを連れて来てくれました。今日は仕事の都合で来ていません。コーチも大変残念がっていました。」と説明しました。

レポーターは、「その凄いコーチとは誰ですか?」とどんなコーチなのか興味があるようでした。

チビッコは、「前回のオリンピックで凄い試合をした金メダリストの梅沢渚選手です。何故か今は名前が内田渚に変わっていました。良く解らないけれども秋山先生は結婚したからだと言っていました。練習中に怪我をしても、渚選手は大日本医療大学医学部第一外科の助教授なので、すぐに治してくれるよ。現に僕、練習中に関節外れたけれども、渚選手があっという間に治してくれたよ。」と説明しました。

レポーターは次に指導している秋山先生にインタビューしました。

「秋山先生、凄い選手と知合いなのですね。どういう知合いなのですか?」と質問しました。

秋山先生は、「私の教え子の娘さんですよ。私も陽子さんの娘さんが、あの凄い試合をした選手だとは知らなかった為に、驚いています。先日、同窓会があり、それで経緯上、渚さんがコーチしてくれることになりました。」と返答しました。

インタビューも終わり、その帰路の飛行機の中で、チビッコ達は興奮して、日本一の次は世界一を目指そうと言った瞬間あるチビッコが、「世界一?ひらめいた!パイロットの事を思い出した。父ちゃん確か伝説の名パイロット、霧島マリが出ている雑誌を大切に持っていたよね!その雑誌、今持っている?」と確認しました。

父親は、「ああ、持っているよ。この雑誌だ。霧島マリがでているページはと・・・ん?あっ!」と驚いていました。

チビッコは、「父ちゃん、気付いた?この航空機を操縦しているのは、伝説の名パイロットと言われた、霧島マリさんだよね。ハーケン特別隊の指揮官だよね。」と雑誌の写真を見ている父親に確認しました。

それを聞いて他の父母達もその雑誌を見て、「そうだ、間違いない。この航空機を操縦しているのは、確かに、この人だ!秋山先生、あなた本当に凄い人と知合いなのですね。」と驚いていました。

秋山先生は、「いや、私も今、知り、驚いています。パイロットは陽子さんの所に住んでいるみたいですよ。今、私は陽子さんの所に厄介になっていますが、そこで何度か彼女を拝見した事があります。何処かで見たような気がしましたが、彼女が、あの有名な伝説の名パイロットでしたか。しかし陽子さんの周囲は凄い人ばかりだな。」と驚いていました。

チビッコの一人が、「その、陽子さんのところにいる人は凄い人ばかりだという事は、秋山先生も凄い人になるね。あっ!そうだ、副機長はもしかして、ハーケン特別隊主力パイロットで女優の紅葉さん?サインを貰おうかな。」と筆記用具を準備していました。

着陸後、チビッコ達にアクロバット飛行の事や海坊主の事などを色々と聞かれて、段々と、「パイロットの腕は凄いのかな、操縦する時には足も使うのだよね。触らせて。」等と、二人とも身体中触られて、さすがの伝説の名パイロットも紅葉もチビッコには勝てずに困っていました。

空港に到着してから、秋山先生は霧島マリさんが何故、陽子の所にいるのか不明でしたので、マリに確認しました。

マリは、「梅沢陽子さんは、私達が海坊主に襲われた時に手当てしてくれた、命の恩人ですので、私は少ない余生を掛けて、陽子さんに恩を返します。」と説明しました。

秋山先生は、「そうですか。それで万が一、敵に襲われた時の為に、あなた方に操縦して頂けたのですね。」と納得して、「しかし、さすがのハーケン特別隊も、やくざではなく、チビッコ達に襲われるとは思っていなかったようですね。」と笑っていました。

マリは、「そうですね。着陸して油断した所を不意打ちされました。私も指揮官として失格ですね。しかし、最近のチビッコはませていますよね。先程はドサクサに紛れて、胸やお尻や女性の大事なあそこまで触られて、参りました。でも紅葉は若いので興奮したんじゃないの?息が荒いわよ。」と笑っていました。

紅葉は、「馬鹿、母ちゃんなんてことを言うのよ。」と予想外のマリの言葉に顔を赤くしていました。

マリは、「紅葉はいつも一言多いから、いつもの仕返しよ!」と笑っていました。

秋山先生は驚いて、「それは申し訳ない事をしました。私が指導しているチビッコ柔道の子ども達が大変失礼な事をしまして。」とマリと紅葉に謝りました。

紅葉は、「母ちゃん、余計なお喋りをしていても良いの?陽子組長からは空の上だけではなく、着陸後も戦場で実戦経験のある母ちゃんを見込んで、秋山先生の警備を頼まれたんじゃないの?やくざに襲われれば、恩返し所か陽子組長に顔向けできなくなるのじゃないの?狙撃されたらどうするのよ。」と恥かしく現実の話題に戻ろうとしていました。

マリは、「一寸、紅葉。秋山先生を心配させるような事を言わないでよ。折角秋山先生に黙って防弾チョッキを着せたのに。でも今日は風が強いから弾丸も流されて紅葉に当るかもね。」と笑っていました。

紅葉は、「弾丸が風で流されるなんて嘘でしょう?」と信じられない様子でした。

マリは、「それじゃ、何故ライフルに上手下手があるの?風で流されないのだったら、スコープを覗いて撃てば百発百中じゃないの?可哀想に紅葉の人生も今日で終わりか。」と笑っていました。

紅葉は、「一寸、勝手に人を殺さないでよ。」と慌てていました。

マリは、「あまり興奮して大きな声を出せば、近くのファンに気付かれて、揉みくちゃにされて、また触られて興奮するわよ。」と笑いながら忠告しました。

紅葉は都合が悪くなり話題を変えて、「秋山先生、柔道だけではなく勉強会もするらしいですね。」などと雑談しながら空港を出ると、陽子の指示で丸東組の組員が迎えに来ていて、そこで紅葉と別れて、マリは秋山先生と丸東組に帰って行きました。


次回投稿予定日は、10月22日です。

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