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第二百三十六章 マリ、機械獣に対応不可

ハーケン号がスクランブル発進した数時間後、先日、丸東組に家宅捜索に来て追い返された担当刑事が、黒幕が家宅捜索を中止させたのは、丸東組には何かあると判断して、同僚刑事と一緒に、丸東組に男女二人で乗り込んできました。

男性の刑事が組員と押し問答しているスキを突き、女刑事が奥へ入って行きました。

女刑事は、色々と部屋を確認していると、地下室がある事に気付いて、地下室に降りていきました。

そこで女刑事が見たものは、無線装置やモニター画面が並んだ、ハーケン特別隊航空部隊の基地でした。

そこに陽子がいた為に女刑事は、「これは何!何処と連絡とっているの。今、映っているのは何!」と次から次へと質問していました。

陽子は、「よくここまで入って来られたわね。」と感心していました。

女刑事はモニター画面を見ながら、「これって、ハーケン号の内部?しかもこんなに鮮明に?」と驚いていました。

1号機、2号機、3号機が分離する瞬間や分離後の戦闘状態が鮮明に把握可能でしたので、それも合わせて陽子に確認しました。

陽子は、「ばれちゃいましたね。何故ハーケン特別隊航空部隊の基地だけ敵に発見されなかったのか知っていますか?」とばれたから仕方ないと判断して、ある程度説明しようとしました。

女刑事は、「それは思いもよらない場所に基地を作ったからでしょう。しかし、今は、そんな事は関係ないでしょう!話を摩り替えないで!それは何!質問に答えて!」と誤魔化されないようにしました。

陽子は、「別に、話を摩り替えてないわよ。そうね、その質問の答えとして、まさか世界を救ったハーケン特別隊主力部隊である航空部隊の本部が怖いやくざの本部にあるとは誰も思わないでしょうからね。」と説明しました。

女刑事は鳩が豆鉄砲を食らったような顔をして驚いて、「えっ!?」と絶句しました。

その後、陽子が、「これで解ったでしょう!先日家宅捜査の中止命令を出したのは、ハーケン特別隊から依頼を受けた国際連合であり、アメリカ大統領からの指示です。それに刑事さんも人身売買の共犯でしょう?何故その黒幕がハーケン特別隊のマリさんの事を知っているのか解ったでしょう?」と説明しました。

その時無線機から、「こちらハーケン号、霧島マリ、本部応答願います。」と連絡が入りました。

陽子は、「こちら本部。マリさんどうかしましたか?」と確認しました。

マリが、「陽子さん、今回の海坊主の機械獣は、UFOのように瞬間移動します。ハーケン号では対応不可能です。至急応援願いします。」とマリの声がしました。

陽子は、「了解、数分で行きます。」と返答して、部屋を出ようとしました。

女刑事が、「何処へ行くの!確かニュースではハーケン号は日本の裏側のセントヘレナ島へ向かったと聞きましたが、そこまで数分で到着するってどういう事?それに、まだあなたの事を信用した訳ではありませんので!」と陽子を止めました。

陽子は、「説明している時間はないので、知りたければ一緒に来て下さい。」と女刑事が入って来た扉と反対側の扉を開けました。

そこには小型UFOや戦闘艦があった為に驚いて、「これって、ハーケン号が危機の時に助けてくれるUFOではないですか?どうしてここに?」と聞きました。

陽子は、「今がそのハーケン号が危機の時です。今からハーケン号を助けに行きます。」と女刑事を戦闘艦に乗せました。

陽子が、「何処かに、捕まって!総員配置に着け、機関室、一番エンジンから九番エンジンまでスタート!光速の0.8倍で大気圏離脱!」と指示しました。

女刑事は、えっ?大気圏離脱?と思った瞬間に体が宙に浮きました。

女刑事は慌てて、窓から外を見ると、人工衛星が下に見えたので、えっ!?と思った瞬間に陽子は、「セントヘレナ島へ降下!」と指示しました。

陽子は、「あれね、ハーケン特別隊が苦戦している機械獣は。砲撃手、レーザー砲発射!」と指示すると、レーザー砲発射と同時に、機械獣は消えました。

陽子は探査の指示を出すと、「光速の三倍で火星に向かっています。」とコンピューターから音声が流れました。

陽子はその先に何があるのか確認するように指示しました。

探査結果がでるまでの間にハーケン号を着艦させました。

「こちら、戦闘艦艦長、梅沢陽子です。マリさん、大丈夫ですか?私の戦闘艦に着艦して下さい。」とマリの事を心配していました。

マリは、「こちらハーケン特別隊指揮官霧島マリ!了解しました。合体の上、着艦します。」と返答しました。

ハーケン特別隊のパイロットが乗り込んで来た為に女刑事は驚いて、「これはどういうことなの?」と現状を理解しようとしていました。

マリも戦闘艦に部外者である女刑事が乗っていた為に陽子に、「これはどういうことなの?」とその女性の事を知ろうとしていました。

陽子は、「二人とも同じ事を言わないでよ!」と告げて、マリに今までの経緯を説明しました。

女刑事には、「刑事さんには、何処迄説明したら良いのか解らない為に、後は指揮官のマリに聞いて。一応、責任者ですので。」とマリに任せました。

マリは、「何、その一応というのは!」と不機嫌そうでした。

陽子は、「あっ、探査結果が出た。火星にUFOが着陸していて、そこに向かっているようですね。」と探査結果を説明しました。

陽子は通信装置で、「こちら戦闘艦艦長梅沢陽子です。宇宙戦艦ヴィツール号コスモス艦長応答願います。」とコスモスに連絡を取り今迄の経緯を説明して、火星に着陸しているUFOの調査依頼をして、「大昔、地球に攻めて来たX星ではないの?」と宇宙戦争にならないか心配そうでした。

コスモスは、「あれから、X連合とテレジア星とで宇宙戦争になり、地球の美しい自然を守ろうとしたテレジア星の軍人が一人亡くなり、娘の愛子さんが泣きながら遺体から離れようとしなかった事が印象的でしたが、X連合の政府は倒れ、今は平和的な国家になっています。地球がX星まで来られる科学力を持つようになれば、以前、地球を攻めた事を謝りたいそうです。」と説明しました。

陽子は、「解りました。コスモス艦長にお任せします。」とコスモスに任せて日本に帰還しました。

女刑事は丸東組に戻り男性刑事に、「この奥で見てはいけない物を見てしまいました。“ここには手を出さないで”としか言えません。犯罪行為と無関係である事は私が保証します。御免。」と興奮している男性刑事とは裏腹に冷静でした。

その後、コスモスから火星に着陸しているUFOについて連絡がありました。

「UFOの構成物質を調べた所、不明な物質があった為に博士に確認しました。トッピー星にしか存在しない物質らしいです。トッピー星人は先日、博士が交渉して、既に太陽系を離れています。今は海坊主だけしかいない事を博士がトッピー星に確認しました。私に調査できるのはここまでですので、後は博士に依頼しました。」という事でした。

フジコは、「その火星基地について調査してみます。その結果によって、今後の対策を検討しましょう。」と大型探査艦で探査を始めました。

その後フジコが、「海坊主は、光速を越えて飛行できるばかりではなく、瞬間移動や、ジグザグ飛行のテクノロジーも会得していました。それから察するに、武器も強力な武器を装備しているものと思われる為に、ハーケン号では、対応不可能です。」と報告しました。

渚と陽子は仕事がある為に、菊枝だけで戦うのは無理だと判断して、フジコは陽子達やマリ達と相談していました。

「今後の対策として、テレジア星人が全面的に援助するか、近距離用小型UFOや戦闘艦を、マリさん達にも操作可能なように、意思波を使用せずに、完全手動で操作可能なように改造するかの方法があります。但し、このような改造は今迄に例がない為に、テレジア星に確認する必要があります。」と今後の対応についてマリの意見を聞きました。

マリ達は、地球人だけで対応したいので、後者の方法を希望した為に、フジコはテレジア星に連絡して、その旨、伝えました。

テレジア星からは、「地球の事情は良く理解しています。全面的に協力させて頂きます。但し、その改造は操作方法を地球のジェット戦闘機に近いものにして、地球人パイロットが操作しやすいようにというコンセプトで改造する必要があります。それには、地球人パイロットの意見を取り入れる必要がある為に、地球人パイロットが、その改造の間、テレジア星の衛星に滞在する事を条件に了承します。」と返答がありました。

若い紅葉やマリの隠し子は、地球以外の天体に暫く滞在する事に興味を示して立候補しましたが、マリは自分の子供を地球以外の天体に行かせる事が心配で、「紅葉、あなた仕事はどうするのよ。それにあなたが行けば、テレジア星のレポートやインタビューの仕事が多くなり、肝心の事が疎かになる可能性があります。それにあなた方は二人とも私より若いので、体力的にも連続実戦も私より優れています。ここは私がテレジア星に行きます。」と二人を説得しました。

紅葉は、「何でそうなるのよ!若くて体力的に優れているので、環境が違う他の惑星でも耐えられるとは考えないの?母ちゃんは、ただ自分が行きたいだけじゃないの!突然環境の違う場所に行くと、またおもらしして、恥をかくだけよ。」と不満そうでした。


次回投稿予定日は、12月27日です。

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