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戦争は身近なもの

あ、そういえばこの世界に来てからステータスチェックしてないや。



うまく発音できないけどいけるかな?



そう思い立った俺は、目立たないようにボソッと



「うえーあうおーうん(ステータスオープン)」



と呟いた。



シウ

種族:人族/森人族

年齢:0(6ヶ月)

lv:1

生命力:8/8 (+4)

魔力:26/26

筋力:2

敏捷:2

器用さ:12

耐久:2

賢さ:20

精神力:15

運:50


スキル

[直感] max

[超直感]max

[料理] 6


称号

[王の選択]

直感系スキルを極めた者に与えられる。

直感系スキルが発動しそれに基づいて行動した場合、能力値に補正がかかる。


[無限の可能性を持つ者]

全てのスキルが習得できるようになる。


[異世界からの転生者]

違う世界から転生してきたものに与えられる。

全ての言語を理解できるようになる。


加護

[輪廻の女神アウラの加護]

輪廻の女神アウラに気に入られた者に贈られる。生命力が元の値の2倍になる。



うわ!そういえばこれやったら板出るんだった!これはさすがに目立………ってないな。



どうやらこの板は自分にしか見えないみたいだ。



ふぅー。今のはちょっと考えなしだったかな。次からは気をつけよう、うん。



よし、反省も済んだし早速見て行こう。



えっと、まあ色々あるけどまずはスキルと称号と加護が、アウラの言った通り消えてなくて良かった。



そして一つ増えてるな、称号。この称号はあって本当に助かるな。



すごい今更だけど、異世界でも日本語が通じるのはおかしいよな。実際は日本語じゃなかったわけだ。納得納得。



次に気になるのは名前だ。白峰子羽じゃなくてシウだけになっているな。考えられるのは今世の父さんと母さんがシウと名付けたって事だけど流石に出来過ぎか?うーんこれは保留だな。



後は当然だけどステータス下がってるな。でも下がっていない部分もあるか。こうして見る感じ、肉体に依存している部分が下がってるみたいだな。



…………さて、必死に目をそらしてたけど覚悟決めるか。種族の所に目を向ける。これは……かなりやばい気がするんですけどどうなんだろうか。



「お前………まだそれと一緒にいるのか」



俺がこれからの未来を思い憂鬱な気分になっていると、美男美女軍団の一番前にいたリーダー的な人物が声を発した。どうでもいいけど声まで格好良かった。どうでもいいけど。



「アッくんの事をそれなんて言わないで!」



母さん……父さんのことで怒るのはわかるけど、あんまり耳元で叫ばないでくれ……



そんな俺の願いも空しく、二人はどんどんヒートアップしていく。



「ふん、そんな人族などというようなゴミの事をそれと言って何が悪い?」


「ゴミなんかじゃないよ!アッくんはすごく優しいし強いんだから!兄さんの百倍格好良いよ!」



……これ怒ってるのか惚気てるのかわからないな……じゃなくて。



え、今兄さんって言った?言ったよね?俺の叔父さん(仮)なのあの人?



「俺が………この俺が……そこの屑に負けるというのかッ!」



ああ……母さんが煽るから叔父さん(仮)怒っちゃったよ。どうしよう、今にも斬りかかってきそうなんだけど。



その予想を現実にするかのように叔父さん(仮)の手が腰に伸びる。



その手が腰の剣を掴んだかと思うと、叔父さん(仮)の姿が消えた。



ギィンッ!という音を立てて振り下ろされた剣を受け止めたのはこちらもいつの間に剣を抜いたのか、父さんだった。



ぜ、全然見えねえ……



俺が視認できない速度で数回剣を交えた後、チッという舌打ちとともに叔父さん(仮)がバックステップで距離を取る。



「……屑にしてはなかなかやるようだな」


「それはどうも」



ジロリと父さんを睨みながら、叔父さん(仮)がそう言ったのに対し、髪をかき上げながら父さんが爽やかな笑みで返す。叔父さん(仮)の顔が憎々しげに歪む。ていうかそろそろ叔父さん(仮)って言うの面倒だから名前教えて欲しいんだけど……



「エルネス王子様!危険な事をなさらないでください!」



あ、名前ありがとう。叔父さん(仮)改めエルネス王子の一番近くにいたイケメンがそう声をかける。



ふーん王子かぁ……………王子!?



「え、王子!?」



父さんも知らなかったんかい!冷や汗ダラダラ流れてるぞ!ちょ、ちょっと待って。母さんは王子の事を兄さんと呼んだ……って事は、



「サラ王女様もお考え直しください!いつまでそんな野蛮な人族と共にいるのですか!」



異世界に転生したら母さんが王女でした!てへっ。なんて言ってる場合じゃねえ!



「嫌よ、もう赤ちゃんだっているんだから」


「赤………ちゃん?」



壊れた機械のような動きで、エルネス王子の虚ろで血走った目が俺を捉えた。怖い。



どうやら父さんに意識が向いていたみたいで半分父さんの身体で隠れている俺には気づいてなかったみたいだ。



「うん!ほら、可愛いでしょ!」



母さんが俺を見せつけるように、エルネス王子に向かって突き出す。



あ、今それやると完全に逆効果だと思います。



プッツン、という音がここまで聞こえた気がした。



「………戦争だ」


「へ?」



………聞き間違いか?あまりに突然の発言にお付きの人も困惑の声を漏らしていた。



「我らが王女が野蛮な人族に傷物にされた!このような屈辱を受けて、泣き寝入りする事などできない!戦争だ!人族のような虫ケラ如き根絶やしにしてやる!」


「「ええええええっ!?」」

ええええええっ!?



おお、家族の心が一つに。じゃなくて!



ヤバイ!とにかくヤバイ!



俺がこの状況をどうにかしようと頭をフル回転させていると、突然ゾクッと背筋に悪寒が走った。

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