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Primula  作者: 澄葉 照安登
第一章 二人目の新入部員
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二人目の新入部員 11

「花火はやっぱりこれでしょ」

「ココアのシーエムみたいだな」

 淡々と突っ込みを入れる真琴を無視して線香花火を一本手渡す。

「はいよ」

 そう言いながら今度は俺の目の前に線香花火を一本渡してくる。そのまま俺の隣にいる立花さんにも線香花火を渡す。

「先輩、早速やりましょう!」

「そうだね」

 小走りで俺の前に出て俺に振り向きながら言う立花さんがあどけない少女のように見えて自然と顔がほころんでしまう。俺に兄弟はいないが、妹がいたらこんな感じなのだろうかとふと思った。

 立花さんの後に続いて俺も線香花火に火をともして、さっきまでの流れで自然と立花さんの真横にしゃがみ込む。立花さんはなんとなく来ることがわかっていたのかさして驚きもせず線香花火を見つめている。

 この中でただ一人、浴衣姿の彼女はそうして線香花火を持っているのがとてもよく似合っていた。浴衣の袖が揺れて邪魔にならないよう空いている手で押さえながらパチパチと光る線香花火を見つめる彼女はとても絵になる。

「……? どうかしましたか?」

 そんな立花さんに見とれていると俺の視線に気付いた彼女が俺に尋ねてきた。

「いや、そうしてるのすごい似合うなって思って」

「え、えへへ。なかなか絵になってますか?」

「なってるなってる」

「ありがとうございますっ」

 ほんのりと頬を朱色に染めて笑顔でお礼を言う。何でお礼を言うのだろうと俺の頭上にクエスチョンマークが浮かぶが、今の会話を反芻して理解する。

「ど、どういたしまして……」

 自分がソウのような口説き文句じみたことを口にしていたことを理解してたまらなく恥ずかしくなって視線を逸らした。

「ハル、見境ないなぁ」

「うわっ、ソウ!?」

 急に真後ろから声を掛けられて俺の手に持っていた線香花火が落ちてしまう。そんな俺を見てニヤニヤしているソウ。またからかわれてるんだな、俺。

「はぁ、次の花火持ってくる」

 俺はそう呟くように言ってロウソクのほうへ行って線香花火に火をつけた。

 そのまま立花さんとソウのところへ戻ってもよかったのだが、二人の時間をあまり邪魔しないほうがいいと思い俺は同級生がほかに行ってしまって一人になっていた永沢さんのそばに寄っていく。ちなみに真琴は少し離れたところでスマホのゲームをしていた。少しは後輩と話をしてやってもいいだろうに。

 俺は数時間前までの自分を棚に上げて心の中でそんなことを想いながら永沢さんの隣にしゃがんだ。

「あっ」

 すると俺が隣に来たことにびっくりしたらしい永沢さんが俺のほうに勢いよく視線を向け、そのはずみで線香花火が地面に落ちてしまった。

「ご、ごめんね。驚かせちゃったかな」

 口にしてから心の中でそんなわかりきってること聞くなよと自分に突っ込みを入れる。

「あ、大丈夫、です……」

 そう言うと永沢さんは俺の持っている線香花火に視線を向けてくる。

「……よかったらいる?」

 あまりに見つめているものだから譲ってほしいのかと思って尋ねるがフルフルと首を横に振られてしまう。

「なら、まだ残ってると思うからとりに行く?」

 再度尋ねるが永沢さんはまた首を横に振る。

 うーん、なんなんだろう。もしかして俺来ないほうがよかったのかな。神社で少し話せたからっていきなり親しくし過ぎたのだろうか。というか、そもそも神社で感じた安心感みたいなものは俺だけが勝手に感じていただけで永沢さんはそうではなかったのかもしれない。

 不安に思って永沢さんのほうを見るが、その視線は線香花火に釘付けだ。

 線香花火をまっすぐに見つめている永沢さんの瞳には火花の光が反射してキラキラと光っている。その瞳はあまりにも綺麗で真っすぐで、吸い込まれてしまいそうになる魅力がある。

 俺が永沢さんの瞳に釘付けになっていると永沢さんが小さく深呼吸をしているのがわかった。耳を澄まさないと聞こえてこないほどの吐息ととても小さな肩の動きにさらに俺の視線は永沢さんのほうへと引き寄せられてしまう。

 永沢さんは数回の小さな深呼吸をすると最後に息を長く吐き口を開いた。

「先輩、その。今日はすみませんでした」

「え? ど、どうしたの?」

 いきなり謝られたものだから動揺してしてしまい、永沢さんに意識が集中していたせいもあって俺の指の先で控えめにパチパチと光っていた火の玉が地面に落ちて消えてしまう。

「……え?」

 呆気にとられたように永沢さんが俺のことを見つめる。俺は手元の花火が終わってしまったことなど気にもせずに永沢さんのことを見つめ返しながら首をかしげる。

「え、その……。今日一日、冷たく接していたことを、謝ってるんですけど……」

 話しているうちにだんだんと声が小さくなっていってしまう。俺はそれを聞き逃すまいとしゃがんだ状態のまま永沢さんのほうを乗り出すようにして耳を傾ける。

「あ、そういうことか。気にしなくていいよ、あれは俺が嘘ついたのがいけなかったんだし」

「え、嘘?」

「え、うん。だって永沢さんは俺が駅まで送って行ったときに嘘ついたのが嫌だったから怒ってたんじゃないの?」

 俺も永沢さんも同様の疑問に満ちた表情で聞き返す。

 すると永沢さんは一度俯いてから、気まずそうな表情でぽつりと言った。

「……違うんです。そういうことじゃないんです」

「……そうなの?」

 俺が訊き返すと永沢さんがこくりと頷く。

 俺に嘘を吐かれたことが原因でないのなら、いったい何が原因であんな態度をとられてしまったのだろう。

「えっと、なら、どういうことかな?」

 頷いたまま口をつぐんでしまった永沢さんに続きの言葉を求める。すると永沢さんは息を吐いて、気まずそうな表情で言った。

「……先輩に、下心があるような気がして、遠ざけてました」

「え……」

 あまりに予想外な回答に思わず固まってしまう。下心があるような気がして? 俺のあの行動ってそんな風に誤解されてしまうようなものだったのだろうか。ただあの時は雨に濡れている後輩を見過ごすのは悪いと思って傘を貸しただけなのだが。

「あの、本当にすみません」

「あ、いや、いいんだよ? こっちこそ誤解させるようなことしてごめんね」

 はた目から見て誤解されるような行動だったかどうかはさておき、それが永沢さんにとってそう言った誤解を招くような行動だったことは確かだ。俺は硬直していた自分の口を何とか動かして謝罪を口にする。

「……永沢さんは、もしかしてそういう風にみられるのが嫌いだったりする?」

 ふと気になって、何も考えずにそんなことを口にしてしまう。そのせいで永沢さんの表情が曇ってしまった。

「あっ、ごめん! いやなら別に話してくれなくていいんだよ!?」

「…………先輩」

「え!?」

「……聞いてくれますか?」

 何を、と口を突いて出そうになるが口に出さないほうがいいと思いなんとかその言葉を飲み込む。今永沢さんが何を話したいのかはわからない、けれど少なくとも今から自分の話すことを俺に聞いてほしいと思っていることだけは理解ができた。

 だから、俺は数秒前までの焦りをどこかへ消し飛ばしてゆっくりと頷いた。

 すると永沢さんはゆっくりと、吐息交じりの静かな声で話し始めてくれた。

「……私、一週間前までは漫研にいたんです。……」

「…………」

 永沢さんが一度言葉を区切るが、合図地や返答を待っているわけではなくどう話していこうかを考えているのだと思い黙って耳を傾ける。

「もともと漫画とか、小説とか、アニメとかも好きで、そういう話ができる部活があったらいいなって思って部活を探してました。……それで、漫研を見つけて、ここならそういう話ができるかもしれないって思って、入部したんです」

 前にどこかほかの部活には入っていないのかと聞いたとき彼女は入っていないと答えていた。今の彼女の話でそれが嘘だったことがわかる。かといって別に誰だって隠し事の一つや二つあるものだ。ましてや出会って間もない、それも異性に何もかもを話せと言っても無理なことだろう。

 当然俺はそのことについて彼女を咎めようとも思わないし、ソウだってそんなことはみじんも思わないだろう。

「入部した当初は、あんまり言葉数が多くはないけど、物静かでいい先輩とか少し怖いけど優しく話しかけてくれる先輩とか、同級生と一緒に漫画を読んだり、アニメの話をしたりしてすごく楽しかったんです。でも……」

 楽しかったという過去形の言葉に、次の続く言葉が明るいものではないということが容易に想像できてしまう。そしてそれは俺の想像通り、よくない方向へと進んでいった。

「だんだん楽しかったはずの部室が、暗くなってきたんです。それで六月になってから、不良みたいな見た目の先輩と、それ以外の先輩とで仲が良くなかったことに気付きました」

 なんとなく、その辺のことは知っていた。

 そもそも俺たちが文芸部を作ったのだって漫研に入るのが嫌だったからなのだから。

 仮入部の期間中、文芸部に入りたいと言っていたソウに漫研はどうかと真琴が言いだして三人でそろって漫研に行ったことがあった。漫研の中は一見仲良さげな空気を作っていたけれど、しっかりと二手に分かれていた。

 アニメや漫画が好きなグループとたまり場がほしいだけのやんちゃなグループ。

 もちろんやんちゃな見た目の先輩たちも漫画が人並程度には好きだった。けれど、それは少年誌に掲載されている有名な漫画や、有名な監督作品のアニメ映画なんかに限った話だった。

 その人たちは、いわゆるオタクが見るような深夜アニメやライトノベルといったものが好きではなく、むしろそれらから距離を取っていた。いや、一言で言ってしまえば嫌っていた。

 外向きはどんなものにも寛容そうに話しかけてきてはくれたが、もう一つのグループの先輩たちの表情には影があったし、妙にそう言った漫画やアニメを否定していた。

 そんな空気をすぐに察知した真琴が俺たちを連れて漫研を出て、なんとなくその雰囲気を感じ取っていた俺とソウを加えた三人で文芸部を作ろうという話に至ったのだ。

 俺たちのその行動が正しかったことは、文化祭で確信に変わった。

 去年の文化祭、できたばかりの文芸部で部誌を出すという話になったが、部員も少なく、全員が全員書いているわけではないので漫研と一緒に部誌を作るという話になった。

 しかしその集団の中には金髪やピアスをつけた先輩の姿はなく、部誌の相談に漫研の部室に行ったときにも非協力的な態度だった。さらには、俺たちが仮入部していた時の仲良さげな雰囲気などみじんもなく、力のあるグループがただ遊び場所として部室の九割を占領していて、真面目に活動してるグループは常に居心地悪そうに縮こまっていた。

 きっと真面目に部活動に励むのが面倒だと思ういわゆる不良生徒にとってその空間は支配するのに都合がよかったのだろう。この学校の校則である部活動の義務化の弊害だ。

 漫研は二次元が好きな人が多く所属するものだ。普段から物静かな人が多かったであろうことは想像に難くない。そんな漫研は、そう言った一部の生徒の侵略によって部の形が大きく変わってしまったのだろう。

「その中の先輩の一人によく話したり、帰りに一緒になったりする先輩がいたんです。でも、私が部活の違和感に気付いたくらいから、接し方が強引になってきて、それで、七月に入ったときに、告白されました」

 おそらくその先輩は最初から永沢さんに気が合ったのだろう。だから普段から永沢さんのそばにいようとして、いいところを見せようと話を合わせたりしたのだろう。

 永沢さんは決して目立つほうではないが、静かな雰囲気を待つ美少女だ。一目惚れだと断言することはできないが、容姿を一目見て惹かれてしまう程度の魅力は十二分に備わっている。

「私は、そんなつもりはなかったので、断りました。そしたらその先輩が怒り出して……………………優しくしてやったんだから付き合えって……言われたんです」

 それは、なんと理不尽な言い分だろうか。優しくしたから付き合えだなんて。

 優しくしたのは下心があってのことかもしれない。しかしそれが実らなかったからと言ってそれを相手に無理やり強制するのはあまりに身勝手だ。

 ふと、永沢さんに視線を向けると永沢さんは話しているうちにその時に事を思い出してしまったのだろう、細く華奢な腕をかすかに震わせていた。

「私、怖くなって逃げちゃったんです。それからしばらく部活に顔を出さなくなりました。それで、七月になって、誰かがそのことを先生に行ったんだと思うんですけど、先生がよかったら文芸部に来ないかって、言ってくれて」

 俺たち文芸部の顧問の桐谷先生は同時に漫研の顧問もやっている。あまりの状況を見かねた桐谷先生が自分の担当するもう一つの部活である文芸部を逃げ場として提供したということだ。

「本当は、行くつもりはなかったんです。でも、やっぱり小説とかが好きだから、そういう居場所があるならって思って、文芸部に顔を出したんです」

 永沢さんが文芸部にやってきた当初、文芸部に所属する部員を、文芸部に所属している男子生徒を警戒するような目で見ていたのは、そんなことがあったからなのだと理解する。

 またここでも同じようなことが起きてしまうんじゃないかという不安でいっぱいいっぱいだったのだろう。そしてそんな場所でまた、自分に気があるようなそぶりをする相手が現れてしまった。

 自意識過剰だとも思えてしまうが、当の本人はまた同じことが起きるのではないかと不安でたまらなかったに違いない。何とか踏み出した一歩が、また自分の首を絞めるような結果につながってしまうことに強い恐怖を感じたに違いない。

「すみません。そんなことで、避けたりしてしまって」

 謝ることではない。誰もそれを咎めることはないし、むしろ今こうやって自分の秘密を明かしてくれたのだ。それは信頼してくれたからだと解釈して間違いではないだろう。

 自分の話したかったことを話し終えた永沢さんは俯いて黙ってしまう。だからそんな顔をしなくてもいいと伝えたくて、俺は少し声のトーンを上げて語り掛けることにした。

「いま、文芸部はどう? 楽しい?」

「……今はまだ……」

「そっか」

 言いにくそうに口ごもってしまう永沢さんになるべく優しいトーンで、それでもしっかりと声が届くようにはっきりとした声音で合図地を打つ。

 それが功を奏したのかはわからないが、永沢さんは「でも」と付け加えてから俺のほうを見てはっきりと答えた。

「嫌ではないです」

 その瞳には、まだ不安は残っているものの決してそれだけではないことがうかがえた。

 出会ってまだ一週間、関わってまだ一週間のグループだ。その短い時間の中でこれだけの回答を得ることができたのだ。それならばきっと安心してもいい。これから先きっと、永沢さんはこの文芸部という人の枠の中にぴったりとはまるはずだから。

 前の部活で起きてしまったことはもう変えることはできないけれど、今いるこの場所ではそんなことは絶対に起きない。ソウは見た目は軽いけれどまがいなりにも一年間文芸部をまとめてきた人間だ。周りを見ることは苦手としてはいないし、そもそもソウが誰かの嫌がるような自分勝手な行動をすることはないだろう。長い間ソウと過ごしてきた時間があるから、俺はそう思える。

 真琴に関しても、色恋沙汰とは無縁だし永沢さんの嫌がることはするわけがない。むしろ真琴はそんなに親密な関係になることを望んですらいないんじゃないだろうか。

 自分の親友の性格を考えて俺は少し頬を緩ませながら永沢さんに言う。

「ならきっと、いい場所になるよ」

 根拠は自分の親友に対する信頼。それは俺にしかわからないことだけれど、だからこそこうやって俺の口から言葉にする。

 俺の胸中をすべて理解したわけではないだろうが、永沢さんは小さな声で合図地を打ってくれた。そんな彼女の反応にますます頬が緩む。

「なーに話してんだよっ」

「うぇ、いきなりなんだよソウ」

 穏やかな気持ちになっていたというのに、いきなり後ろから肩を組んできた親友のせいでそんな雰囲気も台無しになってしまう。

「ずっと二人で話してんのはずるいぞ。俺だっていろいろ話したいことがあるんだから」

 肩を組みながら永沢さんのほうに視線を向ける。

「二人ともいい雰囲気って何ですか、松島先輩青春してて羨ましいー」

「きゃっ、み、美香」

 今度は永沢さんの背中に覆いかぶさるように立花さんが抱き着く。

「真琴もこっち来いよ」

 俺の耳元で遠くから俺たちを見ていた真琴をソウが呼ぶ。真琴は心底めんどくさそうにしながらも律義に俺たちの輪の中へと入ってきてくれる。

「で、二人で何の話してたんだよ。口説いてたのかぁ?」

「違う違う。ちょっとした世間話をね」

「本当ですか? いい雰囲気だったと思いますよぉ?」

「そんなことないって」

 穏やかな雰囲気がかすかに残っているおかげか、二人の茶化しにも動揺せずに答えることができる。

「どう思います後輩一号」

「いやぁ、これは怪しいですね先輩一号」

 俺と永沢さんの頭の上でそんなくだらないことを言い合っている仲のいい二人。呆れてしまっているのになぜか呆れ笑いとは違う笑みが浮かんでくる。

 そう、きっと大丈夫。

 この文芸部は、まったくタイプの違う人が集まってきてはいる。みんなで騒ぐのが好きな人、静かに過ごすのが好きな人、そんな仲間を見るのが好きな人。その中に、他人が嫌がることをよしとする人は一人もいない。無口な真琴でさえ、いやむしろその真琴こそが一番そういったことを嫌っているはずだ。だから漫研の見学の時に俺たちを連れだしてくれたんだと思う。そんな空間に仲間を置いておきたくないから。

 そう思いながら真琴を見つめるとため息を吐いている。けれどそれは重々しいものではなく、とても暖かいため息だ。

 永沢さんにとって悪い場所には決してならない。そう思いながら永沢さんを見つめる。永沢さんは自分にのしかかっている立花さんを少し迷惑そうな顔で見ているが、その口元には小さな笑みが携えられている。

 それにつられて俺の口元が緩むとその気配を感じたのか永沢さんと目が合う。

「永沢さん」

 そういえば、と思って俺は自分の前に映る女の子の名前を呼ぶ。

 ついさっきもソウがさっさと口にしてしまったのでタイミングを逃してしまったし、その前ではまともに話をすることもできなかった。

 でも、だからこそ今なら言える。初めて会ったときに、あるいはついさっきソウが歓迎の意を口にした時に口にすべきだったとても短い言葉を。

 俺は一度深呼吸をして、なるべく自分の気持ちが伝わるように笑顔を浮かべながら二人目の新入部員に向けて言った。

「文芸部へようこそ」


とりあえずひと段落です。

まだまだ序盤ですが感想などありましたらぜひ書き込んでください。

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