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プロローグ
運命の相手。
約束された相手。
そんなものに俺は憧れていた。
ロマンチックな出会いをして、お互いのことを見つめ合って、何も考えなくともその人のことを想い、求めてしまうような、そんな胸の躍る運命の赤い糸に。
きっとどこかにいるはずだ。出会った瞬間に目が離せなくなってしまうような相手が。
胸の奥で何かがあふれ出してくるような気持にしてくれる人が。
運命の相手が現れればきっと、一目惚れして、相手も自分のことを好きになってくれて。きっと永遠を信じることができるような恋愛ができる。本気で相手のことを好きになることができる。
恋をしたこともないのに、誰かを好きになったこともないくせに。ただ真っすぐに、きっとそんなものが存在するはずだと信じていた。
だから今も昔も変わらず俺は、そんな相手が現れるのを待ち続けていた。
始めましての方は初めまして
そしてご存知の方はお久しぶりです。
またこのサイトに小説を投稿していこうと思いますのでよろしくお願いします。