残念なお知らせ
【俺】(ん?緊急避難は100歩譲って分かるとして... 改造しただと⁈)
【俺】「身体を元に戻せっ‼︎」
【コトワリ】「ムリじゃ。元に戻したらワレの存在にヌシが耐えられなくなる。」
【俺】「じゃ、俺を解放して、とっとと自分だけ元の世界へ帰れ!」
【コトワリ】「もちろん、帰るつもりじゃ。
ただ、ヌシも一緒となるがな。」
【俺】「迷惑だ!だいたい何故お前と一緒に俺が異界へ行かねばならない?」
【コトワリ】「まず、ヌシの身体はすでにこの世界の『コトワリ』から外れている。ワレが一緒ゆえ、辛うじてこの世界の真理に存在を許されている状態だ。もし、ワレがヌシから離れたらどうなると思う?」
【俺】「まさか、排除されるとか⁇」
「・・・」
【コトワリ】「まさかではない。ヌシは贄と同様の運命を追うだろうな。ヌシの身体はいまやこの世の因果律から外れている。それ故この世界にはもともと存在しなかったものとされるであろう。
先に言った通り、ヌシの身体を全て組み替え直す力は今のワレにはない。
必然として『ワレと共に彼地に来るか、ここで滅するか』の選択しか無いぞ。
因みにその器を、より高位のものに組みあげた事は感謝されるべきものだぞ。
より大いなる種になれたのだから。」
【俺】(組み換えたのは、そもそもこいつの自己都合でこっちが望んだ訳じゃない。
異世界に戻ろうとしているのも間違いなくこいつの自己都合だ。。。)
ここで一つ疑問が浮かぶ?
(こいつは何故『オレ』に残るか、異界へ行くか選択させようとしてるんだろう?)
【俺】「断る。」
【コトワリ】「えっ」
明らかに狼狽した思考が流れこんできた。
【俺】「お前といれば、地球の真理も手を出せないんだろう?。敢えて、異界に行く危険を取る必要があるのか?」
(そもそもこいつは贄すら守れんかったやつだし。それにどうやら強力な敵も向こうにいる。そんな所へ連れ去られるのは正直ゴメンだ。)
【コトワリ】「その姿で、この世界を生きていけると思わんがな。」
【俺】(若しかして、その為に俺を改造したのか。。。もしかして『詰んじまった』のか?。。。
でも。。。
まてよ?
何故こいつは、俺を力づくで彼地とやらに連れ去らないんだ⁇
もしかして、依代の合意なく強引に連れさる事が出来ないんじゃ。。。)
『コトワリ』がこの地に詳しく無い事に賭けた。
【俺】「この世界には『引き篭もり』っていう職業と『コスプレ』って言う変身能力がある。従ってこの姿で生活するのになんら不便は無いが?」
(困惑と混乱?した思いが流れ込んでくる。
まあ多少の嘘?はあるんだけどね。)
【コトワリ】「意識を飛ばしたが、ヌシのような者は他におらんぞ。異質なものを排除するのがこの地のコトワリのはず。」
【俺】(さすがに一筋縄にいかないな。確かに異質な者に対する差別はあるのは事実だし。でも、もう一押しか。)
【俺】「じゃあどうして、公けの場で贄が排除され無かったんだ?」
「........」
【俺】「それを許容できる文化と言うのがこの地にはあるんだよ。」
言いつつ
PCでコスプレのレイヤー達
の写真を見せた。
ネコミミ、緑やピンク、黄色の髪がみ。。
俺が勇者になった瞬間であった。